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シェリングフォード家の主従
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レジナルドのグラスにクラレットを注いでくれながら、アルバートが説明してくれる。
「それに給仕が要るような食事では、わざわざ君にご足労いただいた目的を果たせない。エリオットのようにはいかないが、私もワインぐらいは注げるしね」
しばらくは差し障りのない会話を交わしながら、食事は進んだ。
ウィズリー校の思い出話、卒業後に進んだ道、そして近況など。五年間を共に過ごし、その後十年間疎遠になっていた元同寮生同士、話すことはいくらでもあった。自慢するだけあって料理の味も素晴らしく、互いにグラスを重ねながら、ゆっくりと十年間の空白を埋めるように和やかで贅沢な時間を心ゆくまで堪能した。
そろそろ食後のチーズに移ろうかという頃、
「例の相談の件なんだが」
アルバートが切り出した時、いよいよかとレジナルドは姿勢を正した。
「お役に立てるといいのだけれど」
「もちろんだよ、監督生…って、君は十年経っても監督生のままだな」
再会してからも元監督生を当時の呼称で呼んでおきながら、そんなことを言ってアルバートは懐かしいものを見るようにレジナルドを眺める。
「それに給仕が要るような食事では、わざわざ君にご足労いただいた目的を果たせない。エリオットのようにはいかないが、私もワインぐらいは注げるしね」
しばらくは差し障りのない会話を交わしながら、食事は進んだ。
ウィズリー校の思い出話、卒業後に進んだ道、そして近況など。五年間を共に過ごし、その後十年間疎遠になっていた元同寮生同士、話すことはいくらでもあった。自慢するだけあって料理の味も素晴らしく、互いにグラスを重ねながら、ゆっくりと十年間の空白を埋めるように和やかで贅沢な時間を心ゆくまで堪能した。
そろそろ食後のチーズに移ろうかという頃、
「例の相談の件なんだが」
アルバートが切り出した時、いよいよかとレジナルドは姿勢を正した。
「お役に立てるといいのだけれど」
「もちろんだよ、監督生…って、君は十年経っても監督生のままだな」
再会してからも元監督生を当時の呼称で呼んでおきながら、そんなことを言ってアルバートは懐かしいものを見るようにレジナルドを眺める。
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