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四章 アイ参上!
45話 捨て身の覚悟(風斗視点)
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「はぁっ!!」
溜め込んだものを吐き出すように叫び、怒りをぶつけるようにして剣を大きく一振りする。
先程確認した通り力をしっかり込めれば豆腐のように触手を斬ることができ、しっかり見さえすれば奴は脅威ではない。
「アタシも援護するよ!」
アイがシルクハットを脱ぎそこから大量の鋼鉄の鳩を出す。それらは奴に向かって飛んでいき、触手が当たれば叩き落とされるものの、俺に向かってくる触手の軌道を逸らすには十分だった。
彼女のおかげでより早く、より容易に奴の元まで辿り着く。
[必殺 ナイトスラッシュ]
凄まじい量のエネルギーが剣に溜まり、その灼熱とも感じる迸る威力を持った剣を素早く振る。奴の触手を全て一気に斬り離す。
人間で言えば手足を全て斬り落とされたも同然なのに、奴は未だにカードにならない。
弱点は帽子部分か。それ以外は斬っても大したダメージはないな。トドメを刺すのに必殺カードは必要ない。今ここで突き刺して殺してやる。
触手の支えを失い倒れた奴に向かって俺は突きを繰り出す。この一撃で息の根を刈り取ろうとする。だがその時突如斬れた奴の触手から大量の何かが噴き出してくる。
「うわっ!」
噴き出してきたそれに流され俺はアイの方まで押し戻されてしまう。そしてそれと同時に全身の何ヶ所かに激痛が走る。軽い痙攣を起こしながら俺は地面を転がる。
「これはまずい状況ね……」
そうアイが言ってしまうのも納得の状況だ。触手の斬られた部位からテニスボール程の小さなクラゲが大量に吹き出したのだ。幸い無限ではないらしく触手はみるみる小さくなっていき、やがて消滅して噴き出すのをやめる。
だがそれでも出てきたクラゲの量は半端ではなく、数百はいるだろう。下手したら千までいっているかもしれない。
しかも先程あの小さいのに触れた感覚。本体のあのボスに触れられた時と同じと思われるショックが俺を襲った。つまりあの小さい奴らは全員本体並みでなくても脅威となりうる攻撃手段を持っているということになる。
「時間がないって時に……!」
俺は無理矢理にでも本体の所まで行きトドメを刺そうとするも、小さい奴らが壁となって妨害してくる。
それらを斬り伏せアイもマイクで次々と奴らを撃墜していくが、数が減っている気がせず終わりが見えない。
「キリがないわ……なら必殺カードで!」
アイが下がって距離を取りカードを一枚取り出す。
しかし彼女はそのカードをスムーズにセットすることはできなかった。奴らが彼女の動きに反応を見せ、危険性を判断してなのか一斉に彼女に襲いかかる。
「えっ……」
今まで浮いたりゆっくり移動して牽制するだけだった奴らが取った素早い行動に彼女は対処できない。
数十匹のクラゲが彼女を取り囲み、今その毒牙で襲い掛かろうとする。
「危ない!」
俺の反応は信じられない程速かった。今大量のサタンに群がられ襲われる彼女の姿が、サタンに襲われることが目に見えながら置き去りにしてしまったあの日の景色と重なってしまったから。
命がかかっている制圧に私情を挟むのは俺が大嫌いなことだ。それに関しては寧々や生人はもちろん、田所先輩にだって注意してきた。
そんな俺でも今の状況は冷静さを失わざる得なかった。彼女は違うと頭で分かっていても、妹が死んでしまうと、今度こそ助けないといけないと体が判断して勝手に動き出してしまう。
