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階段には気を付けましょう

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 にっ・・・逃げてきてしまった!!というかあんなにテンパってたら逆に変に思われるだろ!何やってんだ俺!!

 グルグルと色々なことを考えながら階段を駆け下りていると、何かにぶつかった。

「え?うわっ!」
「ボァっ!!」 

 そのまま倒れ込んでしまい、驚いて反射的に目を瞑った。

「・・・真紘兄さん?大丈夫?」

 すぐ近く・・・というか下の方から声がしてそっと目を開けると目の前に美形(弟)が映る。

 ・・・ん?・・・下?

 慌ててガバッと起きると渚が床に倒れていて、その上に俺が倒れるという状態になっていた。

 ───つまり、さっきぶつかって倒れた時に渚も巻き込んでしまったという事だ。
おっ俺はなんて事を!!!

「ごごごごごめん!だっ大丈夫?!ちょっとぼーっとしてて、けっ怪我は?!怪我はない?!あー俺はなんてk」

「だっ大丈夫だから、落ち着いて?とりあえず・・・どいてもらっていいかな?」

 テンパりすぎて乗っかったまま話をしてしまった。申し訳ない。 

「ごっごめん・・・。」

 渚に言われて冷静さを取り戻した俺はとりあえず降りる。本当に申し訳ない。

「大丈夫、気にしないで?僕は怪我してないし・・・兄さんこそ大丈夫?」

 落ち込む俺に優しく聞いてくる。

「うん、大丈夫。ごめんね、ぼーっとしてて・・・。」

「怪我がなくて良かった。僕がこう、バシッと支えてあげられれば良かったんだけどねー、そんなカッコよくは出来なかったな。」

 優しく、笑ってフォローしてくれる。・・・イケメンかよ!相手を気遣うだけでなく、明るくフォローもしてくれるなんて・・・。これがイケメンか。本物は違うな。この高スペック義兄弟め!!
 ・・・・・・俺も参考にしよ。

 というか冷静になって考えてみるとさっきのは、あんまり気にすることでもなかったな。ちょっと声が出てしまったからって考えすぎか。義兄弟なんだし、別に良いだろ。うん。なんかそう思ってきた!

「真紘兄さん?リビング、一緒に行こう?」

 そう言われ、渚に手を差し出される。

 手?繋ぐの?義兄弟って手を繋ぐものなのか?

 少し迷っていると渚が少し悲しそうな顔になり、「僕と手を繋ぐの・・・嫌?」と言ってきた。

 繋ぎます!喜んで!!

 意を決して差し出された手をぎゅっと握る。

「ふふっ、じゃっ行こっか?」

 何故だか上手く流されたような気がしなくもないが、渚のその小悪魔的な笑顔に頷く他なかった。












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