イディーラ学園の秘密部

碧猫 

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ふわふわな世界と星音

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 十分くらいかな。蝶華に抱きついて泣いていた。

「星音、なにがあったか話す事できる?」
「うん」

 少し落ち着いてから、蝶華に言われてここでの事を話した。

「怖かったよね。ごめんね、一人にして」
「うん」
「もう一人じゃないよ」
「うん。蝶華はどうやって来たの?」
「その前に隠していた事を教えるよ。星姫と夜月と金神の関係」

 えっと、星姫は私で夜月は月華と零月くん、金神は蝶華と紀蝶ちゃん。
 私以外は知っている事なのかな。

「星姫と夜月と金神は先祖に人間以外のものと混ざっているんだ。星姫はその中でも特殊で、妖精とか天使とか色々と混ざっていて、この辺は詳しく知らないんだけど、色々と混ざった血が変化して狙われやすくなっているらしい」

 説明聞いても分かんない。
 でも、一番必要な部分は理解できてる。
 星姫はいろんなものが混ざって狙われやすいって事。

「でも、その血がどれだけ濃く出るのかはまばらみたい。星音はかなり濃く出ているからその分狙われやすいらしい」
「……そうなんだ」
「ここは人間には入る事のできない場所。でも、逆に言えば入る方法さえ知っていれば人間以外は入れるんだ」

 それってここにいるのは人間じゃないからって事になりそうなんだけど。

「血の濃さが関係しているらしい。僕と月華は先祖の血が濃いみたいで、ここに入れたんだ」
「月華も?」
「うん。さっき逸れたけど」

 逸れたなら探し行かないと。蝶華がいるからもう一人で怖いのを我慢して隠れてなくて大丈夫だから。でも、その前にちょっとだけ知りたい事を

「空姫ちゃんたちは?」
「空姫達やニマは三家に仕える使用人の家の子。ニマは夜月」

 じゃあ、みんな元々こういう事に関して詳しかったのかな?

「見つけたなら連絡入れろ」
「ごめん、めんど、忘れてた」
「今めんどうって言ったよな?」
「言ってないよ。気のせいじゃない?」
「……今度叔父さんに頼んで蝶華の勉強増やしてもらうか」

 なんの勉強なんだろう。

 良かった。月華が見つかって。
 見つかったというか見つけてくれての方が正しいのかな。

「それやるなら君の方もやってもらうから」
「やれるんならやれば良いだろ。それより、星音に怪我は」
「ないよ。確認したから」
「……怪我はなくともこの状況で何か言われそうだな」
「それは慣れてるでしょ。昔は良く怒られてたんだから。星音を連れ回すなって」

 昔……あれってやっぱり本当の事だったのかな。

「慣れてるけど、星音が気にするだろ」
「そうだね。今回の事は内緒にってできれば良いのに」
「まあ、そもそも昔は俺らが連れ回したじゃなくて星音に連れ回されたから余計に気にしていたんだろうけど」

 あの映像も私が蝶華を連れ回していたみたいだったよね。なにがあったのか聞いたら教えてくれるのかな。
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