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ふわふわ雲のお家
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「まあ、許可なんていらないのですわ」
ふかふかのふわふわな感じの雲。そこから過去の映像?が映し出された。
「これは?」
「過去の令嬢ですわ」
三歳くらいなのかな。まだ学園に入る前。
『今日はここを探検するんだ』
『待ってー』
『蝶華、早くきてー』
蝶華とこんなふうに遊んでいた記憶ってあまりないんだけど。
これが本当に私の記憶なら昔は蝶華と仲良く遊んでいたって事?
だって、私の記憶にある蝶華は
『蝶華遅いー』
お家の庭が広いからって探検しているみたい。
『星音が速いんだよ』
『天使は羽根で軽くできるから早く走れるの。すごいでしょ』
『それずるい』
天使?どういう事?
だって、私に天使の羽根なんてないし天使じゃないはずなんだけど。
「星姫は天使の家系ですわ。普通の人間の中に僅かに天使の血があるというだけですけど。ですが、星姫のご令嬢はその血が濃く出やすいのですわ」
「……」
「だからこうして異形に狙われてやすいのですわ」
「……こうして?」
「うふふ、まだ気づかないのですの?あたくしもあなたが欲しくて、ここに連れてきたのですわ」
これまずいかも。今までみんながいてくれたからなんとかなっているのに。一人でどうにかするなんてできるのかな。
ううん。弱気になっちゃダメ。
とりあえずこういう時に取る選択肢は一つ。
どこにでも良いから逃げる一択。
足遅いけど、いろんな方向行っていれば逃げられるかもしれないから。
そうと決まればすぐにでも逃げないとだけど、どっち方向が良いんだろう。
「うふふ」
大声出してびっくりさせたところで後ろに逃げるのが一番良いと思う。
「わーーーー‼︎」
ダッシュダッシュ。
今はとりあえず逃げて隠れて、それでどうするか考えよう。
……蝶華がいてくれれば心強いのに。
ってそんな事考えてないで逃げないと。
******
ふぅ、ここまでくれば大丈夫かな。
良く分からない緑色のふかふかの後ろに隠れている。
でも、逃げている間追ってくる様子なかったのが気になる。
「……」
みんな、どうしているのかな?
今日はみんなで部室で勉強していたんだけど、まだやっているのかな。
空姫ちゃんは私が戻ってこない事を心配しているのかな。
「……怖いよ」
誰でも良いから側にいて欲しい。
一人でいたくない。
あの、御徒さんって人探しに近くまで来ているのかな。
一人でいるからか、嫌な事ばかり考えちゃう。
ここに隠れていて大丈夫なのかな。見つからないかな。
「やっと見つけた」
その声を聞いた瞬間、涙が溢れた。
「どうして」
「空姫から聞いて、ここしかないって思ったから」
「怖かったよぉ」
どうやってこれたのかなんて分からない。今はそんな事どうだって良い。
今は、来てくれた蝶華が側にいるんだって感じたい。
ふかふかのふわふわな感じの雲。そこから過去の映像?が映し出された。
「これは?」
「過去の令嬢ですわ」
三歳くらいなのかな。まだ学園に入る前。
『今日はここを探検するんだ』
『待ってー』
『蝶華、早くきてー』
蝶華とこんなふうに遊んでいた記憶ってあまりないんだけど。
これが本当に私の記憶なら昔は蝶華と仲良く遊んでいたって事?
だって、私の記憶にある蝶華は
『蝶華遅いー』
お家の庭が広いからって探検しているみたい。
『星音が速いんだよ』
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『それずるい』
天使?どういう事?
だって、私に天使の羽根なんてないし天使じゃないはずなんだけど。
「星姫は天使の家系ですわ。普通の人間の中に僅かに天使の血があるというだけですけど。ですが、星姫のご令嬢はその血が濃く出やすいのですわ」
「……」
「だからこうして異形に狙われてやすいのですわ」
「……こうして?」
「うふふ、まだ気づかないのですの?あたくしもあなたが欲しくて、ここに連れてきたのですわ」
これまずいかも。今までみんながいてくれたからなんとかなっているのに。一人でどうにかするなんてできるのかな。
ううん。弱気になっちゃダメ。
とりあえずこういう時に取る選択肢は一つ。
どこにでも良いから逃げる一択。
足遅いけど、いろんな方向行っていれば逃げられるかもしれないから。
そうと決まればすぐにでも逃げないとだけど、どっち方向が良いんだろう。
「うふふ」
大声出してびっくりさせたところで後ろに逃げるのが一番良いと思う。
「わーーーー‼︎」
ダッシュダッシュ。
今はとりあえず逃げて隠れて、それでどうするか考えよう。
……蝶華がいてくれれば心強いのに。
ってそんな事考えてないで逃げないと。
******
ふぅ、ここまでくれば大丈夫かな。
良く分からない緑色のふかふかの後ろに隠れている。
でも、逃げている間追ってくる様子なかったのが気になる。
「……」
みんな、どうしているのかな?
今日はみんなで部室で勉強していたんだけど、まだやっているのかな。
空姫ちゃんは私が戻ってこない事を心配しているのかな。
「……怖いよ」
誰でも良いから側にいて欲しい。
一人でいたくない。
あの、御徒さんって人探しに近くまで来ているのかな。
一人でいるからか、嫌な事ばかり考えちゃう。
ここに隠れていて大丈夫なのかな。見つからないかな。
「やっと見つけた」
その声を聞いた瞬間、涙が溢れた。
「どうして」
「空姫から聞いて、ここしかないって思ったから」
「怖かったよぉ」
どうやってこれたのかなんて分からない。今はそんな事どうだって良い。
今は、来てくれた蝶華が側にいるんだって感じたい。
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◾️この小説は小説家になろう、カクヨムでも連載しています。
◾️作者以外による小説の無断転載を禁止しています。
◾️挿絵はなんでも書いちゃうヨギリ酔客様からご寄贈いただいたものです。
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