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【2】処刑台壊れた!その2
しおりを挟む雷にうたれた処刑台は粉々となり、台に乗っていた処刑人や兵士はその高みから落下する。しかし、そこにリシェリードの姿はなかった。
消えた姿はその一瞬後には、広場の反対側にある貴賓席の台へと。そこでゆったりと高みの見物を決め込んでいた、大神官長オゴロワスの前に立つ。
「若き日に王位への野心満々だったがゆえに、僧院に押し込まれた大叔父殿よ。そのお歳になっても、まだ玉座への妄執を断ち切れないか?」
オゴロワスは先代の王であるリシェリードの祖父の弟であった。大神殿の僧院へと半ば無理矢理入れられてからは、きっぱりと世俗を捨てて神への祈りの道を突き進み、ついには大神官長へとなったわけだが、胸の内では遠き日の王位への夢がくすぶっていたらしい。
宗教裁判にて国王一家を異端と断罪し、死刑を宣告した大神官長は、空位となる玉座に己が聖神官王として座ると、国民に宣言していた。
「こ、この悪魔を捕らえよ!」とオゴロワスが聖騎士達に叫ぶが、背後に居並ぶ彼らは動けなかった。魔法によって影が縫い付けられていたのだ。「なにをしている!」と振り返り叫んだオゴロワスは、飾り物の甲冑のように突っ立ったまま微動だにしない、異様な聖騎士達の姿に青ざめ、そして顔を目の前の〝悪魔〟へと戻す。
「お、お前は誰だ!?」
「“余”の顔を見忘れたか?オゴロワスよ。僧院に押し込まれる前は、散々、玉座の間の回廊でそっくり同じこの顔の肖像画を見てきたであろう?」
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「魔法王、初代様……」
無理矢理僧院に押し込まれたとはいえ、その後は神に帰依しオゴロワスは信心深い質となっていた。彼は目の前の少年が魔法王リシェリードの生まれ変わりであると、すんなり信じこんだ。
いや、実際そうなのだが。
「お、お許しください、始祖王よ!私は、その女にたぶらかされただけなのです!」
と傍らの椅子に座る聖女アンジェラを指さす。それにアンジェラは落ち着いた声で「なにをおっしゃっているんですか?猊下」と微笑む。
「私は神の使徒たる聖女。その僕として数々の奇跡を起こし、神の言葉たる預言を人々に伝えたに過ぎませんわ」
「そ、その聖女の奇跡もすべて偽りだ!できものに悩んでいた少女は、もともと見世物小屋で働いていた奇術師の卵で、あれは巧みな化粧術の早変わりだ!歩けなかった男はもっと簡単だ。金で雇って芝居させた売れない役者だからな。
商家の火事も同様に、お前の預言を受けて神殿の手のものが家に火をつけたんだ」
かずかずの奇跡の偽りの暴露に、周りの者達が騒然となる。リシェリードに影縛りされていた聖騎士達もその戒めを解かれて「まさか、聖女が!」とアンジェラに疑惑の視線を向け、聖女の後ろに立っていた女神官達も、また彼女から一歩離れる。
アンジェラはいきなり、わっ!と泣き出して。
「それも猊下がすべてお指図なされたことではないですか!ご自分が王位に就かれるためには、聖女の奇跡が必要だと……」
両手で顔をおおい涙さえこぼしている。当然涙は詐りだとリシェリードは見抜いていた。たいした役者だ。いや、昔からこの魔女は男を欺く技に長けていたが。
美しい女の涙に男は弱いものだ。聖女に疑惑の目を向けていた聖騎士達だが、今度はオゴロワスに非難の視線を向ける。それにオゴロワスは焦り叫んだ。
「なにを言う!お前こそ、ワシをその若い身体で籠絡し、毎夜のように『猊下こそが本来はこの王国の玉座につかれる方』とささやいて、自らのたくらみを寝物語に語ったではないか!この毒婦め!」
本来、身を清浄にし純潔を貫くべき聖職にある、しかも大神官長と聖女がそういう仲であったことに、広場に集まっていた民衆はどよめく。
死刑台がこなごなとなり広場は怒声と混乱に包まれて、大神官長の“告白”は本来その喧騒にかき消されて聞こえないものだった。
そこは、リシェリードがちょいちょいと風の精霊に呼びかけて、みんなの耳に届くようにしてやったのだが。
それこそ広場だけではない。この王都ドーシェ中の人々の耳に響かせた。
それに「話が違うぞ!」と叫んだのは崩れた死刑台の下から兵士達の手をかりて這い出してきた、ドゥルセイルだった。
「そんな老いぼれとまで寝ていたのか!この売女!お前は寝台の中で、所詮老い先短い老人などお飾りの王。私が宰相として実質上のこの国の王になるのだと、言ったではないか!」
この声も当然、イタズラ好きの風の精霊によって人々の耳に届けられた。そこにまた「私が次の王になるのではないか?」「いや俺だ!」「愛しい人はあなただけと言ったじゃないか!僕を騙したのか!」とまあ、大貴族やら将軍、親の莫大な遺産を受け継いだばかりのボンボンブルジョアの青年まで、ようするにこの“叛乱”に荷担した者達が、次々に口を開く。あげく「騙していたな!」とお互い仲間割れして、取っ組み合いのケンカをし始める始末だ。 よくもまあ、己の罪をペラペラしゃべったものだが、これもリシェリードがドゥルセイルに呼びかけたときに、処刑台の下にいた彼らの顔を“軽く”撫でるように眺めたからだ。
この程度の“暗示”にひっかかるとは、魔法耐性がないものは、まったくたやすいと思う。
その頃には王都中の民が街路へと出て「偽聖女だ!」「騙されていた!」「大神殿までグルになって!」「このクソ坊主に貴族に金持ち共!」と叫んでいた。
広場では取っ組み合いケンカをしていたオゴロワスや大貴族、将軍、ブルジョアのボンボンが、今度は民衆によってよってたかって押さえ付けられている。
そんな彼らの姿をリシェリードは冷めた目で見ていた。さっきまで自分を殺せと叫んでいた民衆をだ。まあ群集心理などとはこんなものだ。
そして、聖騎士達に聖女アンジェラは取り囲まれて、その両腕を取られた瞬間、彼女の頭ががくりと前に落ちるのを見て、リシェリードは内心で『しまった!』と叫ぶ。
たった今、魔女の精神は抜けて逃げた。まったく逃げ足の速い。
そして、同時にオゴロワスが老齢と思えない素早さで立ち上がりリシェリードの腕を掴むと、そばにいた聖騎士の腰の剣を引き抜き振りかぶった。
もう一度内心で『しまった!』と叫ぶ。
“魔女の虜”だ。何度も身体を重ねたオゴロワスは身も心もすっかり囚われていたのだろう。魔女は逃げるときに最後の置き土産とばかりに、この老人を傀儡として利用した。
結界の発動は腕を掴まれ身体が接触しているために無効だ。攻撃魔法をここで発動しても、同時に剣が自分の身体を貫く。相打ちだ。
────ええい、ままよ!剣に貫かれてもすかさず回復魔法をかけるしかないか。
せめて即死を避けるために急所は外して……と考える。
しかし、剣はリシェリードの身体を貫くことはなかった。
その前に飛んできた剣がオゴロワスの腕を斬り飛ばしたのだ。同時にリシェリードの放った火球がその胸をぶち抜いて、とんだ腕とともにその身体もごろりと転がる。
オゴロワスの腕を斬り飛ばした剣は共に落ちることなく、ひゅんと弧を描いて飛んで持ち主の元へと戻って行く。
その魔剣の行方を、リシェリードは遠目の魔眼を発動して追う。
広場を見おろす高い時計台の上にマントのフードを目深に被った、その姿があった。リシェリードの晴れ渡った空色の瞳が、長身を捕らえたとたんにふっ……と姿が消えた。転移したか。
◇◆◇ ◆◇◆ ◇◆◇
こうして大神殿と貴族やブルジョア共が起こした“三日争乱”は終わった。事件自体は二日で解決したわけだが、きりがいいところで三日となった。こうして歴史は多少ゆがんで伝えられる。
市民達に捕らえられた貴族共に将軍、ブルジョアの主犯に協力者で王宮の監獄塔は上の貴賓室から、地下牢まで満杯となっている。
大神殿は死んだ神官長にすべてを押しつけて、神官達も聖騎士達も、自分達はなにも知らなかったの一点張りだ。
魔女の魂が抜けた聖女アンジェラもまた「わからない」「わたくしはなにもしてない!」と精神錯乱状態で、医師の見立てでは、数年前からの記憶がさっぱりとないらしい。彼女は聖女の称号を剥奪の上に、北の修道院預かりとなった。
そして、リシェリードといえば。
そう、彼は三ヶ月の聖女との婚約破棄を宣言したと同時に、前世の記憶が蘇った。
この国を建国した魔法王。その名も同じリシェリード一世の生まれ変わりだ。
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