12 / 34
12
しおりを挟む
私は、とりあえず家に戻って来ていた。
王都に向かうのは、明日からになった。流石に、色々とあって疲れたため、体を休める時間を作ることにしたのだ。
「なるほど、本当に色々なことがあったみたいだね……」
「ええ……まさか、そんなことになっているとは驚きだわ」
事情を説明した後、お父さんとお母さんはそのように呟いていた。
二人は、そもそも私が聖女をやめたことすら知らなかった。そのことだけでも驚くべきことだが、さらに現聖女が機能していないと言われたのだ。これで、驚かないという方が無理である。
「それで、私は明日から王都に向かおうと思っているんだ。色々と疲れてやめてしまったけど、今思えば少し衝動的だったと思う。もう少し、周りのことを考えておけばよかった。そういう後悔があるから、私はビクトンを止めたいと思う」
「そうかい……」
「あなたが行きたいなら、行けばいいと思うわ……」
私が王都に行くと言っても、両親は止めなかった。
二人も、もうわかっているのだろう。私が固く決意をしているということを。
「でも、危ないことはしないで欲しいな」
「身の安全を一番に考えるのよ」
「大丈夫、多分、そんなに危ないことにはならないと思うし」
王都に向かってから、私はなんとかしてビクトンを止めるつもりだ。
そうするためには、彼の父に直談判するのが早いだろう。色々と周りが見えていないような所もあるが、国王様は賢明な方だ。私が話せば、きっとビクトンを止めてくれるだろう。
問題は、彼がそれを止めてくるかもしれないということである。だが、それもそこまで気にする必要がないだろう。
なぜなら、私は一度聖女をやめている身だからだ。そんな私に、ビクトンが注意しているとは思えない。恐らく、聖女だった時よりも簡単に国王様に話を通せるはずである。
「まあ、レイグス君も一緒なら問題ないかな?」
「ええ、彼はとても頼りになるものね」
「うん、存分に頼らせてもらうつもりだよ」
「あら? そういう所に遠慮はないのね」
「ははっ……なんだか、どこかで見たことがあるなあ……」
それに、今回はレイグスも一緒だった。
彼は、とても頼りになる。困ったことがあったら、きっと解決してくれるだろう。
そもそも、心情的に一人よりも二人の方が気楽だ。王都で聖女の仕事をしていた時に比べて、私の心はとても軽い。それだけで、とても安全性は増すだろう。
「さて、そういうことなら、早く寝ないといけないわね……夕食を作るから、それまでは休んで、食べた後はすぐに寝る準備ね」
「うん、そうさせてもらうね」
「あなた、少し手伝ってくれる? なるべく、早く作りたいし」
「そう言うと思っていたよ」
お母さんに言われた通り、今日はしっかりと休んで、明日に備えるべきだ。
こうして、私は久し振りの実家で体を休めるのだった。
王都に向かうのは、明日からになった。流石に、色々とあって疲れたため、体を休める時間を作ることにしたのだ。
「なるほど、本当に色々なことがあったみたいだね……」
「ええ……まさか、そんなことになっているとは驚きだわ」
事情を説明した後、お父さんとお母さんはそのように呟いていた。
二人は、そもそも私が聖女をやめたことすら知らなかった。そのことだけでも驚くべきことだが、さらに現聖女が機能していないと言われたのだ。これで、驚かないという方が無理である。
「それで、私は明日から王都に向かおうと思っているんだ。色々と疲れてやめてしまったけど、今思えば少し衝動的だったと思う。もう少し、周りのことを考えておけばよかった。そういう後悔があるから、私はビクトンを止めたいと思う」
「そうかい……」
「あなたが行きたいなら、行けばいいと思うわ……」
私が王都に行くと言っても、両親は止めなかった。
二人も、もうわかっているのだろう。私が固く決意をしているということを。
「でも、危ないことはしないで欲しいな」
「身の安全を一番に考えるのよ」
「大丈夫、多分、そんなに危ないことにはならないと思うし」
王都に向かってから、私はなんとかしてビクトンを止めるつもりだ。
そうするためには、彼の父に直談判するのが早いだろう。色々と周りが見えていないような所もあるが、国王様は賢明な方だ。私が話せば、きっとビクトンを止めてくれるだろう。
