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第三章 学園生活
第1話 新居
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「以上で本物件の売買契約は完了となります。なにかご質問はございませんか?」
「いえ。大丈夫です。」
「では、こちらが鍵になります。」
不動産屋から手渡された2枚のカードキー。その1枚を柊伯父様に渡した。
「では、これからマンションのコンシェルジュにお引き合わせ致しますので、エントランスホールにてお待ち下さい。」
私 百合香は、4月から高等部3年になる。
そこで先ず、父達仲良し家族を捨てる計画実行の為、手始めにマンションを購入した。
私は学業の傍ら執筆活動をしているので、そこそこ収入があるんだけど、まだ未成年という事もあり、柊伯父様名義で関東圏内の某県に2LDKのマンションを購入。
私は広さと間取りに拘ったけど、お爺様や伯父様はセキュリティや利便性に拘った為、なかなか物件が決まらず困った。が、今日は晴れて契約締結となったんだ。
「お待ちしておりました、櫻井様。私コンシェルジュの紺野と申します。よろしくお願い致します。」
コンシェルジュの紺野さんは女性。今は紺野さん1人だけだけど、今日はもう1人浅野さんという男性のコンシェルジュも勤務中だと言った。まだ他にもコンシェルジュの方がいらっしゃるとの事で、毎日2人体制で住人の要望に応えてくれると言っていた。
「櫻井 百合香です。よろしくお願いします。」(※1)
「櫻井様。お部屋にご案内致します。どうぞこちらへ。」
コンシェルジュの紺野さんに促され、エレベーターまで移動した。
「櫻井様のお部屋は高層階になりますので、こちらの専用エレベーターをご利用下さい。こちらのエレベーターは、お手元のカードキーを差し込まないと動くことはございません。カードキーにはICチップが見えない様に組み込まれておりますので、複製する事は出来ません。」
私は紺野さんに言われたとおり、カードキーを差し込み最上階の35のボタンを押した。
エレベーターはスムーズに動き出し、35階に到着。
「こちらが櫻井様のお部屋でございます。カードキーをこちらのプレートに翳した後、指紋認証でロック解除となります。只今から櫻井様の指紋認証を行いますので、こちらに掌を置いて下さい。」
言われたとおりに掌を置くと、ピーと電子音が聞こえ玄関ドアのロックが解除された。
「では、私はコンシェルジュカウンターに戻ります。何か御要望がございましたら、室内リビングにございます、テレビモニター付きのインターフォンでお申し付け下さい。失礼致します。」
「ありがとうございます。これからよろしくお願い致します。」
私が深々と頭を下げると、
「こちらこそよろしくお願い申し上げます。」
と紺野さんは綺麗な笑顔を見せてくれた。
ドアの鍵をかけ柊伯父様とエントランスで合流した彌生伯母様と部屋の奥へ進んで行く。
玄関を入って直ぐ右手のドアはトイレ。
その隣は3畳もあるウォークインクローゼット。
トイレの向かいのドアは脱衣場と広々としたバスルーム。
廊下の突き当たりのドアを開けると、20畳もあるリビングダイニングが広がっている。
南面の自動のカーテンを開けると、そこには日当たりの良いバルコニーがあるんだけど、転落防止の為頑丈なガラスで覆われているので、バルコニーというよりサンルームになっている。
外には遠くランドマークタワーが見え、少しだが海も見える。きっと夜景が綺麗に見えるだろう。
リビングを見渡すと、伯母様が拘ったアイランドキッチンがあり、リビングを挟んだアイルランドキッチンの向かい側に、居室が2部屋ある。
南面側は12畳もあるベッドルーム。
その隣は、6畳の客室。
客室の奥に3畳程のクローゼットがあるんだけど、一人暮らしの私にとっては、奥のクローゼットの壁一面は本棚になると思う。で、客室は書斎かな。
執筆しながら寝ちゃうかもだから、この部屋にもベッドを置くことにしよう。
あれこれ考えながらキョロキョロしている私がいる。これから始まる生活に胸のワクワクが止まらない。
そんな私を柊伯父様と彌生伯母様が、微笑んで見つめてくれていた。
━━━━━━━━━━━━━━━━━
※1 主人公の名前が変わっています(白金百合香→櫻井百合香)が、後に主人公が改名する為です。誤字ではございませんので、予めご了承ください。
