442 / 549
第9章 創天国の魂編
34.異国の地での謁見
しおりを挟む
長継とドヴェルクの案内によって幕府一行はセビカ国のセラージュにあるセリアー城に到着。
そして城内へと入城し、玉座の間へと案内された。
玉座には一人の男が堂々たる姿で座っていた。
ドヴェルク
「こちらがセビカ国の国王で、私の兄でもあるアルド・セリアーです。」
アルド
「私がセビカ国を治める国王のアルド・セリアーです。皆様、本当に遠い所から良くぞ来なさった。心より感謝いたします。」
そうアルドが言うと幕府の者たちは皆、一瞬きょとんとした表情を見せていた。
創天国からすればセビカは異国の地である故に、お互いの言葉が通じないのだ。
アルドは先程に何と言っていたのであろうか、彼らには理解できていなかった。
困惑した様子で貞広が口を開く。
貞広
「むぅ…何を申されておるのか分からぬが、喜ばれておることは確かであろうかな…」
するとドヴェルクが彼らに対して答え始める。
ドヴェルク
「国王様は、貴方様方が遠い国からわざわざこのセビカにまで訪ねに来られたことに非常に感謝されているようです。」
それを聞いた幕府の者たちが一斉にアルドに対して深々と頭を下げていた。
創天国の言葉を理解しているドヴェルクを通してではあったが、互いの国との交流が始まった瞬間であった。
今度はアルドがドヴェルクに対して言う。
アルド
「ドヴェルクよ、今から私の言うことをこの者たちに伝えてくれまいか。」
そうしてアルドはドヴェルクを通訳としてセビカが存続の危機にさらされている事を説明し始めた。
遙か昔にこの大陸では幾つもの国が存在しており、各国王が執り行う政治のもとで領民たちは平和に暮らしていた。
だがある時に国同士での争いが次々と始まり、やがては大陸全土へと伝播する事となったのだ。
時代は戦乱の世へと突入していた。
そこでセリアー一族の始祖であるエリック・セリアーが立ち上がった。
エリックは大陸の中で最も小さな国家であったセラージュに仕える一人の兵士であったが、知政武全てにおいて優れた人物であったという。
やがてその才覚を発揮し、エリックはセラージュを治める身分へと出世する。
その後は破竹の勢いで各国を配下に置くなどして領土を拡大。
最終的には大陸全土の統一を果たし、セビカ国を樹立した。
こうしてエリックの手によって戦乱の世に終止符を打ったのである。
それから数百年もの時が流れ、現在はエリックの子孫であるアルドが国王の座に就いていた。
ある日、エリックの家臣であったカルロス・ヘルトがセビカに対して反旗を翻し、独立勢力を立ち上げた。
カルロスの先祖がエリックの腹心であった故に代々の者たちには国王と同等の権限を持つ程の役職を与えられ、国王と共に平和な世を造るべく政治が執り行われていた。
セビカ国が樹立されて実に数百年もの時を代々の者たちが協働し合うほどであり、お互いの信頼は相当なものであったと言えよう。
にも関わらずカルロスは突如として国を裏切り、あろうことか自身の手で独立勢力を立ち上げている。
長い時をかけて築かれていたはずの信頼がこうも簡単に崩れ去るとは思いもよらなかったのである。
カルロス率いるヘルト独立勢力軍は各地への侵攻を繰り返す事で今もなお領土を拡大し始めている。
そうして支配下に置いた領土の領民たちを力で支配するなどして悪政の限りを尽くしているという。
貞広
「なんとまぁ、そなたたちの国はそこまで困りに困り果てておると申すのか…」
宗重
「それにしても代々に渡って忠義を尽くしていた者による裏切りとは…真に心痛しきことにございましょう…」
ドヴェルクによって現在のセビカがいかに切羽詰まった状況にある事を聞かされた貞広や宗重は、重々しい口調でそう言っていた。
その一方で政武が気だるそうな態度を見せながら口を開く。
政武
「ふん、そいつの腹の中を見抜けぬあんたもあんただな。俺からみればあんたは間抜けな人間じゃ。」
すると宗重がすぐさまに険しい表情へと切り替わり、政武に対して怒鳴り声を上げる。
宗重
「おい政武!少しは言葉を慎められよ!」
国を治めし王に対して何という悪態をついているのだ。
そうならざるを得なかった事情というものがあった故に、自身の主観だけでものを言うなど言語道断。
口を開くならば、もう少し言葉というものを選んでからにするが良い。
宗重はそう言いたげな様子であった。
するとこれを見たアルドは察したのであろうか、少し気まずそうな様子で喋り始める。
アルド
「いや、その者が言わんとしていることも一理はあろうか。この一件は、叛意を見抜けなかった私が招いたものであることに間違いは無いからな…」
アルドは貞広や宗重そして政武らの言葉こそは分からなかったが、表情や口調を見ることで何を言っているかおおよその見当はついていたようである。
そして政武によって痛いところを突かれていたと思い始める。
それを見たドヴェルクがたまらず声を上げる。
ドヴェルク
「全くに、政武様が先程に言われた通りです。ですが、それを承知の上でお願いいたします!どうかセビカを、私たちの国セビカの危機を救う手助けをしていただけませんか?」
ドヴェルクは幕府の者たちに深々と頭を下げて懇願していた。
そして城内へと入城し、玉座の間へと案内された。
玉座には一人の男が堂々たる姿で座っていた。
ドヴェルク
「こちらがセビカ国の国王で、私の兄でもあるアルド・セリアーです。」
アルド
「私がセビカ国を治める国王のアルド・セリアーです。皆様、本当に遠い所から良くぞ来なさった。心より感謝いたします。」
そうアルドが言うと幕府の者たちは皆、一瞬きょとんとした表情を見せていた。
創天国からすればセビカは異国の地である故に、お互いの言葉が通じないのだ。
アルドは先程に何と言っていたのであろうか、彼らには理解できていなかった。
困惑した様子で貞広が口を開く。
貞広
「むぅ…何を申されておるのか分からぬが、喜ばれておることは確かであろうかな…」
するとドヴェルクが彼らに対して答え始める。
ドヴェルク
「国王様は、貴方様方が遠い国からわざわざこのセビカにまで訪ねに来られたことに非常に感謝されているようです。」
それを聞いた幕府の者たちが一斉にアルドに対して深々と頭を下げていた。
創天国の言葉を理解しているドヴェルクを通してではあったが、互いの国との交流が始まった瞬間であった。
今度はアルドがドヴェルクに対して言う。
アルド
「ドヴェルクよ、今から私の言うことをこの者たちに伝えてくれまいか。」
そうしてアルドはドヴェルクを通訳としてセビカが存続の危機にさらされている事を説明し始めた。
遙か昔にこの大陸では幾つもの国が存在しており、各国王が執り行う政治のもとで領民たちは平和に暮らしていた。
だがある時に国同士での争いが次々と始まり、やがては大陸全土へと伝播する事となったのだ。
時代は戦乱の世へと突入していた。
そこでセリアー一族の始祖であるエリック・セリアーが立ち上がった。
エリックは大陸の中で最も小さな国家であったセラージュに仕える一人の兵士であったが、知政武全てにおいて優れた人物であったという。
やがてその才覚を発揮し、エリックはセラージュを治める身分へと出世する。
その後は破竹の勢いで各国を配下に置くなどして領土を拡大。
最終的には大陸全土の統一を果たし、セビカ国を樹立した。
こうしてエリックの手によって戦乱の世に終止符を打ったのである。
それから数百年もの時が流れ、現在はエリックの子孫であるアルドが国王の座に就いていた。
ある日、エリックの家臣であったカルロス・ヘルトがセビカに対して反旗を翻し、独立勢力を立ち上げた。
カルロスの先祖がエリックの腹心であった故に代々の者たちには国王と同等の権限を持つ程の役職を与えられ、国王と共に平和な世を造るべく政治が執り行われていた。
セビカ国が樹立されて実に数百年もの時を代々の者たちが協働し合うほどであり、お互いの信頼は相当なものであったと言えよう。
にも関わらずカルロスは突如として国を裏切り、あろうことか自身の手で独立勢力を立ち上げている。
長い時をかけて築かれていたはずの信頼がこうも簡単に崩れ去るとは思いもよらなかったのである。
カルロス率いるヘルト独立勢力軍は各地への侵攻を繰り返す事で今もなお領土を拡大し始めている。
そうして支配下に置いた領土の領民たちを力で支配するなどして悪政の限りを尽くしているという。
貞広
「なんとまぁ、そなたたちの国はそこまで困りに困り果てておると申すのか…」
宗重
「それにしても代々に渡って忠義を尽くしていた者による裏切りとは…真に心痛しきことにございましょう…」
ドヴェルクによって現在のセビカがいかに切羽詰まった状況にある事を聞かされた貞広や宗重は、重々しい口調でそう言っていた。
その一方で政武が気だるそうな態度を見せながら口を開く。
政武
「ふん、そいつの腹の中を見抜けぬあんたもあんただな。俺からみればあんたは間抜けな人間じゃ。」
すると宗重がすぐさまに険しい表情へと切り替わり、政武に対して怒鳴り声を上げる。
宗重
「おい政武!少しは言葉を慎められよ!」
国を治めし王に対して何という悪態をついているのだ。
そうならざるを得なかった事情というものがあった故に、自身の主観だけでものを言うなど言語道断。
口を開くならば、もう少し言葉というものを選んでからにするが良い。
宗重はそう言いたげな様子であった。
するとこれを見たアルドは察したのであろうか、少し気まずそうな様子で喋り始める。
アルド
「いや、その者が言わんとしていることも一理はあろうか。この一件は、叛意を見抜けなかった私が招いたものであることに間違いは無いからな…」
アルドは貞広や宗重そして政武らの言葉こそは分からなかったが、表情や口調を見ることで何を言っているかおおよその見当はついていたようである。
そして政武によって痛いところを突かれていたと思い始める。
それを見たドヴェルクがたまらず声を上げる。
ドヴェルク
「全くに、政武様が先程に言われた通りです。ですが、それを承知の上でお願いいたします!どうかセビカを、私たちの国セビカの危機を救う手助けをしていただけませんか?」
ドヴェルクは幕府の者たちに深々と頭を下げて懇願していた。
0
あなたにおすすめの小説
熟女愛好家ユウスケの青春(熟女漁り)
MisakiNonagase
恋愛
高校まで勉強一筋で大学デビューをしたユウスケは家庭教師の教え子の母親と不倫交際するが、彼にとって彼女とが初の男女交際。そこでユウスケは自分が熟女好きだと自覚する。それからユウスケは戦略と実戦を重ねて、清潔感と聞き上手を武器にたくさんの熟女と付き合うことになるストーリーです。
甲斐ノ副将、八幡原ニテ散……ラズ
朽縄咲良
歴史・時代
【第8回歴史時代小説大賞奨励賞受賞作品】
戦国の雄武田信玄の次弟にして、“稀代の副将”として、同時代の戦国武将たちはもちろん、後代の歴史家の間でも評価の高い武将、武田典厩信繁。
永禄四年、武田信玄と強敵上杉輝虎とが雌雄を決する“第四次川中島合戦”に於いて討ち死にするはずだった彼は、家臣の必死の奮闘により、その命を拾う。
信繁の生存によって、甲斐武田家と日本が辿るべき歴史の流れは徐々にずれてゆく――。
この作品は、武田信繁というひとりの武将の生存によって、史実とは異なっていく戦国時代を書いた、大河if戦記である。
*ノベルアッププラス・小説家になろうにも、同内容の作品を掲載しております(一部差異あり)。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
江戸の夕映え
大麦 ふみ
歴史・時代
江戸時代にはたくさんの随筆が書かれました。
「のどやかな気分が漲っていて、読んでいると、己れもその時代に生きているような気持ちになる」(森 銑三)
そういったものを選んで、小説としてお届けしたく思います。
同じ江戸時代を生きていても、その暮らしぶり、境遇、ライフコース、そして考え方には、たいへんな幅、違いがあったことでしょう。
しかし、夕焼けがみなにひとしく差し込んでくるような、そんな目線であの時代の人々を描ければと存じます。
もし石田三成が島津義弘の意見に耳を傾けていたら
俣彦
歴史・時代
慶長5年9月14日。
赤坂に到着した徳川家康を狙うべく夜襲を提案する宇喜多秀家と島津義弘。
史実では、これを退けた石田三成でありましたが……。
もしここで彼らの意見に耳を傾けていたら……。
滝川家の人びと
卯花月影
歴史・時代
勝利のために走るのではない。
生きるために走る者は、
傷を負いながらも、歩みを止めない。
戦国という時代の只中で、
彼らは何を失い、
走り続けたのか。
滝川一益と、その郎党。
これは、勝者の物語ではない。
生き延びた者たちの記録である。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる