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【サミュエル】(学院発展ルート)
10 旅のしおり~蒸気船乗り場にて~
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10 旅のしおり~蒸気船乗り場にて~
公爵邸にお世話になった次の朝。
私たちはセドリック様にお礼を言って、蒸気船乗り場に向かった。
「わぁ~広い!!」
ここが湖だとは知っているが、まるで海のように大きく、船付き場も大きな蒸気船や貨物船など多くの船が止まっていた。
「凄いわ!!これが蒸気船?!大きい!!」
私がつい、船を見てはしゃいでいるとサミュエル先生が優しい顔で笑った。
「ふふふ。そうですね。凄いですね」
「あの・・はしゃいでしまって申し訳ありません」
私があやまるとサミュエル先生が私の頭に手を置いて優しく撫でてくれた。
「ベルナデット様が可愛くて抱きしめたくなります」
「え?」
私が驚いて顔を上げると愛し気に目を細めるサミュエル先生と目が合って、真っ赤になってしまった。
(ああ~抱きしめて下さい!!って言ってもいいのかしら?)
言おうかどうしようか悩んでいる間にサミュエル先生の手が離れた。
「ベルナデット様。蒸気船の切符を引き換えに行ってきます。
ここでお待ち頂けますか?」
「はい」
サミュエル先生はにっこりと笑うと人込みに入っていった。
私が言われた通り、待っていると聞き覚えのある声が聞こえた。
「もしかして、ベルナデット様?!」
声のする方を見ると、コンラッド君が立っていた。
「あら?コンラッド君?!」
意外な人物と出会って、私は驚いてしまった。
「まさか、お1人ですか?」
「1人じゃないわ。今、切符を引きかえに行かれてるからここで待っているのよ。
でも本当に偶然ね~、驚いたわ!」
するとコンラッド君が大げさに溜息をついて眉間に皺を寄せた。
「はぁ~。ベルナデット様!!
呑気に『偶然ね~』なんて言ってる場合じゃないでしょ?
どこまでおめでたい頭なのです?
それに、あなたがお1人で待つなんて何を考えているのですか?
こういう場合は待つのではなく、ついていくというのが正しい自衛方法ですよ?!」
コンラッド君は呆れた様子で私の手を取った。
「こんな人込みではぐれたら大変ですので、手を離さないで下さい」
不愛想な言い方だが、コンラッド君なりに心配していることがわかって私は嬉しくなった。
(私のこと嫌いなはずなのに・・・優しいな)
私は小さく笑うと、コンラッド君の手を握り返した。
「ありがとう」
「いえ。面倒事を避けるために仕方なくですので!!
誤解しないで下さい」
「ふふふ。わかってるよ。
ところで、コンラッド君はここで何をしているの?」
私はコンラッド君の顔を覗き込みながら尋ねた。
「ああ。実は、隣国の女王陛下の生誕祭に招待されておりまして、この蒸気船に乗って隣国に行く予定です。ところでベルナデット様はなぜこちらへ?
誰かの見送りですか?」
私は驚いて目を大きく開けた。
「私も隣国の女王陛下の生誕祭に招待されているの!!」
「え?では、ベルナデット様はこれから隣国に行かれるのですか?」
「ええ。そうよ」
するとコンラッド君が怖い顔をして近づいてきた。
「ではなぜお1人なのです?
護衛は?お供の者はいないのですか?!
不用心すぎませんか?」
私はまるで言い訳をするように慌てて口を開いた。
「だからね、今、ちょっと蒸気船の切符を交換に行って下さっているの」
「では、どなたと・・」
「ベルナデット様!!大丈夫ですか?」
コンラッド君の言葉を遮るようにサミュエル先生がスッと私とコンラッド君の間に入った。
「学長?!」
「コンラッド君?!」
コンラッド君が驚いて私の方を見た。
「まさか・・学長とお2人で?」
「え、ええ。そうなの」
するとコンラッド君が深い溜息をついて、サミュエル先生を鋭い目つきで睨んだ。
「失礼ですが、お2人はご婚約をされているのですか?」
「え?婚約?!」
「婚約なんて!!そんな・・」
コンラッド君の言葉に私とサミュエル先生が慌てた。
私たちを見てコンラッド君が「ふ~ん」というと大げさに肩を上げて両手を上に向けた。
「婚約もしていない男女がお2人でご旅行など、例えどんな理由があろうとも世間は許しません。
それとも学長はベルナデット様に悪い噂が立って社交界での立場を悪くされてもいいとおしゃるのですか?
