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機械世界
第七話
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「さて、どうするか・・・」
頭の中で自分と舞う一人分の声が響く。
慣れない感覚、というか初めての感覚だ。
「そもそも、この世界にヒントなんてあるのか?」
俺はもう一人の自分に聞いてみる。
「見当はついていないが、この世界と俺の世界を繋ぐための条件が何かしらあると踏んでる」
「あったとしてもそれを見つけるヒントすらないけどな」
「随分と絶望的な状況なのに楽観的だな」
「まあな、今までの足踏みを続けてた状況に比べたら相当好転しているだろ」
「それもそうか」
「で、この後どうする?」
そう言いかけてる途中に、もう一人の自分が割って入ってきた。
「そういえば、大学は?」
「大丈夫、今日は休みだ」
「それならよかったが」
「心配してくれてありがとうな」
自分に感謝するのもなんとも複雑な感じがした。
その後も二人でお互いの世界のことなどを話しながら次の行動の予定を立てようとしたが、やはり方向すら決まってないゼロからヒントを探すのは無理がある。
そう思った俺たちは一度家に帰ることにした。
しかし、これは現実逃避ではない。
いつも俺たちが切り替わっているのは、自宅のベッドでの出来事なので、まずは家をくまなく調べたいと気持ちはあったからだ。
「まずは自分の部屋からだな」
そういって俺は部屋にあるものを、大掃除並みに部屋のものを出して確認、そしてしまうという単調な作業を始めた。
一時間後
部屋には特にヒントや世界同士の繋がりに関するものを見つけることはできなかった。
「これだけで、もう八方塞がりとはな」
「まぁ、正直今起こっていること全てが予想外すぎて予見がつかないのはある意味仕方のないことではあるがな」
俺たちは二人とも頭を悩ませた。
「とりあえず、お前の世界にもう一度行ってみるか。この状態で行ったらどうなるのかも少し気になるしな」
「それはいい案だ。もしかしたら俺の世界にヒントがあるかもしれないしな」
「そうと決まれば寝たいところだが、さっきまで寝ていたから正直眠気なんてない」
「どうしようか・・・」
とりあえず考えたままでは埒が開かないため、俺はカーテンを閉めてベッドで静かに目を瞑ることにした。
最初は目を開けたいという気持ちがとても強かったが、だんだん眠気が襲ってきて気づいた時には寝付くことができたようだった。
ザワザワ・・・
もう一人の俺の世界はやけに騒がしく、俺たちはその音で意識を取り戻した。
「何が起こってるんだ?」
「なにか、嫌な予感がする」
もう一人の俺が言う。
この世界に住む男が、今起こっている変化に対してそのような思いを抱くと言うことはきっと何か大変なことが起こっている可能性がある。
俺は少し身構えるような気持ちで部屋を出た。
部屋を出てすぐのところで俺は仲村を見つけることができたので、俺は何が起こったのか話を聞いてみることにした。
「おい、仲村一体どうした?」
「お、お前、もしかして、富士川なのか?」
「え、急にどうしたんだ?」
「やっぱりそうだよな、よかった」
「お前と再会できて本当によかった」
「仲村、お前、何言って・・・」
正直困惑しかなかった、まるで何年も会っていなかった親友に会うような態度で仲村は話しかけてきたのだ。
俺が返答に困っていると、この基地の仲間の一人が状況を説明してくれた。
そいつが言うには、仲村が機械共との交戦状態になってからの記憶を無くし、誰と会っても今はあんな感じだと言うことだそうだ。
俺はその話を聞いた瞬間に何が起こったかをすぐに理解した。
昏睡状態だった仲村は目覚めた、もしくは違う世界に何かの原因で飛ばされた、
どちらかはわからないが、今のところ推測されるのはそれくらいだろう。
「大変なことになったな」
「そうだな、これで俺たちの話を理解できる唯一の人間がいなくなってしまった」
「それに・・・」
もう一人の俺は、それ以外のことで何か危惧していることがあるようだった。
「それに、どうしたんだ」
「あの仲村は、機械共との交戦が始まってからはここで指揮をとっていった男だ。そいつの記憶がなくなるのは正直いって最悪だ」
「なるほどな」
「どうする?」
「しばらくお前にはこの世界で歯を食いしばってもらうぞ」
「二人の体を統一した今なら、寝ようとしない限り一方の世界に居座り続けれるだろうからな」
「そうだな、俺も覚悟はできてる」
