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東雲
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翌日の夜である。
同じ屋敷の同じ部屋。尊はごくりと唾を飲み込んだ。興奮しているからではない。緊張から喉の渇きが治らない。
今朝のことだった。ヨレヨレになりながら陰陽寮に着くと、ニヤリと迎える賀茂親彬の上司、陰陽頭、安倍雅季。
「お、おはよう…ございますぅ…」
昨夜、二人でナニをしていたかは周知の事実。真っ赤になりながら辛うじて朝の挨拶をした。
「おはよう。おや…尊は…」
「何でしょうか?」
「あっ、いや、失礼。で?二人とも晴れて、処女喪失できましたかな?」
「…っ…、えっと、僕は…、でも、親彬くんは…えっと、まだで…」
隣では親彬が、顔を赤くしたり青くしたり、まるで式神の小鬼のように顔色を変える。
(一晩でどっちもなんて!そんなことができるのか?!)
「そう云う安倍さまはどなたかに抱かれたのですか?」
「うぉっほん。わたしの事は良いのですよ」
「でも、でも!〈氷の君〉に襲われちゃいますよ?」
「わたしは若くないですからね」
力無く笑う姿は、先程まで二人を揶揄っていた楽しげな表情が隠れ、どこか寂しそうであった。しかし、そんな表情を一瞬で消して、またまたセクハラ発言をかます。
「じゃあ、親彬は今日、わたしが抱いてあげましょうか?」
「ぼ、僕が!…やっ、あの、親が良ければ…だけど…」
(云っちゃったよ。だって、だって!僕の初めては親にあげた。親の初めては僕が欲しい!)
恐る恐る親彬を見ると、苦笑いで頷いてくれた。
「よろしくお願いします?」
「は、はい!喜んで!っ…」
「ははっ。尊、顔真っ赤だよ」
昨日よりも緊張した一日を過ごし、親彬と連れ立って屋敷に帰ると更に緊張する。
実は雅季からレクチャーを受けていた。一度とは云え、抱かれたことがあっても、女も抱いたことがない童貞尊のための講義だ。
心配する親彬と離れ、雅季と二人きりで対峙する。しかし、雅季の後ろには美貌の青年式神が、尊の後ろには福ちゃんが控えている。先程の親彬さながらに顔色を赤くしたり青くしたりしながら話を聞いた。
…昨晩の尊と親彬を思い浮かべながら…。
同じ屋敷の同じ部屋。尊はごくりと唾を飲み込んだ。興奮しているからではない。緊張から喉の渇きが治らない。
今朝のことだった。ヨレヨレになりながら陰陽寮に着くと、ニヤリと迎える賀茂親彬の上司、陰陽頭、安倍雅季。
「お、おはよう…ございますぅ…」
昨夜、二人でナニをしていたかは周知の事実。真っ赤になりながら辛うじて朝の挨拶をした。
「おはよう。おや…尊は…」
「何でしょうか?」
「あっ、いや、失礼。で?二人とも晴れて、処女喪失できましたかな?」
「…っ…、えっと、僕は…、でも、親彬くんは…えっと、まだで…」
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「うぉっほん。わたしの事は良いのですよ」
「でも、でも!〈氷の君〉に襲われちゃいますよ?」
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「じゃあ、親彬は今日、わたしが抱いてあげましょうか?」
「ぼ、僕が!…やっ、あの、親が良ければ…だけど…」
(云っちゃったよ。だって、だって!僕の初めては親にあげた。親の初めては僕が欲しい!)
恐る恐る親彬を見ると、苦笑いで頷いてくれた。
「よろしくお願いします?」
「は、はい!喜んで!っ…」
「ははっ。尊、顔真っ赤だよ」
昨日よりも緊張した一日を過ごし、親彬と連れ立って屋敷に帰ると更に緊張する。
実は雅季からレクチャーを受けていた。一度とは云え、抱かれたことがあっても、女も抱いたことがない童貞尊のための講義だ。
心配する親彬と離れ、雅季と二人きりで対峙する。しかし、雅季の後ろには美貌の青年式神が、尊の後ろには福ちゃんが控えている。先程の親彬さながらに顔色を赤くしたり青くしたりしながら話を聞いた。
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