インシツな指先

カゲマル

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無念

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 要するにこういう話らしい。
 女性看護師の制服がスカート一択なのは時代に合わないという理由でズボンタイプの方も選べるようになったのだが、まさかの全員ズボン選択という悲惨な結果になり、さらにスカートは廃止という流れになったようだ。
 院長は唇を噛みしめていた。その感じを難病治療とか相手に出せればいいのにな。

「頼む。報酬ははずむから」
「……了解」

 まあ引き受ける俺も俺なんだが。

 ・・・

 当日、俺は作業着姿で病院内に潜入していた。院長が適当な立場を用意してくれたのだ。まあ、あとは眼鏡やらで変装しておけば知り合いにはバレないだろう。
 辺りを見回すと、確かに顔面平均の高さに驚く。この前のイベント並みと言っていいだろう。これはやりがいがありそうだ。
 ちなみに俺の性欲の解消もして構わないとのことだ。時間があれば協力もしてくれるらしい。今回も至れり尽くせりのようだ。
 さて、片っ端から撮ってくれと言われたが、誰から行こうかね。
 最初は穏やかそうで、なおかつ忙しそうなのがいい。看護師って職業柄少し性格キツめに見えるんだよな。
 すると、視界の端にお年寄りを気遣いながら受付に案内している看護師の姿が入ってきた。
 年は二十代前半といったところか。まだ働き始めの初々しさが見て取れる。いい感じだ。まずはこいつから行ってみるか。
 さりげなく周囲を確認すると、当たり前といえば当たり前だが、誰もこちらを注視したりはしていない。まあ皆自分の仕事や体調しか気にならないだろう。何人か医者や看護師を話し相手にするために病院に来ているような老人がいるが、この辺は気にしなくても大丈夫だ。
 俺は悟られないよう、足音を消して歩き、看護師と患者の斜め後ろを陣取る。スカート越しにもわかるいい尻をしていた。
 ……おっといけない。まずは依頼を達成してからだ。
 俺は不自然にならないように辺りの点検の真似事をしながら距離を詰め、靴カメをスカートの下に滑り込ませた。
 ふむ、気づく気配はないようだ。
 俺はついでに自分の目的を達成すべく、看護師の尻に手の甲をこつんと当てた。
 すると、意外なくらいはやいスピードで女は振り返った。

「あっ、ごめんなさい!」
「いえ、こちらこそ」

 謝りながら、書類にそれらしいことを書き込み、その場を離れた。
 ……さてと、上手く撮れているかな?
 結果は……綺麗なピンクだった。

 ・・・

 ……ほう、あの男はなかなかの逸材じゃな。
 どれ、儂も少し手助けしてやろうじゃないか。
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