それでなくともベルナデット様は殿下との婚約を解消されたばかりです。
ベルナデット様の不貞が理由だと勘ぐられないとも限りません。
それでも良いのですか?」
「それは・・・」
(国王陛下と王妃様に2人でと言われたから2人で来たけれど・・・サミュエル先生を不名誉な噂に巻き込むのは申し訳ないわ)
実は今回の私の護衛は剣の実力者でもあるサミュエル先生がお父様から依頼されていたのだった。
それに私たちは基本的に1人行動だ。普段から執事や侍女などは同行しない。
だから今回もサミュエル先生が護衛を兼任すれば問題ないと思っていたのだ。
現にお父様は2人で行くことを許可している。
私が俯いて考えていると、コンラッド君がふと優しげに微笑んだ。
「仕方ありません。私がお2人に同行致します」
「え?」
「いや、そこまで迷惑はかけられない。それにこんな急に蒸気船の切符など準備できないだろう?」
サミュエル先生が首を振りながら断った。
「学長。私は今回、隣国の女王陛下の生誕祭に呼ばれています。
ですから、お2人と同じ船に乗るのです。
お2人と行動を共にするなど容易いことです」
「コンラッド君も招待されているのですか?」
「はい」
サミュエル先生が「ん~~」と悩んだ。
「何を考えることがあるのですか?
現に今こうしてあなたがいない間、私がベルナデット様をお守り致しました。
まさか、学長たるお方が邪な考えで彼女を危険にされすような決断はなさいませんよね・・」
コンラッド君がそれはもう美しく微笑んでみせた。
「・・・ではお願いします」
サミュエル先生が小声で呟くように声を搾りだした。
「ええ。もちろんです♪」
こうして、コンラッド君も同行することになったのだった。
公爵邸にお世話になった次の朝。
私たちはセドリック様にお礼を言って、蒸気船乗り場に向かった。
「わぁ~広い!!」
ここが湖だとは知っているが、まるで海のように大きく、船付き場も大きな蒸気船や貨物船など多くの船が止まっていた。
「凄いわ!!これが蒸気船?!大きい!!」
私がつい、船を見てはしゃいでいるとサミュエル先生が優しい顔で笑った。
「ふふふ。そうですね。凄いですね」
「あの・・はしゃいでしまって申し訳ありません」
私があやまるとサミュエル先生が私の頭に手を置いて優しく撫でてくれた。
「ベルナデット様が可愛くて抱きしめたくなります」
「え?」
私が驚いて顔を上げると愛し気に目を細めるサミュエル先生と目が合って、真っ赤になってしまった。
(ああ~抱きしめて下さい!!って言ってもいいのかしら?)
言おうかどうしようか悩んでいる間にサミュエル先生の手が離れた。
「ベルナデット様。蒸気船の切符を引き換えに行ってきます。
ここでお待ち頂けますか?」
「はい」
サミュエル先生はにっこりと笑うと人込みに入っていった。
私が言われた通り、待っていると聞き覚えのある声が聞こえた。
「もしかして、ベルナデット様?!」
声のする方を見ると、コンラッド君が立っていた。
「あら?コンラッド君?!」
意外な人物と出会って、私は驚いてしまった。
「まさか、お1人ですか?」
「1人じゃないわ。今、切符を引きかえに行かれてるからここで待っているのよ。
でも本当に偶然ね~、驚いたわ!」
するとコンラッド君が大げさに溜息をついて眉間に皺を寄せた。
「はぁ~。ベルナデット様!!
呑気に『偶然ね~』なんて言ってる場合じゃないでしょ?
どこまでおめでたい頭なのです?
それに、あなたがお1人で待つなんて何を考えているのですか?
