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武器を買いに行く
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そして、楽しみにしていた武器屋!!
やっぱり、異世界転生? したら、武器とか気になるじゃん?
しかも推しが使う武器だよ?
貢ぎたいじゃない?
……と思っていたんだけど、剣は良さそうなものがあまりない。
それにシルバリウス自身が、慣れたから今の剣のままで良いと言う。
少しテンション下がったものの、色々な武器があって見ているだけで楽しいのは変わらない。
自分の顔より大きいバトルアックスとか実物を初めてみたよ。
結局この店では、俺用に何かあったときの為の短剣をシルバリウスに購入させられ、シルバリウス自身は投げナイフを何本か揃えていた。
……シルバリウスが涼しい顔で投げるナイフ
絶対格好良い!!!
用事も終わったしと帰ろうとした所、上着のフードを被らされ、シルバリウスに連れて行かれたのはとても大きい魔道具屋。
なんか見た事あるかも? と思った所で、この首都一の品揃えと品質を備えている魔道具屋らしい。
「スチュアートから、”補助媒体”を購入すると良いと言われた。俺には何のことだか分からないが、リューイに言えば分かると言われた」
朧げに幼少期の事を思い出した。
前にもここへ購入しに来たことがあったのだ。
魔法の発動には、必要な魔力を用意し意図通りに操作する必要がある。
用意する魔力が多い分には魔法は発動するが、少ないと発動しない。
大体訓練でどの魔法にどの位の魔力を用意するというのは分かるようになるが、必要魔力を感知したら魔力の供給を止め、少しでも魔力の消費を抑える為に効率化出来るのが補助媒体だ。
俺の場合、大体の必要魔力は分かるし、ちょっと多めに使った所で大して変わらない魔力量がある為、必要ないと思っていたが、スチュアートが購入するように言うなら購入しとくべきだろう。
“補助媒体”を使用するのは貴族にとっては、恥ずかしい事と言われている。
“魔力を温存しないといけないほど魔力量が少ない”という事をアピールするからと。
まぁ、騎士団だったり兵だったり実戦を行う部隊はそんな事言っていられない為、魔法をメインで使用する部隊は自分の武器を補助媒体にしたり、魔力補助媒体を普通に使用しているが。
そんな貴族である俺が幼少期にここへ来たのは、”魔力補助アクセサリー”を購入する為だ。
魔力が多かったり、レア属性の場合魔力操作が難しいと言われる。
その魔力操作を補助するのが”魔力補助アクセサリー”なのだ。
当然魔力補助媒体とは逆に貴族はこちらを持っている方が当たり前だ。
当時も魔力操作に不自由な覚えはなかった為、いらなかったが必ず一つは購入するように言われ、一番シンプルな腕輪を購入したような記憶がある。
店内に入り陳列されている魔力補助媒体を見ると色々な武器があった。
魔力を纏う事ができる剣や短剣、矢の先に属性魔法を付ける事ができる弓や、矢自体が魔法になる弓やいかにも魔法使いというような杖など色々ある。
端から見て行った最後、前世のアニメでみたような同じ形の白と黒の銃っぽいものが二丁あった。
え? 銃?
剣とか弓とかの中に銃?
……まぁ、ちょいちょい転生者居るんじゃない? って言う魔道具があるからあってもおかしくないのだろうけど。
しかも、値段がそんなに高く無い、一丁金貨15枚とか、他の媒体が金貨60枚を超える中この値段だ。
半額以下とは安過ぎるだろう。
うんうん唸りながら見ていたら、人が近付いてきて
「こちらお気に召しましたかな? 模様が素晴らしいでしょう。ぜひ鑑賞用にいかがですか?」
と、店員に声をかけられた。
「これは補助媒体では無いんですか?」
「いいえ、補助媒体である事は分かっているのですが、いつの時代の物なのか、言語が分からなくて設定が出来ないのですよ」
「ちょっと見せて貰って良いですか?」
「はい」
ガラスケースの中から、黒い方を店員が渡してくれる。
……うん。色もそうだし、形も銃っぽい。
そして確かにツタのような模様が入っていてとても綺麗だ。
「これ魔力流してみても良いですか?」
「はい。設定項目が表示されるようなのですが、設定は何も弄らないでくださいね」
魔力を流すと、銃の手元に青い半透明のパネルのようなものが現れた。
……めっちゃ日本語じゃん!
