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お花畑脳の婚約者が「来世でも結婚する運命の人と結婚したいから別れてくれ」と言い出した
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「カイル、急にどうしたの? 熱でもあるの? それとも変なものでも食べたのかしら? はっ、もしかしてこのチョコレート、妙な薬でも入っていたんじゃない!?」
「セシル、茶化さないで真面目に聞いてくれ」
「茶化していないわ! カイルこそおかしいわよ! だって今まで、そんなこと言わなかったじゃない!」
「言っていれば、横からあんな馬鹿にお前をかっさらわれたりしなかっただろうよ」
カイルは忌々しそうに舌打ちして、そっとセシルの右手を取った。
「聞いてくれ、セシル。別に俺は冗談を言ったつもりはない。本当は、親父の病気のことがなければ、もっと早くにお前に求婚するつもりだった。でも親父は長年寝たきりで、お前に面倒を頼むわけにもいかないからずっと言えなかったんだ。そうこうしていたら親父が死んでバタバタして……、落ち着いたらって思っていたら、あの馬鹿がお前に求婚して、お前は婚約してしまった」
「えっと……」
カイルが見たこともないほどに真剣だから、セシルの顔にみるみるうちに熱がたまっていく。
真っ赤になったセシルを見て、カイルが笑った。
「その様子じゃ、脈がないわけじゃないんだろ? 近いうちに荷物をまとめてうちに来いよ。あの家はお前には居心地が悪いだろ? もちろん……、お前の気持ちの整理ができるまで、俺はお前に手は出さないと誓うよ」
「……ほ、本気で言ってる?」
「だから、冗談じゃないって言っているだろ?」
トマトのように赤くなったセシルの手に、カイルが小さなキスを落とす。
「な? ……少なくとも俺は、お前の元婚約者ほど馬鹿じゃないと思うぞ」
最後にカイルがおどけて言うから、ついついセシルは吹き出してしまった。
「セシル、茶化さないで真面目に聞いてくれ」
「茶化していないわ! カイルこそおかしいわよ! だって今まで、そんなこと言わなかったじゃない!」
「言っていれば、横からあんな馬鹿にお前をかっさらわれたりしなかっただろうよ」
カイルは忌々しそうに舌打ちして、そっとセシルの右手を取った。
「聞いてくれ、セシル。別に俺は冗談を言ったつもりはない。本当は、親父の病気のことがなければ、もっと早くにお前に求婚するつもりだった。でも親父は長年寝たきりで、お前に面倒を頼むわけにもいかないからずっと言えなかったんだ。そうこうしていたら親父が死んでバタバタして……、落ち着いたらって思っていたら、あの馬鹿がお前に求婚して、お前は婚約してしまった」
「えっと……」
カイルが見たこともないほどに真剣だから、セシルの顔にみるみるうちに熱がたまっていく。
真っ赤になったセシルを見て、カイルが笑った。
「その様子じゃ、脈がないわけじゃないんだろ? 近いうちに荷物をまとめてうちに来いよ。あの家はお前には居心地が悪いだろ? もちろん……、お前の気持ちの整理ができるまで、俺はお前に手は出さないと誓うよ」
「……ほ、本気で言ってる?」
「だから、冗談じゃないって言っているだろ?」
トマトのように赤くなったセシルの手に、カイルが小さなキスを落とす。
「な? ……少なくとも俺は、お前の元婚約者ほど馬鹿じゃないと思うぞ」
最後にカイルがおどけて言うから、ついついセシルは吹き出してしまった。
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