堕ちた双子

ゆきみまんじゅう

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壊れた心、繰り返す後悔

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頭の中のモヤが晴れないまま、僕は家に帰った。

本当は、兄さんに会うのが怖い。

壊れてしまった兄さんに、どう接していいか、分からない。

それでも僕は、兄さんを解放するという決断が出来ずにいた。

「………はあ。」

私服に着替え、一息つくと、僕はゆっくりとした足取りで、兄さんの部屋に向かった。

「おかえり、海斗。」

部屋に入ると、兄さんはベッドの上に座っており、僕を笑顔で出迎えた。

でも、純と話をした後では、その笑顔が作り笑いに見えて、余計僕の心を苦しめるだけだった。

あの晩、遥華を殺した後の翌日から、僕は兄さんの手錠を鎖の長い物に取り換えた。

そのため、部屋中を歩き回れるようになっていた。

それでも兄さんは、ベッドから動こうとはしなかった。

「………あっ、……ただいま。」

僕は机の上を見て、用意してあった食事が食べられているかを確認した。

思った通り完食はされておらず、それが兄さんが空元気であるという物的証拠に見えた。

僕は残された食事を片付け、部屋を後にしようとした。

けれども後ろから兄さんに抱きしめられ、僕は身動きが取れなくなった。

兄さんの息は荒く、欲情しているように思えた。

「…………海斗、したい。」
「………っ⁉︎」


耳元でそう囁かれ、体がビクッとする。

一瞬理性を失い、兄さんを襲おうとしたが、なんとか踏みとどまる。

本当は僕だって、兄さんとしたかった。

けれども、兄さんを壊した罪悪感から、手を出すわけにはいかないと思った。

「……ごめん、今はちょっと……。ほら、これを片付けないといけないし──」

その時、兄さんに首筋を舐められ、僕は唖然としてしまい、食器を落としてしまった。

「あッ……兄さん、何を…⁉︎」

思わず声を漏らしてしまう自分に、嫌悪感を抱きつつ、僕は身動きが取れなかった。

それをいい事に、兄さんの行動はエスカレートしていき、首筋から耳たぶまでにかけて舐めながら、とうとう僕のズボンのファスナーに手をかけた。

「はっ………⁉︎」

ここでようやく体が動くようになり、ファスナーを下ろそうとする兄さんの手首を掴んで、それを阻止した。

「にっ…兄さん!今は……そんな気分じゃ──」
「嘘だろ。だって、……勃ってる。」
「えっ………?」

兄さんに指摘され、ようやく自分のペニスが、ズボン越しからでも分かるくらい勃っているのが分かり、愕然とした。

ほんのさっきまで、僕は兄さんへの罪悪感と後悔で頭がいっぱいだったのに、今の僕は明らかに興奮していた。

それに気づいた瞬間、タガが外れそうになる。

そのせいで腕の力が緩んでしまい、その隙に兄さんから、ズボン越しにペニスを刺激されてしまった。

「くっ……んん…ッ……!」

もうダメだった。

全身の力が抜けてしまい、そのせいで兄さんに半ば強引にベッドへ導かれ、押し倒された。

すぐに起きあがろうとしたが、兄さんに馬乗りされ身動きが取れなくなる。

もがこうにも、ペニスをされてしまうと、全く力が入らず、くぐもる声しか出ない。

………兄さん、抱きたい。

もう僕の心は、快楽に負けそうになっていた。

そうこうするうちに、兄さんは僕のズボンと下着をずり下ろして、自らの下着も脱いだ。

それをただ、呆然と見上げる。

「海斗、今日は上に乗って、いいか?」
「えっ………?」

最初はよく分からなかったが、兄さんが僕のペニスの上に跨った事で、その言葉の意味を理解した。

「あっ……、待って、兄さ…ッ……ああっ……!」

兄さんの中に、僕のペニスがゆっくりと入っていく。

熱くて、きつい、その感覚に、飲まれていく。

「………動くぞ。」

そう言うと兄さんは、ゆっくりと腰を前後に動かし始めた。

「んっ…んん……ッ…あ…っ…んんっ!」

初めて兄さんからリードされ、本当なら願ってもない事だった。

けれども僕は、兄さんが無理をしていると知っている。

何故なら、挿入する時、兄さんのペニスは、勃っていなかったのだから。

「はあ……、あんっ………、海斗、声、出して。」
「んあっ…!……ダメぇ…ッ……これ以上………はぁ……ぁ…ッ…。」

けれどももう、理性は限界で、めちゃくちゃに犯したくなってしまいたかった。

「……ッあああ!」

気がつけば僕は、兄さんの腰を掴み、下から突き上げていた。

「あっ…んん…ッ……んああ!……海…斗ぉ………。」
「兄……さんっ、…ッ……兄さんっ!」

さっきまで我慢していたせいか、歯止めが効かなくなり、力任せに突き上げてしまう。

それでも兄さんは、目をとろんとさせており、痛がる様子はなかった。

もっと、兄さんが欲しい、鳴かせたい……。

「………兄さん、今度は、僕が上になっても、いい?」

兄さんは、息を荒くしながら頷くと、僕の上から降りた。

そんな兄さんを、今度は僕が押し倒す。

ベッドの上に仰向けに倒れた兄さんは、ただ恍惚とした表情で、僕を見つめていた。

僕はそんな兄さんの上に跨ると、一気にペニス を突き入れた。

「ああっ!!…んんっ……ッ…強…ぃ…ッ…ああんっ!」

兄さんは少し痛がっているように見えたが、今の僕には、力を緩める余裕は無かった。

「はあ…っ…ああ……ッ…もう…無理……!」
「……っ!!…あん…ッ…あ……ああああんっ!!」

僕は一際強く腰を打ちつけると、兄さんの中に精液を流し込んだ。

「はあ…はあ……はあ……。」

すると一気に頭の熱が冷めていき、後に残ったのは罪悪感だけだった。

「………海斗、ありがとう。愛してる。」

その言葉が、僕の心をさらに抉っていくのだった。
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