思わず笑いそうになるのを必死で堪えた。
懐かしい。
ただなぁ……
今迄のゲームではいつも双剣や片手剣など、今のシルバリウスのようなスピードタイプが好きでよく使っていた。
銃とかはちょっと現実味があってあまり好んで使わなかったし、祭りでやった射的も凄まじく下手だった。
いくら久しぶりに見た日本語が懐かしいからと言って使わない物を買っても意味がない。
買うのは辞めとこうかなと思って店員に返そうとしたら、あわてて言葉を紡がれる。
「見た通り、繊細な装飾が施されているでしょう? それに、お客様の魔力が通った時、その装飾が綺麗に光ってとても綺麗でしたよ。ね、お連れ様もそう思ったでしょう?」
と店員は必死だ。
シルバリウスに確認すると
「ああ、綺麗に青く光っていた」
と、言われた。
でも、確かに今の俺は体力も筋力も無く、ゲームで好きだったキャラのように戦えるわけではないので、自分は動かず後衛が出来る武器じゃないといけなかった。
それにこの店員からの必死さを見る限り、長いこと売れなかったんだろうなとも思う。
使いこなせるかは分からないが、今使えるのは俺だけなのだろう。
これも何かの縁だ。
「……購入します」
「ありがとうございます! 残念ですが設定はこちらで出来ませんが、外側のメンテナンス等は行っておりますので、ぜひお立ち寄りください」
「はい。分かりました」
「そして、今なら色違い一緒に購入いただけたら2つで金貨25枚にしますよ! いかがですか?」
期待に満ちた目で見られ、俺が断れる筈もなく
「じ、じゃあ、それもお願いします」
と、二丁買う事になった。
決して、ほだされたわけではなく、「光」属性と「氷」属性があるからなと無理矢理納得させる。
……因みに杖タイプの補助媒体は魔法に特化している為、複数タイプを1本で設定出来るのだが当然目を瞑った。
やっぱり、異世界転生? したら、武器とか気になるじゃん?
しかも推しが使う武器だよ?
貢ぎたいじゃない?
……と思っていたんだけど、剣は良さそうなものがあまりない。
それにシルバリウス自身が、慣れたから今の剣のままで良いと言う。
少しテンション下がったものの、色々な武器があって見ているだけで楽しいのは変わらない。
自分の顔より大きいバトルアックスとか実物を初めてみたよ。
結局この店では、俺用に何かあったときの為の短剣をシルバリウスに購入させられ、シルバリウス自身は投げナイフを何本か揃えていた。
……シルバリウスが涼しい顔で投げるナイフ
絶対格好良い!!!
用事も終わったしと帰ろうとした所、上着のフードを被らされ、シルバリウスに連れて行かれたのはとても大きい魔道具屋。
なんか見た事あるかも? と思った所で、この首都一の品揃えと品質を備えている魔道具屋らしい。
「スチュアートから、”補助媒体”を購入すると良いと言われた。俺には何のことだか分からないが、リューイに言えば分かると言われた」
朧げに幼少期の事を思い出した。
前にもここへ購入しに来たことがあったのだ。
魔法の発動には、必要な魔力を用意し意図通りに操作する必要がある。
用意する魔力が多い分には魔法は発動するが、少ないと発動しない。
大体訓練でどの魔法にどの位の魔力を用意するというのは分かるようになるが、必要魔力を感知したら魔力の供給を止め、少しでも魔力の消費を抑える為に効率化出来るのが補助媒体だ。
俺の場合、大体の必要魔力は分かるし、ちょっと多めに使った所で大して変わらない魔力量がある為、必要ないと思っていたが、スチュアートが購入するように言うなら購入しとくべきだろう。
“補助媒体”を使用するのは貴族にとっては、恥ずかしい事と言われている。
“魔力を温存しないといけないほど魔力量が少ない”という事をアピールするからと。
まぁ、騎士団だったり兵だったり実戦を行う部隊はそんな事言っていられない為、魔法をメインで使用する部隊は自分の武器を補助媒体にしたり、魔力補助媒体を普通に使用しているが。
そんな貴族である俺が幼少期にここへ来たのは、”魔力補助アクセサリー”を購入する為だ。
魔力が多かったり、レア属性の場合魔力操作が難しいと言われる。
その魔力操作を補助するのが”魔力補助アクセサリー”なのだ。
当然魔力補助媒体とは逆に貴族はこちらを持っている方が当たり前だ。
当時も魔力操作に不自由な覚えはなかった為、いらなかったが必ず一つは購入するように言われ、一番シンプルな腕輪を購入したような記憶がある。
店内に入り陳列されている魔力補助媒体を見ると色々な武器があった。
魔力を纏う事ができる剣や短剣、矢の先に属性魔法を付ける事ができる弓や、矢自体が魔法になる弓やいかにも魔法使いというような杖など色々ある。
端から見て行った最後、前世のアニメでみたような同じ形の白と黒の銃っぽいものが二丁あった。
え? 銃?
