35 / 51
ふわふわ雲のお家
しおりを挟む
「まあ、許可なんていらないのですわ」
ふかふかのふわふわな感じの雲。そこから過去の映像?が映し出された。
「これは?」
「過去の令嬢ですわ」
三歳くらいなのかな。まだ学園に入る前。
『今日はここを探検するんだ』
『待ってー』
『蝶華、早くきてー』
蝶華とこんなふうに遊んでいた記憶ってあまりないんだけど。
これが本当に私の記憶なら昔は蝶華と仲良く遊んでいたって事?
だって、私の記憶にある蝶華は
『蝶華遅いー』
お家の庭が広いからって探検しているみたい。
『星音が速いんだよ』
『天使は羽根で軽くできるから早く走れるの。すごいでしょ』
『それずるい』
天使?どういう事?
だって、私に天使の羽根なんてないし天使じゃないはずなんだけど。
「星姫は天使の家系ですわ。普通の人間の中に僅かに天使の血があるというだけですけど。ですが、星姫のご令嬢はその血が濃く出やすいのですわ」
「……」
「だからこうして異形に狙われてやすいのですわ」
「……こうして?」
「うふふ、まだ気づかないのですの?あたくしもあなたが欲しくて、ここに連れてきたのですわ」
これまずいかも。今までみんながいてくれたからなんとかなっているのに。一人でどうにかするなんてできるのかな。
ううん。弱気になっちゃダメ。
とりあえずこういう時に取る選択肢は一つ。
どこにでも良いから逃げる一択。
足遅いけど、いろんな方向行っていれば逃げられるかもしれないから。
そうと決まればすぐにでも逃げないとだけど、どっち方向が良いんだろう。
「うふふ」
大声出してびっくりさせたところで後ろに逃げるのが一番良いと思う。
「わーーーー‼︎」
ダッシュダッシュ。
今はとりあえず逃げて隠れて、それでどうするか考えよう。
……蝶華がいてくれれば心強いのに。
ってそんな事考えてないで逃げないと。
******
ふぅ、ここまでくれば大丈夫かな。
良く分からない緑色のふかふかの後ろに隠れている。
でも、逃げている間追ってくる様子なかったのが気になる。
「……」
みんな、どうしているのかな?
今日はみんなで部室で勉強していたんだけど、まだやっているのかな。
空姫ちゃんは私が戻ってこない事を心配しているのかな。
「……怖いよ」
誰でも良いから側にいて欲しい。
一人でいたくない。
あの、御徒さんって人探しに近くまで来ているのかな。
一人でいるからか、嫌な事ばかり考えちゃう。
ここに隠れていて大丈夫なのかな。見つからないかな。
「やっと見つけた」
その声を聞いた瞬間、涙が溢れた。
「どうして」
「空姫から聞いて、ここしかないって思ったから」
「怖かったよぉ」
どうやってこれたのかなんて分からない。今はそんな事どうだって良い。
今は、来てくれた蝶華が側にいるんだって感じたい。
ふかふかのふわふわな感じの雲。そこから過去の映像?が映し出された。
「これは?」
「過去の令嬢ですわ」
三歳くらいなのかな。まだ学園に入る前。
『今日はここを探検するんだ』
『待ってー』
『蝶華、早くきてー』
蝶華とこんなふうに遊んでいた記憶ってあまりないんだけど。
これが本当に私の記憶なら昔は蝶華と仲良く遊んでいたって事?
だって、私の記憶にある蝶華は
『蝶華遅いー』
お家の庭が広いからって探検しているみたい。
『星音が速いんだよ』
『天使は羽根で軽くできるから早く走れるの。すごいでしょ』
『それずるい』
天使?どういう事?
だって、私に天使の羽根なんてないし天使じゃないはずなんだけど。
「星姫は天使の家系ですわ。普通の人間の中に僅かに天使の血があるというだけですけど。ですが、星姫のご令嬢はその血が濃く出やすいのですわ」
「……」
「だからこうして異形に狙われてやすいのですわ」
「……こうして?」
「うふふ、まだ気づかないのですの?あたくしもあなたが欲しくて、ここに連れてきたのですわ」
これまずいかも。今までみんながいてくれたからなんとかなっているのに。一人でどうにかするなんてできるのかな。
ううん。弱気になっちゃダメ。
とりあえずこういう時に取る選択肢は一つ。
どこにでも良いから逃げる一択。
足遅いけど、いろんな方向行っていれば逃げられるかもしれないから。
そうと決まればすぐにでも逃げないとだけど、どっち方向が良いんだろう。
「うふふ」
大声出してびっくりさせたところで後ろに逃げるのが一番良いと思う。
「わーーーー‼︎」
ダッシュダッシュ。
今はとりあえず逃げて隠れて、それでどうするか考えよう。
……蝶華がいてくれれば心強いのに。
ってそんな事考えてないで逃げないと。
******
ふぅ、ここまでくれば大丈夫かな。
良く分からない緑色のふかふかの後ろに隠れている。
でも、逃げている間追ってくる様子なかったのが気になる。
「……」
みんな、どうしているのかな?