彼女への衝撃を考える暇もなく、逆にこれで怪我をするかもしれない可能性のあるタックルだったが、そのおかげでクラゲ達の魔の手から彼女を逃すことはできた。
しかし彼女を助けた瞬間、数十本のクラゲの触手が俺に触れる。
「ぐ、ぐぁぁぁぁっっ!!」
普段は痛みに声を上げない俺だったが、流石にこの衝撃には悲鳴を上げてしまった。
言葉にもしたくない不快感と痺れが俺を襲い、それによって俺はその場から動けなくなってしまう。逃げたくてもがこうとしても痺れて体が上手く動かせない。
[必殺 フレイムマジックバード]
俺が作った隙と時間を活用し、アイが必殺カードを使用する。
ハット帽から先程とは比べ物にならない数の鋼鉄の鳥を出現させる。
「着火!」
彼女が指をパチンと鳴らすとそれらが激しく燃え上がり、俺にまでその熱気が伝わってくる。
「加速!」
その鳥達が空気を揺らしながら、衝撃波が発生する程の速さで本体に向かって飛んでいく。
その内の一体が俺の周りの奴らを燃やしてくれたおかげで俺は苦痛から解放される。
残りの大量の鳥達は壁となっている雑魚達を燃やしながら進み、本体にぶつかり着火する。それによって俺から奴まで小さいクラゲが一匹もいなくなり、俺はここを好機と見る。
「お返しだっ!!」
俺は針に糸を通す穴のようにできたその道に沿って剣を投げる。全身全霊の力を込めたそれは持ち手のところまで深々と突き刺さる。
生命を維持するための核でも壊れたのか、それとも損傷が激しかったのかは分からないが、奴は絶命しカードとなり消滅する。
[制圧が完了しました。一分後に地上へ転送します]
疲労が溜まった体で制圧の機械が入ったアイテムカードを具現化させ、それを設置するとそれだけで制圧完了を知らせる音声が流れる。
ボスを倒した後にこうやった簡単に済ませられるようにしてくれた美咲さんには感謝しないとな……
疲労とダメージのせいか段々と体から力が抜けていき、光に包まれつつ俺はその場に崩れてしまう。
その後地上に戻り生人も無事だったようで、今回の制圧は怪我こそあれど誰かが犠牲になることもなく終われたのだった。
溜め込んだものを吐き出すように叫び、怒りをぶつけるようにして剣を大きく一振りする。
先程確認した通り力をしっかり込めれば豆腐のように触手を斬ることができ、しっかり見さえすれば奴は脅威ではない。
「アタシも援護するよ!」
アイがシルクハットを脱ぎそこから大量の鋼鉄の鳩を出す。それらは奴に向かって飛んでいき、触手が当たれば叩き落とされるものの、俺に向かってくる触手の軌道を逸らすには十分だった。
彼女のおかげでより早く、より容易に奴の元まで辿り着く。
[必殺 ナイトスラッシュ]
凄まじい量のエネルギーが剣に溜まり、その灼熱とも感じる迸る威力を持った剣を素早く振る。奴の触手を全て一気に斬り離す。
人間で言えば手足を全て斬り落とされたも同然なのに、奴は未だにカードにならない。
弱点は帽子部分か。それ以外は斬っても大したダメージはないな。トドメを刺すのに必殺カードは必要ない。今ここで突き刺して殺してやる。
触手の支えを失い倒れた奴に向かって俺は突きを繰り出す。この一撃で息の根を刈り取ろうとする。だがその時突如斬れた奴の触手から大量の何かが噴き出してくる。
「うわっ!」
噴き出してきたそれに流され俺はアイの方まで押し戻されてしまう。そしてそれと同時に全身の何ヶ所かに激痛が走る。軽い痙攣を起こしながら俺は地面を転がる。
「これはまずい状況ね……」
そうアイが言ってしまうのも納得の状況だ。触手の斬られた部位からテニスボール程の小さなクラゲが大量に吹き出したのだ。幸い無限ではないらしく触手はみるみる小さくなっていき、やがて消滅して噴き出すのをやめる。
だがそれでも出てきたクラゲの量は半端ではなく、数百はいるだろう。下手したら千までいっているかもしれない。
