夢から覚めるなら殺して〜虐待を受けてきた白狼、天才科学者はなんとか助け出すが、歪んだ性知識と無知な性知識、いつになったら幸せになれるの?

モスマンの娘

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✿❀✿ 番外編 ❀✿❀

§§ 一番綺麗な私を 20 (sideシバ)  §§

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「あのっ…さっきはごめんなしゃぃ、私がワガママ言ったから、困らせちゃって…」


家に帰り着くとバスターさんが下を向いたまま服の裾をもじもじさせて謝ってくる。
送ってもらった谷口さんの車の中でも、ずっと下を向いてしょんぼりしていたから、きっと気にはしていると思ったけど…


「いいんですよ、バスターさんは悪くありません、不安なら言ってもらえた方が助かりますからね?バスターさんはいい子過ぎるんですよ、もっとワガママを言ってください
人狼の雄は雌の面倒を見ることが至極の喜びなんですよ?忘れちゃいましたか?」


ゔゔぅ…っと口を尖らせながら俺に手を伸ばしてくる。求められるままにバスターさんの細い体は抱きしめていく、ひっくひっくとしゃくりあげている背中を優しく撫でてこめかみに触れるだけのキスをする。


「私は…こんな私がイヤなのっ…ずっと何かが怖いの…シバがいないと、息もできにゃいよぅぅ…」

「大丈夫です。俺がずっと側にいますからね?泣かないで…バスターさん」


本当に弱くて可愛いバスターさん、でもきっとバスターさん自身は全然この状況を望んでいなくて、ずっとストレスを感じてるなら早く楽にしてあげたいけど…


『もしもし、シバさんですか?アキラです。
スペリオルドラゴンの羽は確保できたのですが、届くのが来週の金曜日で…すいませんがそれまで待っていただきますか?』

「はい、もちろんです。準備していただいてありがとうございます。
わかりました。バスターさんにも伝えておきますので、よろしくお願いします。」


アキラさんの言葉に胸を撫で下ろして、リビングのバスターさんに目をやればぼんやりと窓の外に目を向けている。昨日、病院から帰ってきてから何か考え事をするようにぼんやりとしていることがある。また何か悩んでいるのかもしれない…


「バスターさん、刻魔法は来週の金曜日に行えるそうです。それまでの辛抱ですからね?
あの…ハーブティーでも飲みますか?」

「うん…お砂糖入れて欲しいな…ねぇ、シバもココきて、ココに座って、一緒に飲みたいの…」

「はい、わかりました。ハーブティー持っていきますから、ちょっとだけ待ってくださいね…」


バスターさんは俺の言ったことをすぐに理解してくれて、ちょっとだけ甘えてくれるようになった。甘え方がまだぎこちなくて、素直になりきらないところもまた可愛い…

横に座ればぺっとりと引っ付いてきて、俺の腕の毛をもしょもしょと手持無沙汰に摘んだりしている。ちょっとこそばゆい…


「ねぇ、シバぁ…今の私は来週でいなくなっちゃうけど、シバはいいの?」

「えっ?ん~、はい…今のバスターさんも大変可愛らしいですけど、歳が戻ったバスターさんもきっと素敵だと思います。
俺はどんなバスターさんでもバスターさんだったら愛しいから、100歳のおじいちゃんになっても0歳の赤ちゃんになっても、俺はバスターさんしか愛せません!俺の大事な雌ですから!」

「んぅぅ~、そうじゃないんだけど…ありがとう…やっぱりいい…」


俺の返事にちょっと不満そうに口を尖らせながら、頬を赤くしてハーブティーをふぅ~ふぅ~しだす。
求めてた返事じゃなかったのかな?
でも嫌そうにはしてないから、いいのかな?


…………って思ってたら!こんな夜中に何をしているの?バスターさん!!?
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