こういう場合は待つのではなく、ついていくというのが正しい自衛方法ですよ?!」
コンラッド君は呆れた様子で私の手を取った。
「こんな人込みではぐれたら大変ですので、手を離さないで下さい」
不愛想な言い方だが、コンラッド君なりに心配していることがわかって私は嬉しくなった。
(私のこと嫌いなはずなのに・・・優しいな)
私は小さく笑うと、コンラッド君の手を握り返した。
「ありがとう」
「いえ。面倒事を避けるために仕方なくですので!!
誤解しないで下さい」
「ふふふ。わかってるよ。
ところで、コンラッド君はここで何をしているの?」
私はコンラッド君の顔を覗き込みながら尋ねた。
「ああ。実は、隣国の女王陛下の生誕祭に招待されておりまして、この蒸気船に乗って隣国に行く予定です。ところでベルナデット様はなぜこちらへ?
誰かの見送りですか?」
私は驚いて目を大きく開けた。
「私も隣国の女王陛下の生誕祭に招待されているの!!」
「え?では、ベルナデット様はこれから隣国に行かれるのですか?」
「ええ。そうよ」
するとコンラッド君が怖い顔をして近づいてきた。
「ではなぜお1人なのです?
護衛は?お供の者はいないのですか?!
不用心すぎませんか?」
私はまるで言い訳をするように慌てて口を開いた。
「だからね、今、ちょっと蒸気船の切符を交換に行って下さっているの」
「では、どなたと・・」
「ベルナデット様!!大丈夫ですか?」
コンラッド君の言葉を遮るようにサミュエル先生がスッと私とコンラッド君の間に入った。
「学長?!」
「コンラッド君?!」
コンラッド君が驚いて私の方を見た。
「まさか・・学長とお2人で?」
「え、ええ。そうなの」
するとコンラッド君が深い溜息をついて、サミュエル先生を鋭い目つきで睨んだ。
「失礼ですが、お2人はご婚約をされているのですか?」
「え?婚約?!」
「婚約なんて!!そんな・・」
コンラッド君の言葉に私とサミュエル先生が慌てた。
私たちを見てコンラッド君が「ふ~ん」というと大げさに肩を上げて両手を上に向けた。
「婚約もしていない男女がお2人でご旅行など、例えどんな理由があろうとも世間は許しません。
それとも学長はベルナデット様に悪い噂が立って社交界での立場を悪くされてもいいとおしゃるのですか?
それでなくともベルナデット様は殿下との婚約を解消されたばかりです。
ベルナデット様の不貞が理由だと勘ぐられないとも限りません。
それでも良いのですか?」
「それは・・・」
(国王陛下と王妃様に2人でと言われたから2人で来たけれど・・・サミュエル先生を不名誉な噂に巻き込むのは申し訳ないわ)
実は今回の私の護衛は剣の実力者でもあるサミュエル先生がお父様から依頼されていたのだった。
それに私たちは基本的に1人行動だ。普段から執事や侍女などは同行しない。
だから今回もサミュエル先生が護衛を兼任すれば問題ないと思っていたのだ。
現にお父様は2人で行くことを許可している。
私が俯いて考えていると、コンラッド君がふと優しげに微笑んだ。
「仕方ありません。私がお2人に同行致します」
「え?」
「いや、そこまで迷惑はかけられない。それにこんな急に蒸気船の切符など準備できないだろう?」
サミュエル先生が首を振りながら断った。
「学長。私は今回、隣国の女王陛下の生誕祭に呼ばれています。
ですから、お2人と同じ船に乗るのです。
お2人と行動を共にするなど容易いことです」
「コンラッド君も招待されているのですか?」
「はい」
サミュエル先生が「ん~~」と悩んだ。
「何を考えることがあるのですか?
現に今こうしてあなたがいない間、私がベルナデット様をお守り致しました。
まさか、学長たるお方が邪な考えで彼女を危険にされすような決断はなさいませんよね・・」
コンラッド君がそれはもう美しく微笑んでみせた。
「・・・ではお願いします」
サミュエル先生が小声で呟くように声を搾りだした。
「ええ。もちろんです♪」
こうして、コンラッド君も同行することになったのだった。
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