今日はみんなで部室で勉強していたんだけど、まだやっているのかな。
空姫ちゃんは私が戻ってこない事を心配しているのかな。
「……怖いよ」
誰でも良いから側にいて欲しい。
一人でいたくない。
あの、御徒さんって人探しに近くまで来ているのかな。
一人でいるからか、嫌な事ばかり考えちゃう。
ここに隠れていて大丈夫なのかな。見つからないかな。
「やっと見つけた」
その声を聞いた瞬間、涙が溢れた。
「どうして」
「空姫から聞いて、ここしかないって思ったから」
「怖かったよぉ」
どうやってこれたのかなんて分からない。今はそんな事どうだって良い。
今は、来てくれた蝶華が側にいるんだって感じたい。
0
あなたにおすすめの小説
9日間
柏木みのり
児童書・童話
サマーキャンプから友達の健太と一緒に隣の世界に迷い込んだ竜(リョウ)は文武両道の11歳。魔法との出会い。人々との出会い。初めて経験する様々な気持ち。そして究極の選択——夢か友情か。
(also @ なろう)
マジカル・ミッション
碧月あめり
児童書・童話
小学五年生の涼葉は千年以上も昔からの魔女の血を引く時風家の子孫。現代に万能な魔法を使える者はいないが、その名残で、時風の家に生まれた子どもたちはみんな十一歳になると必ず不思議な能力がひとつ宿る。 どんな能力が宿るかは人によってさまざまで、十一歳になってみなければわからない。 十一歳になった涼葉に宿った能力は、誰かが《落としたもの》の記憶が映像になって見えるというもの。 その能力で、涼葉はメガネで顔を隠した陰キャな転校生・花宮翼が不審な行動をするのを見てしまう。怪しく思った涼葉は、動物に関する能力を持った兄の櫂斗、近くにいるケガ人を察知できるいとこの美空、ウソを見抜くことができるいとこの天とともに花宮を探ることになる。
少年イシュタと夜空の少女 ~死なずの村 エリュシラーナ~
朔雲みう (さくもみう)
児童書・童話
イシュタは病の妹のため、誰も死なない村・エリュシラーナへと旅立つ。そして、夜空のような美しい少女・フェルルと出会い……
「昔話をしてあげるわ――」
フェルルの口から語られる、村に隠された秘密とは……?
☆…☆…☆
※ 大人でも楽しめる児童文学として書きました。明確な記述は避けておりますので、大人になって読み返してみると、また違った風に感じられる……そんな物語かもしれません……♪
※ イラストは、親友の朝美智晴さまに描いていただきました。
14歳で定年ってマジ!? 世界を変えた少年漫画家、再起のノート
谷川 雅
児童書・童話
この世界、子どもがエリート。
“スーパーチャイルド制度”によって、能力のピークは12歳。
そして14歳で、まさかの《定年》。
6歳の星野幸弘は、将来の夢「世界を笑顔にする漫画家」を目指して全力疾走する。
だけど、定年まで残された時間はわずか8年……!
――そして14歳。夢は叶わぬまま、制度に押し流されるように“退場”を迎える。
だが、そんな幸弘の前に現れたのは、
「まちがえた人間」のノートが集まる、不思議な図書室だった。
これは、間違えたままじゃ終われなかった少年たちの“再スタート”の物語。
描けなかった物語の“つづき”は、きっと君の手の中にある。
四尾がつむぐえにし、そこかしこ
月芝
児童書・童話
その日、小学校に激震が走った。
憧れのキラキラ王子さまが転校する。
女子たちの嘆きはひとしお。
彼に淡い想いを抱いていたユイもまた動揺を隠せない。
だからとてどうこうする勇気もない。
うつむき複雑な気持ちを抱えたままの帰り道。
家の近所に見覚えのない小路を見つけたユイは、少し寄り道してみることにする。
まさかそんな小さな冒険が、あんなに大ごとになるなんて……。
ひょんなことから石の祠に祀られた三尾の稲荷にコンコン見込まれて、
三つのお仕事を手伝うことになったユイ。
達成すれば、なんと一つだけ何でも願い事を叶えてくれるという。
もしかしたら、もしかしちゃうかも?
そこかしこにて泡沫のごとくあらわれては消えてゆく、えにしたち。
結んで、切って、ほどいて、繋いで、笑って、泣いて。
いろんな不思議を知り、数多のえにしを目にし、触れた先にて、
はたしてユイは何を求め願うのか。
少女のちょっと不思議な冒険譚。
ここに開幕。
【もふもふ手芸部】あみぐるみ作ってみる、だけのはずが勇者ってなんなの!?
釈 余白(しやく)
児童書・童話
網浜ナオは勉強もスポーツも中の下で無難にこなす平凡な少年だ。今年はいよいよ最高学年になったのだが過去5年間で100点を取ったことも運動会で1等を取ったこともない。もちろん習字や美術で賞をもらったこともなかった。
しかしそんなナオでも一つだけ特技を持っていた。それは編み物、それもあみぐるみを作らせたらおそらく学校で一番、もちろん家庭科の先生よりもうまく作れることだった。友達がいないわけではないが、人に合わせるのが苦手なナオにとっては一人でできる趣味としてもいい気晴らしになっていた。
そんなナオがあみぐるみのメイキング動画を動画サイトへ投稿したり動画配信を始めたりしているうちに奇妙な場所へ迷い込んだ夢を見る。それは現実とは思えないが夢と言うには不思議な感覚で、沢山のぬいぐるみが暮らす『もふもふの国』という場所だった。
そのもふもふの国で、元同級生の丸川亜矢と出会いもふもふの国が滅亡の危機にあると聞かされる。実はその国の王女だと言う亜美の願いにより、もふもふの国を救うべく、ナオは立ち上がった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる