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第9章 創天国の魂編
33.セビカとの縁
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セラージュに降り立った幕府一行は、長継とドヴェルクらの案内によりセビカ国王の居城であるセリアー城へ向かう。
そうしてやがて一行はセリアー城の前に到着していた。
貞広
「ほう、ここがその城か。やはり国王殿の居城とだけあって、なかなかの城構えにござるな。」
貞広は、国を治めし国王に相応しい程の風格を感じて思わずそう口にしていた。
同時に異国の地という事もあり、自国では見慣れぬ形をしたセビカ城を物珍しげに見ていた。
やがて何かに気付いたのであろうか、貞広は驚きの表情を見せて声を上げる。
貞広
「おや?宗重殿よ、あれをご覧くだされ!」
貞広は城の隣にあった建造物を指差していた。
すると宗重もまた驚きの声を上げ始める。
宗重
「何と!この色使いといい形といい、この建物は…」
貞広
「代々の大神様のお住まい、創天御所にあられる創天杖と真によく似ておりますな…」
・創天杖(そうてんのつえ)
創天御所の中央に天高くそびえ立つ建造物。
創天国の創造神である創天大神が創天御所の建国時に法力によって造り出されたという伝説が残されているが、あくまでもそれは神話上の話である。
セラージュのセリアー城にも同様の建造物が存在している事から、創天国建国のルーツはセビカと何らかの関わりがあったのでは無いかとされているが、はっきりとした確証は無い。
長継
「あぁ、確かに創天国にもかようなものがございましたな。大神様の象徴と呼ばれるものが。」
創天国の生まれである長継もまた貞広らの言葉を聞いてそう言っていた。
するとドヴェルクが彼らに対してこの建造物について説明を始める。
ドヴェルク
「この建造物は、セビカの塔と呼ばれています。私のご先祖様がこのセリアー城を築城なされた際にセビカの繁栄を願って造られたものと聞いています。」
・セビカの塔
セビカ国王の始祖であるエリック・セリアーがセビカ国を建国する際に建造されていた。
天高くにまで積まれた塔の頂上には、エリックが使用したとされる剣と盾が祀られているという。
この剣と盾にはエリックの魂が宿っていると信じられており、セビカ国の恒久の平和と繁栄の祈りが現在もなお捧げられて続けているという。
宗重
「我ら創天国を建国なされた創天大神様も同じく、国の繁栄を願ってかようなものを造られたと聞いておる。」
それを聞いたドヴェルクが驚きながら言葉を返す。
ドヴェルク
「ほう、創天国にもそのような塔があるというのですか。これは偶然なのでしょうか、それとも…」
貞広
「我らのご先祖様は、セビカとどこかで繋がっておったのやも知れませぬな。」
創天国とセビカ。
両者は共に文化や風習、町並みなども大きく異る国家ではある。
しかし、このセビカの塔に関して言えば創天杖と非常に酷似しているというのだ。
ここまで共通した点があるという事は、もしや太古の昔より創天国とセビカは何らかの関わりがあったのでは無いか。
貞広はそう考えている様子であった。
長継
「もしや、拙者がセビカに流れ着いたのも何かの縁があった故のことなのか…」
自身が創天国から亡命を図った末に流れ着いた国がセビカであった事もそうした縁があった故の事なのであろうか。
貞広の言葉を聞いた長継はそう呟いていた。
宗重
「その縁があった故に我らがこうして導かれたのであろうか。いやはや、真に不思議なことじゃな…」
そうした「縁」が持つであろう見えない力の存在を幕府の者たちは知らされた様子であった。
そうしてやがて一行はセリアー城の前に到着していた。
貞広
「ほう、ここがその城か。やはり国王殿の居城とだけあって、なかなかの城構えにござるな。」
貞広は、国を治めし国王に相応しい程の風格を感じて思わずそう口にしていた。
同時に異国の地という事もあり、自国では見慣れぬ形をしたセビカ城を物珍しげに見ていた。
やがて何かに気付いたのであろうか、貞広は驚きの表情を見せて声を上げる。
貞広
「おや?宗重殿よ、あれをご覧くだされ!」
貞広は城の隣にあった建造物を指差していた。
すると宗重もまた驚きの声を上げ始める。
宗重
「何と!この色使いといい形といい、この建物は…」
貞広
「代々の大神様のお住まい、創天御所にあられる創天杖と真によく似ておりますな…」
・創天杖(そうてんのつえ)
創天御所の中央に天高くそびえ立つ建造物。
創天国の創造神である創天大神が創天御所の建国時に法力によって造り出されたという伝説が残されているが、あくまでもそれは神話上の話である。
セラージュのセリアー城にも同様の建造物が存在している事から、創天国建国のルーツはセビカと何らかの関わりがあったのでは無いかとされているが、はっきりとした確証は無い。
長継
「あぁ、確かに創天国にもかようなものがございましたな。大神様の象徴と呼ばれるものが。」
創天国の生まれである長継もまた貞広らの言葉を聞いてそう言っていた。
するとドヴェルクが彼らに対してこの建造物について説明を始める。
ドヴェルク
「この建造物は、セビカの塔と呼ばれています。私のご先祖様がこのセリアー城を築城なされた際にセビカの繁栄を願って造られたものと聞いています。」
・セビカの塔
セビカ国王の始祖であるエリック・セリアーがセビカ国を建国する際に建造されていた。
天高くにまで積まれた塔の頂上には、エリックが使用したとされる剣と盾が祀られているという。
この剣と盾にはエリックの魂が宿っていると信じられており、セビカ国の恒久の平和と繁栄の祈りが現在もなお捧げられて続けているという。
宗重
「我ら創天国を建国なされた創天大神様も同じく、国の繁栄を願ってかようなものを造られたと聞いておる。」
それを聞いたドヴェルクが驚きながら言葉を返す。
ドヴェルク
「ほう、創天国にもそのような塔があるというのですか。これは偶然なのでしょうか、それとも…」
貞広
「我らのご先祖様は、セビカとどこかで繋がっておったのやも知れませぬな。」
創天国とセビカ。
両者は共に文化や風習、町並みなども大きく異る国家ではある。
しかし、このセビカの塔に関して言えば創天杖と非常に酷似しているというのだ。
ここまで共通した点があるという事は、もしや太古の昔より創天国とセビカは何らかの関わりがあったのでは無いか。
貞広はそう考えている様子であった。
長継
「もしや、拙者がセビカに流れ着いたのも何かの縁があった故のことなのか…」
自身が創天国から亡命を図った末に流れ着いた国がセビカであった事もそうした縁があった故の事なのであろうか。
貞広の言葉を聞いた長継はそう呟いていた。
宗重
「その縁があった故に我らがこうして導かれたのであろうか。いやはや、真に不思議なことじゃな…」
そうした「縁」が持つであろう見えない力の存在を幕府の者たちは知らされた様子であった。
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