問題は、彼がそれを止めてくるかもしれないということである。だが、それもそこまで気にする必要がないだろう。
なぜなら、私は一度聖女をやめている身だからだ。そんな私に、ビクトンが注意しているとは思えない。恐らく、聖女だった時よりも簡単に国王様に話を通せるはずである。
「まあ、レイグス君も一緒なら問題ないかな?」
「ええ、彼はとても頼りになるものね」
「うん、存分に頼らせてもらうつもりだよ」
「あら? そういう所に遠慮はないのね」
「ははっ……なんだか、どこかで見たことがあるなあ……」
それに、今回はレイグスも一緒だった。
彼は、とても頼りになる。困ったことがあったら、きっと解決してくれるだろう。
そもそも、心情的に一人よりも二人の方が気楽だ。王都で聖女の仕事をしていた時に比べて、私の心はとても軽い。それだけで、とても安全性は増すだろう。
「さて、そういうことなら、早く寝ないといけないわね……夕食を作るから、それまでは休んで、食べた後はすぐに寝る準備ね」
「うん、そうさせてもらうね」
「あなた、少し手伝ってくれる? なるべく、早く作りたいし」
「そう言うと思っていたよ」
お母さんに言われた通り、今日はしっかりと休んで、明日に備えるべきだ。
こうして、私は久し振りの実家で体を休めるのだった。
69
あなたにおすすめの小説
偽物と断罪された令嬢が精霊に溺愛されていたら
影茸
恋愛
公爵令嬢マレシアは偽聖女として、一方的に断罪された。
あらゆる罪を着せられ、一切の弁明も許されずに。
けれど、断罪したもの達は知らない。
彼女は偽物であれ、無力ではなく。
──彼女こそ真の聖女と、多くのものが認めていたことを。
(書きたいネタが出てきてしまったゆえの、衝動的短編です)
(少しだけタイトル変えました)
【長編版】この戦いが終わったら一緒になろうと約束していた勇者は、私の目の前で皇女様との結婚を選んだ
・めぐめぐ・
恋愛
神官アウラは、勇者で幼馴染であるダグと将来を誓い合った仲だったが、彼は魔王討伐の褒美としてイリス皇女との結婚を打診され、それをアウラの目の前で快諾する。
アウラと交わした結婚の約束は、神聖魔法の使い手である彼女を魔王討伐パーティーに引き入れるためにダグがついた嘘だったのだ。
『お前みたいな、ヤれば魔法を使えなくなる女となんて、誰が結婚するんだよ。神聖魔法を使うことしか取り柄のない役立たずのくせに』
そう書かれた手紙によって捨てらたアウラ。
傷心する彼女に、同じパーティー仲間の盾役マーヴィが、自分の故郷にやってこないかと声をかける。
アウラは心の傷を癒すため、マーヴィとともに彼の故郷へと向かうのだった。
捨てられた主人公がパーティー仲間の盾役と幸せになる、ちょいざまぁありの恋愛ファンタジー長編版。
--注意--
こちらは、以前アップした同タイトル短編作品の長編版です。
一部設定が変更になっていますが、短編版の文章を流用してる部分が多分にあります。
二人の関わりを短編版よりも増しましたので(当社比)、ご興味あれば是非♪
※色々とガバガバです。頭空っぽにしてお読みください。
※力があれば平民が皇帝になれるような世界観です。
投獄された聖女は祈るのをやめ、自由を満喫している。
七辻ゆゆ
ファンタジー
「偽聖女リーリエ、おまえとの婚約を破棄する。衛兵、偽聖女を地下牢に入れよ!」
リーリエは喜んだ。
「じゆ……、じゆう……自由だわ……!」
もう教会で一日中祈り続けなくてもいいのだ。
ゴースト聖女は今日までです〜お父様お義母さま、そして偽聖女の妹様、さようなら。私は魔神の妻になります〜
嘉神かろ
恋愛
魔神を封じる一族の娘として幸せに暮していたアリシアの生活は、母が死に、継母が妹を産んだことで一変する。
妹は聖女と呼ばれ、もてはやされる一方で、アリシアは周囲に気付かれないよう、妹の影となって魔神の眷属を屠りつづける。
これから先も続くと思われたこの、妹に功績を譲る生活は、魔神の封印を補強する封魔の神儀をきっかけに思いもよらなかった方へ動き出す。
存在感のない聖女が姿を消した後 [完]
風龍佳乃
恋愛
聖女であるディアターナは
永く仕えた国を捨てた。
何故って?
