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第七章 襲撃
第14話 救出 3 〜濱田流星side②~
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「白金桃花さんですね?」
豚女に話しかける声がした方に顔を向けると、
「はい。」
「警視庁特殊犯の杉田です。」
「はぁ……」
「貴女を誘拐及び監禁の疑いで逮捕します。」
一緒に来てくれた杉田刑事が豚女を逮捕する瞬間だった。
「はぁ?」
「20△△年✕月○○日、午後19:48分。犯人確保。」
「え?ちょっ待ってよ!!なんで?逮捕とかおかしいでしょ!」
「話は管轄の警察署で聞きます。おい!お連れしろ。」
豚女は、警察官に手錠をかけられ、部屋から出ていった。
「杉田さん、ありがとうございました。」
「妹さんが無事でなによりです。あ!これからですが、妹さんには少し事情をお聞きしなくてはならないので、ご連絡先を……」
「申し訳ありませんが、少々お待ちください。」
俺は杉田さんの言葉を遮り、スマホでとある場所に電話をかけた。
「もしもし、濱田です。…はい、はい。お陰様で菜々子は無事に保護出来ました。……はい、ありがとうございます。えぇ、白金桃花は逮捕してもらいました。はい、ありがとうございます。医院長。お願いがあるのですが……はい、菜々子の検査を…はい。宜しくお願い致します。後程伺います。」
電話を切ると心配そうに俺の顔を見る菜々。
うん、その顔はKissしたくなるから止めて欲しい。
俺は理性を総動員させ、
「薬を嗅がされただろう?怪我は無いか?とか色々診てもらおうな。」
俺の言葉に素直に頷く菜々子。
俺は菜々の頭を撫でながら
「杉田さん。菜々子は櫻井記念病院に検査入院させます。」
「分かりました。では、失礼致します。濱田菜々子さん。」
「は、はい。」
「無事で良かった。お大事に。」
そう言って菜々子を愛おしそうに見つめた杉田さんは、俺達を残し部屋を出て行った。
俺は心の中で(叔父さん、ありがとうございます。)と呟き、菜々子の本当の父親である彼を見送った。
「お兄様。私、入院なんてしなくても大丈夫よ?」
迎えに来た車の中で、俺の膝の上で横抱きにされているのが恥ずかしいのか?俺の腕の中から逃れようとモジモジする菜々を抱き締め耳元で窘めるように囁く。
「ダメだよ、菜々。薬を嗅がされて連れ去られたんだろ?菜々の身体に何か悪い影響を及ぼす薬だったらどうするんだ。いいからお兄様の言う事を聞きなさい。」
「はい。」
観念したのか、その後は素直に俺の膝上で大人しくしている菜々が愛おしくて仕方ない。
もう菜々に二度とあんな怖い思いはさせない。俺が菜々を守る。
菜々の柔らかい身体を抱き締めながら、決意を新たにする俺だった。
~濱田流星side 終~
豚女に話しかける声がした方に顔を向けると、
「はい。」
「警視庁特殊犯の杉田です。」
「はぁ……」
「貴女を誘拐及び監禁の疑いで逮捕します。」
一緒に来てくれた杉田刑事が豚女を逮捕する瞬間だった。
「はぁ?」
「20△△年✕月○○日、午後19:48分。犯人確保。」
「え?ちょっ待ってよ!!なんで?逮捕とかおかしいでしょ!」
「話は管轄の警察署で聞きます。おい!お連れしろ。」
豚女は、警察官に手錠をかけられ、部屋から出ていった。
「杉田さん、ありがとうございました。」
「妹さんが無事でなによりです。あ!これからですが、妹さんには少し事情をお聞きしなくてはならないので、ご連絡先を……」
「申し訳ありませんが、少々お待ちください。」
俺は杉田さんの言葉を遮り、スマホでとある場所に電話をかけた。
「もしもし、濱田です。…はい、はい。お陰様で菜々子は無事に保護出来ました。……はい、ありがとうございます。えぇ、白金桃花は逮捕してもらいました。はい、ありがとうございます。医院長。お願いがあるのですが……はい、菜々子の検査を…はい。宜しくお願い致します。後程伺います。」
電話を切ると心配そうに俺の顔を見る菜々。
うん、その顔はKissしたくなるから止めて欲しい。
俺は理性を総動員させ、
「薬を嗅がされただろう?怪我は無いか?とか色々診てもらおうな。」
俺の言葉に素直に頷く菜々子。
俺は菜々の頭を撫でながら
「杉田さん。菜々子は櫻井記念病院に検査入院させます。」
「分かりました。では、失礼致します。濱田菜々子さん。」
「は、はい。」
「無事で良かった。お大事に。」
そう言って菜々子を愛おしそうに見つめた杉田さんは、俺達を残し部屋を出て行った。
俺は心の中で(叔父さん、ありがとうございます。)と呟き、菜々子の本当の父親である彼を見送った。
「お兄様。私、入院なんてしなくても大丈夫よ?」
迎えに来た車の中で、俺の膝の上で横抱きにされているのが恥ずかしいのか?俺の腕の中から逃れようとモジモジする菜々を抱き締め耳元で窘めるように囁く。
「ダメだよ、菜々。薬を嗅がされて連れ去られたんだろ?菜々の身体に何か悪い影響を及ぼす薬だったらどうするんだ。いいからお兄様の言う事を聞きなさい。」
「はい。」
観念したのか、その後は素直に俺の膝上で大人しくしている菜々が愛おしくて仕方ない。
もう菜々に二度とあんな怖い思いはさせない。俺が菜々を守る。
菜々の柔らかい身体を抱き締めながら、決意を新たにする俺だった。
~濱田流星side 終~
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