剣とか弓とかの中に銃?
……まぁ、ちょいちょい転生者居るんじゃない? って言う魔道具があるからあってもおかしくないのだろうけど。
しかも、値段がそんなに高く無い、一丁金貨15枚とか、他の媒体が金貨60枚を超える中この値段だ。
半額以下とは安過ぎるだろう。
うんうん唸りながら見ていたら、人が近付いてきて
「こちらお気に召しましたかな? 模様が素晴らしいでしょう。ぜひ鑑賞用にいかがですか?」
と、店員に声をかけられた。
「これは補助媒体では無いんですか?」
「いいえ、補助媒体である事は分かっているのですが、いつの時代の物なのか、言語が分からなくて設定が出来ないのですよ」
「ちょっと見せて貰って良いですか?」
「はい」
ガラスケースの中から、黒い方を店員が渡してくれる。
……うん。色もそうだし、形も銃っぽい。
そして確かにツタのような模様が入っていてとても綺麗だ。
「これ魔力流してみても良いですか?」
「はい。設定項目が表示されるようなのですが、設定は何も弄らないでくださいね」
魔力を流すと、銃の手元に青い半透明のパネルのようなものが現れた。
……めっちゃ日本語じゃん!
思わず笑いそうになるのを必死で堪えた。
懐かしい。
ただなぁ……
今迄のゲームではいつも双剣や片手剣など、今のシルバリウスのようなスピードタイプが好きでよく使っていた。
銃とかはちょっと現実味があってあまり好んで使わなかったし、祭りでやった射的も凄まじく下手だった。
いくら久しぶりに見た日本語が懐かしいからと言って使わない物を買っても意味がない。
買うのは辞めとこうかなと思って店員に返そうとしたら、あわてて言葉を紡がれる。
「見た通り、繊細な装飾が施されているでしょう? それに、お客様の魔力が通った時、その装飾が綺麗に光ってとても綺麗でしたよ。ね、お連れ様もそう思ったでしょう?」
と店員は必死だ。
シルバリウスに確認すると
「ああ、綺麗に青く光っていた」
と、言われた。
でも、確かに今の俺は体力も筋力も無く、ゲームで好きだったキャラのように戦えるわけではないので、自分は動かず後衛が出来る武器じゃないといけなかった。
それにこの店員からの必死さを見る限り、長いこと売れなかったんだろうなとも思う。
使いこなせるかは分からないが、今使えるのは俺だけなのだろう。
これも何かの縁だ。
「……購入します」
「ありがとうございます! 残念ですが設定はこちらで出来ませんが、外側のメンテナンス等は行っておりますので、ぜひお立ち寄りください」
「はい。分かりました」
「そして、今なら色違い一緒に購入いただけたら2つで金貨25枚にしますよ! いかがですか?」
期待に満ちた目で見られ、俺が断れる筈もなく
「じ、じゃあ、それもお願いします」
と、二丁買う事になった。
決して、ほだされたわけではなく、「光」属性と「氷」属性があるからなと無理矢理納得させる。
……因みに杖タイプの補助媒体は魔法に特化している為、複数タイプを1本で設定出来るのだが当然目を瞑った。
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