しかも先程あの小さいのに触れた感覚。本体のあのボスに触れられた時と同じと思われるショックが俺を襲った。つまりあの小さい奴らは全員本体並みでなくても脅威となりうる攻撃手段を持っているということになる。
「時間がないって時に……!」
俺は無理矢理にでも本体の所まで行きトドメを刺そうとするも、小さい奴らが壁となって妨害してくる。
それらを斬り伏せアイもマイクで次々と奴らを撃墜していくが、数が減っている気がせず終わりが見えない。
「キリがないわ……なら必殺カードで!」
アイが下がって距離を取りカードを一枚取り出す。
しかし彼女はそのカードをスムーズにセットすることはできなかった。奴らが彼女の動きに反応を見せ、危険性を判断してなのか一斉に彼女に襲いかかる。
「えっ……」
今まで浮いたりゆっくり移動して牽制するだけだった奴らが取った素早い行動に彼女は対処できない。
数十匹のクラゲが彼女を取り囲み、今その毒牙で襲い掛かろうとする。
「危ない!」
俺の反応は信じられない程速かった。今大量のサタンに群がられ襲われる彼女の姿が、サタンに襲われることが目に見えながら置き去りにしてしまったあの日の景色と重なってしまったから。
命がかかっている制圧に私情を挟むのは俺が大嫌いなことだ。それに関しては寧々や生人はもちろん、田所先輩にだって注意してきた。
そんな俺でも今の状況は冷静さを失わざる得なかった。彼女は違うと頭で分かっていても、妹が死んでしまうと、今度こそ助けないといけないと体が判断して勝手に動き出してしまう。
彼女への衝撃を考える暇もなく、逆にこれで怪我をするかもしれない可能性のあるタックルだったが、そのおかげでクラゲ達の魔の手から彼女を逃すことはできた。
しかし彼女を助けた瞬間、数十本のクラゲの触手が俺に触れる。
「ぐ、ぐぁぁぁぁっっ!!」
普段は痛みに声を上げない俺だったが、流石にこの衝撃には悲鳴を上げてしまった。
言葉にもしたくない不快感と痺れが俺を襲い、それによって俺はその場から動けなくなってしまう。逃げたくてもがこうとしても痺れて体が上手く動かせない。
[必殺 フレイムマジックバード]
俺が作った隙と時間を活用し、アイが必殺カードを使用する。
ハット帽から先程とは比べ物にならない数の鋼鉄の鳥を出現させる。
「着火!」
彼女が指をパチンと鳴らすとそれらが激しく燃え上がり、俺にまでその熱気が伝わってくる。
「加速!」
その鳥達が空気を揺らしながら、衝撃波が発生する程の速さで本体に向かって飛んでいく。
その内の一体が俺の周りの奴らを燃やしてくれたおかげで俺は苦痛から解放される。
残りの大量の鳥達は壁となっている雑魚達を燃やしながら進み、本体にぶつかり着火する。それによって俺から奴まで小さいクラゲが一匹もいなくなり、俺はここを好機と見る。
「お返しだっ!!」
俺は針に糸を通す穴のようにできたその道に沿って剣を投げる。全身全霊の力を込めたそれは持ち手のところまで深々と突き刺さる。
生命を維持するための核でも壊れたのか、それとも損傷が激しかったのかは分からないが、奴は絶命しカードとなり消滅する。
[制圧が完了しました。一分後に地上へ転送します]
疲労が溜まった体で制圧の機械が入ったアイテムカードを具現化させ、それを設置するとそれだけで制圧完了を知らせる音声が流れる。
ボスを倒した後にこうやった簡単に済ませられるようにしてくれた美咲さんには感謝しないとな……
疲労とダメージのせいか段々と体から力が抜けていき、光に包まれつつ俺はその場に崩れてしまう。
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