<(_ _)>
「いえ。大丈夫です。」
「では、こちらが鍵になります。」
不動産屋から手渡された2枚のカードキー。その1枚を柊伯父様に渡した。
「では、これからマンションのコンシェルジュにお引き合わせ致しますので、エントランスホールにてお待ち下さい。」
私 百合香は、4月から高等部3年になる。
そこで先ず、父達仲良し家族を捨てる計画実行の為、手始めにマンションを購入した。
私は学業の傍ら執筆活動をしているので、そこそこ収入があるんだけど、まだ未成年という事もあり、柊伯父様名義で関東圏内の某県に2LDKのマンションを購入。
私は広さと間取りに拘ったけど、お爺様や伯父様はセキュリティや利便性に拘った為、なかなか物件が決まらず困った。が、今日は晴れて契約締結となったんだ。
「お待ちしておりました、櫻井様。私コンシェルジュの紺野と申します。よろしくお願い致します。」
コンシェルジュの紺野さんは女性。今は紺野さん1人だけだけど、今日はもう1人浅野さんという男性のコンシェルジュも勤務中だと言った。まだ他にもコンシェルジュの方がいらっしゃるとの事で、毎日2人体制で住人の要望に応えてくれると言っていた。
「櫻井 百合香です。よろしくお願いします。」(※1)
「櫻井様。お部屋にご案内致します。どうぞこちらへ。」
コンシェルジュの紺野さんに促され、エレベーターまで移動した。
「櫻井様のお部屋は高層階になりますので、こちらの専用エレベーターをご利用下さい。こちらのエレベーターは、お手元のカードキーを差し込まないと動くことはございません。カードキーにはICチップが見えない様に組み込まれておりますので、複製する事は出来ません。」
私は紺野さんに言われたとおり、カードキーを差し込み最上階の35のボタンを押した。
エレベーターはスムーズに動き出し、35階に到着。
「こちらが櫻井様のお部屋でございます。カードキーをこちらのプレートに翳した後、指紋認証でロック解除となります。只今から櫻井様の指紋認証を行いますので、こちらに掌を置いて下さい。」
言われたとおりに掌を置くと、ピーと電子音が聞こえ玄関ドアのロックが解除された。
「では、私はコンシェルジュカウンターに戻ります。何か御要望がございましたら、室内リビングにございます、テレビモニター付きのインターフォンでお申し付け下さい。失礼致します。」
「ありがとうございます。これからよろしくお願い致します。」
私が深々と頭を下げると、
「こちらこそよろしくお願い申し上げます。」
と紺野さんは綺麗な笑顔を見せてくれた。
ドアの鍵をかけ柊伯父様とエントランスで合流した彌生伯母様と部屋の奥へ進んで行く。
玄関を入って直ぐ右手のドアはトイレ。
その隣は3畳もあるウォークインクローゼット。
トイレの向かいのドアは脱衣場と広々としたバスルーム。
廊下の突き当たりのドアを開けると、20畳もあるリビングダイニングが広がっている。
南面の自動のカーテンを開けると、そこには日当たりの良いバルコニーがあるんだけど、転落防止の為頑丈なガラスで覆われているので、バルコニーというよりサンルームになっている。
外には遠くランドマークタワーが見え、少しだが海も見える。きっと夜景が綺麗に見えるだろう。
リビングを見渡すと、伯母様が拘ったアイランドキッチンがあり、リビングを挟んだアイルランドキッチンの向かい側に、居室が2部屋ある。
南面側は12畳もあるベッドルーム。
その隣は、6畳の客室。
客室の奥に3畳程のクローゼットがあるんだけど、一人暮らしの私にとっては、奥のクローゼットの壁一面は本棚になると思う。で、客室は書斎かな。
執筆しながら寝ちゃうかもだから、この部屋にもベッドを置くことにしよう。
あれこれ考えながらキョロキョロしている私がいる。これから始まる生活に胸のワクワクが止まらない。
そんな私を柊伯父様と彌生伯母様が、微笑んで見つめてくれていた。
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※1 主人公の名前が変わっています(白金百合香→櫻井百合香)が、後に主人公が改名する為です。誤字ではございませんので、予めご了承ください。
<(_ _)>
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