(完結)好きな人には好きな人がいる

いちみやりょう

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律葉視点 律葉の恋 完 ※

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「……本当に、いいの?」
「ん」
「もう。止まってあげられないかもしれないよ……律葉」

耳元で話す龍一郎の声は、静かで、いつもよりも色気が溢れていて、それだけでもうゾクリと背中が粟立った。

「龍一郎が、僕でその気になってくれるなら……」
「そんな顔されて、その気にならないわけないでしょ……律葉」

そう言って、龍一郎は僕の顔にキスの雨を降らせた。
龍一郎の右手によっていつの間にか、僕の両手は頭の上で縫い止められ、シャツのボタンが簡単に外されていく。

「龍一郎……な、なんか、慣れてない?」

龍一郎は以前、一度も付き合ったことはないと言っていたのに、僕を脱がせる手は、とてもそうだとは思えないほど鮮やかだった。だからきっと龍一郎からは余裕そうな笑いが出ると思ったのに、僕の上から降ってきた声は予想とは真逆で、余裕のない焦ったような、緊張したような声だった。

「慣れてないよ。ほら見て、緊張してちょっと震えちゃってる」
「え……本当だ」

確かに、龍一郎の手は少しだ震えていた。
僕も恥ずかしくていっぱいいっぱいで言われるまで全然気がつかなかった。
じんわりと胸が熱くなった。

龍一郎も、僕が初めてで。その上、震えるほど緊張してくれてるんだ。

「好き……、龍一郎」
「っ、煽ってるの? もう」
「龍一郎が僕で煽られてくれるの、嬉しい」
「ちょっと、それ以上煽るのやめて……」

顔を真っ赤にさせて僕を見る龍一郎の様子は、本当に余裕がなくて逆に僕は少しだけ冷静に慣れた。経験のない2人だから、2人ともどこかで聞き齧ったような知識しかなくて、それでも龍一郎は僕のそこを、時間をかけて丁寧に解してくれた。

「はぁ……、は、もう、入れるよ」
「ん、りゅう、ちろ来て」

散々慣らされて焦らされていた僕のそこは、龍一郎のそれを喜んで受け入れた。

「ん、どんどん、飲み込んでく。エッチ……」
「……ふっ、んんはっ、えっちだって……ぁはっ、あぁっ!!」

龍一郎の小学生のような感想に、僕は恥ずかしくなるよりも何だか面白くなって笑って、体に力が抜けたタイミングで、ぐっと腰を進められた。

「律葉めちゃくちゃエッチだよ……それに中、グチョグチョ。はぁ、んっ、律葉の中、気持ちいい」
「ぁっ、やだっ、いわな……んぁっ」
「ほら、中に入ってるの、分かる? ここら辺まで入ってるよ」

グリグリと進んでいる龍一郎のそれを、僕の腹の上から抑えるようにして、進み具合を実況してくるのは、流石に意地悪すぎる。

「律葉の、気持ちいとこ、どこだろう。こっち側だって聞いたことあるけど」
「ぁっ、やぁんん、ぁっ」

ヌチュヌチュと、僕の中で何かを探すように、腸壁を探られて、妙な圧迫感と快感が高まった。
そして、次の瞬間、龍一郎のそれが僕の中の何かをコリっと掠め、頭にビリリと光が走った。

「あれ? これかな。コリコリして気持ちいい」
「ぁっ、ぁあっやらっ龍一郎っ、そこばっかりやだぁ!!」
「気持ちよさそう。やっぱりここなんだね……、んっ、ここ擦ると、元々狭い律葉の中がもっと狭くなって、気持ちいい」
「ぁっ、ちょ、んんぁっ……とま、止まってぇ、ぁあっ」
「ごめんね律葉、ちょっと止まれない……、少しだけ我慢して」
「ぁあっ、りゅういちろっ、まっ、ぁっ、んぁんんっ」

パチュンパチュンという音が部屋に響き渡って、それから龍一郎の顔が近づいてきて、口の中を貪るように犯されて、頭の中が快感でぐちゃぐちゃになった。
少しだけ我慢してという龍一郎の言葉は、完全に嘘であれから僕は夜中まで解放されることもなく、指先1本も動かせないほどに疲れ果てるまでボロボロにされた。

「ごめん、律葉。やりすぎた……ごめん」

龍一郎は、朝になって目が覚めた僕に、顔を青くしながら謝った。

「龍一郎……」
「律葉、ごめん。本当に。体辛くない? いや、辛いよね……どうしよう。病院行こうか」
「待って龍一郎。僕、大丈夫だから……」
「でも」
「本当、大丈夫。体綺麗にしてくれたの、ありがとう」

ドロドロのグチョグチョだった体は、さっぱり綺麗になっていた。
けれど、目の前にいる龍一郎は、ジメジメした青い顔をしているのだ。

「そんなの」
「龍一郎、何でそんなにしょげてるの? 僕は、龍一郎と通じ合って、心も体も1つになれて嬉しいのに」
「俺はもっと律葉を溶かすように優しく抱きたかったのに、あんな風にしちゃったから。大丈夫? 俺が怖くない?」

自分のことを怖くないかなんて本気で心配している風な龍一郎に、僕は何だか面白くなった。

「あはは。龍一郎が怖いわけない。好きだって言ってるのに。龍一郎が、僕に触れてくれて、僕と一緒の時間を過ごしてくれるだけで、僕は本当に幸せなんだから」
「っ。律葉……、ありがとう。愛してる」
「僕も」

僕を意地悪に抱いたことは、冷静になった龍一郎にとってきっと、龍一郎の父親のことを思い出してしまうような行為だったんだろうと思った。けれど、きっと龍一郎の父親のすることと、龍一郎のすることでは、全然違うだろう。龍一郎のセックスなんてあんなの、愛し合ってる者同士で、された僕も喜んでいるんだからプレイの一環でいいのに、それでも青い顔で謝る龍一郎が、やっぱり好きだ。まぁ、多少絶倫ぎみのところは困り物かもしれないけど、でもやっぱり好きだ。目の前で、僕の様子を心配そうに伺い見ている龍一郎を見てそう思った。
龍一郎は、周りの生徒が言うほどにスパダリじゃない部分の方が多いし、何だったらちょっと情けないところも見てしまったけど、龍一郎に対して愛おしさが込み上げるばかりだ。


だって僕は、世話が焼ける人が好きなのだから。


律葉編完
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