「必ず機械との交戦を終わらせて、俺はあの仲村との平和な日常を取り戻す」
「必ず・・・な」
頭の中で自分と舞う一人分の声が響く。
慣れない感覚、というか初めての感覚だ。
「そもそも、この世界にヒントなんてあるのか?」
俺はもう一人の自分に聞いてみる。
「見当はついていないが、この世界と俺の世界を繋ぐための条件が何かしらあると踏んでる」
「あったとしてもそれを見つけるヒントすらないけどな」
「随分と絶望的な状況なのに楽観的だな」
「まあな、今までの足踏みを続けてた状況に比べたら相当好転しているだろ」
「それもそうか」
「で、この後どうする?」
そう言いかけてる途中に、もう一人の自分が割って入ってきた。
「そういえば、大学は?」
「大丈夫、今日は休みだ」
「それならよかったが」
「心配してくれてありがとうな」
自分に感謝するのもなんとも複雑な感じがした。
その後も二人でお互いの世界のことなどを話しながら次の行動の予定を立てようとしたが、やはり方向すら決まってないゼロからヒントを探すのは無理がある。
そう思った俺たちは一度家に帰ることにした。
しかし、これは現実逃避ではない。
いつも俺たちが切り替わっているのは、自宅のベッドでの出来事なので、まずは家をくまなく調べたいと気持ちはあったからだ。
「まずは自分の部屋からだな」
そういって俺は部屋にあるものを、大掃除並みに部屋のものを出して確認、そしてしまうという単調な作業を始めた。
一時間後
部屋には特にヒントや世界同士の繋がりに関するものを見つけることはできなかった。
「これだけで、もう八方塞がりとはな」
「まぁ、正直今起こっていること全てが予想外すぎて予見がつかないのはある意味仕方のないことではあるがな」
俺たちは二人とも頭を悩ませた。
「とりあえず、お前の世界にもう一度行ってみるか。この状態で行ったらどうなるのかも少し気になるしな」
「それはいい案だ。もしかしたら俺の世界にヒントがあるかもしれないしな」
「そうと決まれば寝たいところだが、さっきまで寝ていたから正直眠気なんてない」
「どうしようか・・・」
とりあえず考えたままでは埒が開かないため、俺はカーテンを閉めてベッドで静かに目を瞑ることにした。
最初は目を開けたいという気持ちがとても強かったが、だんだん眠気が襲ってきて気づいた時には寝付くことができたようだった。
ザワザワ・・・
もう一人の俺の世界はやけに騒がしく、俺たちはその音で意識を取り戻した。
「何が起こってるんだ?」
「なにか、嫌な予感がする」
もう一人の俺が言う。
この世界に住む男が、今起こっている変化に対してそのような思いを抱くと言うことはきっと何か大変なことが起こっている可能性がある。
俺は少し身構えるような気持ちで部屋を出た。
部屋を出てすぐのところで俺は仲村を見つけることができたので、俺は何が起こったのか話を聞いてみることにした。
「おい、仲村一体どうした?」
「お、お前、もしかして、富士川なのか?」
「え、急にどうしたんだ?」
「やっぱりそうだよな、よかった」
「お前と再会できて本当によかった」
「仲村、お前、何言って・・・」
正直困惑しかなかった、まるで何年も会っていなかった親友に会うような態度で仲村は話しかけてきたのだ。
俺が返答に困っていると、この基地の仲間の一人が状況を説明してくれた。
そいつが言うには、仲村が機械共との交戦状態になってからの記憶を無くし、誰と会っても今はあんな感じだと言うことだそうだ。
俺はその話を聞いた瞬間に何が起こったかをすぐに理解した。
昏睡状態だった仲村は目覚めた、もしくは違う世界に何かの原因で飛ばされた、
どちらかはわからないが、今のところ推測されるのはそれくらいだろう。
「大変なことになったな」
「そうだな、これで俺たちの話を理解できる唯一の人間がいなくなってしまった」
「それに・・・」
もう一人の俺は、それ以外のことで何か危惧していることがあるようだった。
「それに、どうしたんだ」
「あの仲村は、機械共との交戦が始まってからはここで指揮をとっていった男だ。そいつの記憶がなくなるのは正直いって最悪だ」
「なるほどな」
「どうする?」
「しばらくお前にはこの世界で歯を食いしばってもらうぞ」
「二人の体を統一した今なら、寝ようとしない限り一方の世界に居座り続けれるだろうからな」
「そうだな、俺も覚悟はできてる」
「必ず機械との交戦を終わらせて、俺はあの仲村との平和な日常を取り戻す」
「必ず・・・な」
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