それは新たに現れた聖女が
ヒロインだったから。
ディアターナは
いつの日からか新聖女と比べられ
人々の心が離れていった事を悟った。
もう私の役目は終わったわ…
神託を受けたディアターナは
手紙を残して消えた。
残された国は天災に見舞われ
てしまった。
しかし聖女は戻る事はなかった。
ディアターナは西帝国にて
初代聖女のコリーアンナに出会い
運命を切り開いて
自分自身の幸せをみつけるのだった。
兄を溺愛する母に捨てられたので私は家族を捨てる事にします!
ユウ
恋愛
幼い頃から兄を溺愛する母。
自由奔放で独身貴族を貫いていた兄がようやく結婚を決めた。
しかし、兄の結婚で全てが崩壊する事になった。
「今すぐこの邸から出て行ってくれる?遺産相続も放棄して」
「は?」
母の我儘に振り回され同居し世話をして来たのに理不尽な理由で邸から追い出されることになったマリーは自分勝手な母に愛想が尽きた。
「もう縁を切ろう」
「マリー」
家族は夫だけだと思い領地を離れることにしたそんな中。
義母から同居を願い出られることになり、マリー達は義母の元に身を寄せることになった。
対するマリーの母は念願の新生活と思いきや、思ったように進まず新たな嫁はびっくり箱のような人物で生活にも支障が起きた事でマリーを呼び戻そうとするも。
「無理ですわ。王都から領地まで遠すぎます」
都合の良い時だけ利用する母に愛情はない。
「お兄様にお任せします」
実母よりも大事にしてくれる義母と夫を優先しすることにしたのだった。
神のいとし子は追放された私でした〜異母妹を選んだ王太子様、今のお気持ちは如何ですか?〜
星井ゆの花(星里有乃)
恋愛
「アメリアお姉様は、私達の幸せを考えて、自ら身を引いてくださいました」
「オレは……王太子としてではなく、一人の男としてアメリアの妹、聖女レティアへの真実の愛に目覚めたのだ!」
(レティアったら、何を血迷っているの……だって貴女本当は、霊感なんてこれっぽっちも無いじゃない!)
美貌の聖女レティアとは対照的に、とにかく目立たない姉のアメリア。しかし、地味に装っているアメリアこそが、この国の神のいとし子なのだが、悪魔と契約した妹レティアはついに姉を追放してしまう。
やがて、神のいとし子の祈りが届かなくなった国は災いが増え、聖女の力を隠さなくなったアメリアに救いの手を求めるが……。
* 2025年10月25日、外編全17話投稿済み。第二部準備中です。
* ヒロインアメリアの相手役が第1章は精霊ラルド、第2章からは隣国の王子アッシュに切り替わります。最終章に該当する黄昏の章で、それぞれの関係性を決着させています。
* この作品は小説家になろうさんとアルファポリスさんに投稿しております。
* ブクマ、感想、ありがとうございます。
私を断罪するのが神のお告げですって?なら、本人を呼んでみましょうか
あーもんど
恋愛
聖女のオリアナが神に祈りを捧げている最中、ある女性が現れ、こう言う。
「貴方には、これから裁きを受けてもらうわ!」
突然の宣言に驚きつつも、オリアナはワケを聞く。
すると、出てくるのはただの言い掛かりに過ぎない言い分ばかり。
オリアナは何とか理解してもらおうとするものの、相手は聞く耳持たずで……?
最終的には「神のお告げよ!」とまで言われ、さすがのオリアナも反抗を決意!
「私を断罪するのが神のお告げですって?なら、本人を呼んでみましょうか」
さて、聖女オリアナを怒らせた彼らの末路は?
◆小説家になろう様でも掲載中◆
→短編形式で投稿したため、こちらなら一気に最後まで読めます
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる