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弟
誰も、何も、教えてくれない
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リッくんと別れた後、私はショックのあまり、後を追うみたいに、学校を早退した。
ここ数週間でいろんな事があり、もう、私の心はボロボロになっていた。
涙が枯れるほど泣き続け、ふと窓の外を見たら、もう陽が落ちかけていた。
まだ気持ちは落ち着いてなかったけれど、少しは冷静になった頭で、今朝の事をもう一度思い出すことにした。
そうすると、ある疑問が頭に浮かんできた。
「あの時のリッくんは、本当に、リッくん……だったの?」
この間、電話越しで聞いたリッくんと、今朝のリッくんの様子は、全然違っていた。
それに、あんなに優しかったリッくんが、あんな事を言うなんて、とても信じられなかった。
私に冷たくした人物といえば、真っ先にカイくんが思い当たり、私は寒気を感じた。
嫌な予感がする……。
私はすぐにスマホを手に取り、リッくんに電話をかけようとした。
けれどもすぐに回線が切断されてしまった。
リッくんが私を避けて、電話をブロックした?
……違う、これはきっと、カイくんの仕業に違いない!
私はその疑念を確信に変えるため、今度はカイくんの友人である、秋山くんに電話をかけた。
「はい、秋山で──「ねえ秋山くん!今日、カイくんに会った?ちゃんと学校に来てた?お願いだから教えてよ!」
焦る気持ちが抑えられず、次から次へと言葉が出てきて、止まらない。
「ちょっと待て!海斗がどうかしたのか?頼むから一旦落ち着いてくれ。」
秋山くんに促されて、私は一度息をついた。
「その……カイくんから聞いてないかな?リッくんが学校を辞めた事……。」
「………。」
秋山くんからの返事はない。
その理由は分からないけれど、私は言葉を続けた。
「この間、久しぶりに電話で話した時は、あんなに元気そうだったのに、急にこんな事になるなんて、私、信じられない……。でも、カイくんに理由を聞くことは、私にはできない。だからもし、何か知っていたら、教えてほしいの、お願い………。」
私は電話越しに目を瞑りながら、思いが届くことを願った。
「………すまない。俺に答えられることは、ない。」
でも、秋山くんからの言葉は、あまりにも残酷だった。
答えられないということは、全然何も知らないわけじゃないと、直感で分かった。
「ねえ、本当は何か知ってるんだよね?なんで嘘つくの?カイくんに言われたの?じゃあ、教えてあげるけど、カイくんは普通じゃないの!私たち、カイくんにずっと騙されていたの!だから、秋山くんだって、私みたいに、いつか──」
「やめてくれ!!海斗の悪口なんて、聞きたくない。」
どうして、そんな事を言うの?
私は、本当の事を言っているだけなのに……。
「七瀬さん、君に何があったかは分からないが、言っていい事と悪い事くらいは分かるだろう?」
なんで、私が責められなくちゃいけないのか、全く分からない。
「………もういい。私、誰にも………頼らない。」
そう言って私は、電話を切った。
腹が立ったし、悲しくもあった。
だけどもう、涙は流れなかった。
「リッくんは、私が助ける……。」
そう、決意したからだった。
ここ数週間でいろんな事があり、もう、私の心はボロボロになっていた。
涙が枯れるほど泣き続け、ふと窓の外を見たら、もう陽が落ちかけていた。
まだ気持ちは落ち着いてなかったけれど、少しは冷静になった頭で、今朝の事をもう一度思い出すことにした。
そうすると、ある疑問が頭に浮かんできた。
「あの時のリッくんは、本当に、リッくん……だったの?」
この間、電話越しで聞いたリッくんと、今朝のリッくんの様子は、全然違っていた。
それに、あんなに優しかったリッくんが、あんな事を言うなんて、とても信じられなかった。
私に冷たくした人物といえば、真っ先にカイくんが思い当たり、私は寒気を感じた。
嫌な予感がする……。
私はすぐにスマホを手に取り、リッくんに電話をかけようとした。
けれどもすぐに回線が切断されてしまった。
リッくんが私を避けて、電話をブロックした?
……違う、これはきっと、カイくんの仕業に違いない!
私はその疑念を確信に変えるため、今度はカイくんの友人である、秋山くんに電話をかけた。
「はい、秋山で──「ねえ秋山くん!今日、カイくんに会った?ちゃんと学校に来てた?お願いだから教えてよ!」
焦る気持ちが抑えられず、次から次へと言葉が出てきて、止まらない。
「ちょっと待て!海斗がどうかしたのか?頼むから一旦落ち着いてくれ。」
秋山くんに促されて、私は一度息をついた。
「その……カイくんから聞いてないかな?リッくんが学校を辞めた事……。」
「………。」
秋山くんからの返事はない。
その理由は分からないけれど、私は言葉を続けた。
「この間、久しぶりに電話で話した時は、あんなに元気そうだったのに、急にこんな事になるなんて、私、信じられない……。でも、カイくんに理由を聞くことは、私にはできない。だからもし、何か知っていたら、教えてほしいの、お願い………。」
私は電話越しに目を瞑りながら、思いが届くことを願った。
「………すまない。俺に答えられることは、ない。」
でも、秋山くんからの言葉は、あまりにも残酷だった。
答えられないということは、全然何も知らないわけじゃないと、直感で分かった。
「ねえ、本当は何か知ってるんだよね?なんで嘘つくの?カイくんに言われたの?じゃあ、教えてあげるけど、カイくんは普通じゃないの!私たち、カイくんにずっと騙されていたの!だから、秋山くんだって、私みたいに、いつか──」
「やめてくれ!!海斗の悪口なんて、聞きたくない。」
どうして、そんな事を言うの?
私は、本当の事を言っているだけなのに……。
「七瀬さん、君に何があったかは分からないが、言っていい事と悪い事くらいは分かるだろう?」
なんで、私が責められなくちゃいけないのか、全く分からない。
「………もういい。私、誰にも………頼らない。」
そう言って私は、電話を切った。
腹が立ったし、悲しくもあった。
だけどもう、涙は流れなかった。
「リッくんは、私が助ける……。」
そう、決意したからだった。
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