七光りのわがまま聖女を支えるのは疲れました。私はやめさせていただきます。

木山楽斗

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22.頼もしい味方

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「サリーム? どうしてここに?」
「色々と懸念があったから、王都まで来ていたのよ。でもまさか、こんなことになっているとは思っていなかったけれどね」

 レムバル様の質問に答えながら、サリーム様は私の隣までやって来た。
 私と同等の実力がある彼女は、何をするべきかをわかっているのだろう。その表情からも、それはわかる。
 それなら、細かい説明などはいらないだろう。私はただ、頼みごとをすればいいだけだ。

「サリーム様、あの悪魔の気をそらしていただけますか?」
「陽動という訳ね。あなたはどうするつもりなの?」
「その隙に時計塔を登って、ロメリア様を助けます」
「……まあ、私としてはロメリごと攻撃してもいいのだけれど、今回はあなたの提案に乗るとしましょうか。あれでも一応、いとこだもの」

 サリーム様は、少し悪態をつきながら悲しそうに笑っていた。
 彼女もまた、ロメリア様に対する多少の情は捨てきれていないのだろう。
 ただ、私はそのことに関して考えるのをやめた。ロメリア様の処遇なんてものは、全てが終わってから決めればいいことである。今は彼女を助けることだけ考えるべきだ。

「しかし、時計塔の中に悪魔が何も仕掛けていないとは思えないわ。あなた一人だけで行ったら、そういうものに足止めされるかもしれないわよ?」
「……それについては問題ない。僕が同行しよう」
「あら?」

 サリーム様の言葉に応えたのは、私ではなくレムバル様だった。
 彼は王城を出る前に、剣を持っていた。それはつまり、剣技にある程度の覚えがあるということなのだと思っていたが、やはりそういうことであるようだ。

「あなたに彼女の護衛が務まるかは少々心配だけれど、まあいないよりはましといった所かしらね」
「相変わらず辛辣だな、君は……」
「任せるわよ?」
「ああ、任された」

 サリーム様は、真剣な顔でレムバル様を見ていた。その視線を受けるレムバル様も、また真剣な顔をしている。
 二人のやり取りからは、私に対する思いやりのようなものが伝わってきた。二人とも私のことを大切に思ってくれていることは、正直とても嬉しい。
 ただ、それも今は考えるべきことではないだろう。そう思った私は、レムバル様の方に目を向ける。

「レムバル様、念のために何人か兵士も連れて行きましょう。人数が多いと悪魔に悟られますから、二人か三人くらいが望ましいと思います」
「わかりました。その旨の指示を出してきます」
「さて、それでは私はあの悪魔の気をそらさなければならないわね」

 私の言葉で、レムバル様とサリーム様が各々動き出した。
 こうして私達は、ロメリア様を助ける作戦を開始するのだった。
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