推しの幼馴染み&モブでした。あぁ……もう遅いよ……ね?うぇ?どうしてこうなった!?

白銀

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「……ん、まぶ……しい……」

眠たい目を何とかこじ開け、きしむ上半身を無理やり起こす。

「いたたた……ここ……どこ……」

カーテンから差し込む光をぼーっと数秒見つめ、辺りをゆっくり見渡した後、昨日のことを思い出した。
時雨を庇って怪我した後、色々思い出して、和解して、時雨を守るために動いた。結果……怪我をしてしまい、スズちゃん先生に助けを求めたんだっけ。
うーん、濃い一日だった。

「てか、今日って平日だったよな?」

壁に掛かっている時計を見て、慌てて飛び起きようとするが、全身の筋肉痛とあちこちの痛み、そして、ピリッと右目に痛みを感じ、ベッドに不格好な体勢で停止する。

「いっ……たー」

これ、無理。うー、痛すぎ。
しばらく、痛みが引くまでじっと耐えてると、コンコンっとノックが聞こえた。

「ミツ君、入るよ」

スズちゃん先生が入ってくるが、痛くて動けない。

「あぁ、起きてたんだね。12時過ぎたからお昼持ってきたんだけど……って、その体勢どうしたの?」

ベッドにorz、いわゆる、跪き頭を垂れている俺を見てスズちゃん先生は首を傾げる。

「……い……い」

「えっ?なんて言ったの?」

「筋肉痛、痛い、全身が」

「……ぷっ、あははははー」

俺の体勢がよほどおかしかったのか、スズちゃん先生はしばらく笑い続けました。
ひどい!
あの後、スズちゃん先生に謝られ、治療(シップと痛みどめの注射)してもらい、なんとか動くことができました。





昼食をごちそうになり、スズちゃん先生に『明日か明後日にまたきてね』と言われた後、適当に治療代を渡した。
渡した治療代は足りてないと思う。だけど、いつもいらないよと言われるので、今回は申し訳ないから受け取って欲しいと言って何とか受け取ってもらった。
あれこれとスズちゃん先生と話していたら結局、外に出る頃には15時を過ぎていた。
そう言えば、スマホをオフにしたままだったなぁと思い、電源を入れると、時雨から電話やメールが五十件以上入っていた。

「げっ、何この数……時雨、怒ってるよな……」

意を決し、電話を掛けようとした瞬間、スマホが震え出す。時雨様からである。恐る恐るタップし電話に出た。

「もっ、もしもし」

『……今、ドコにいる』

うぉぉぉぉ!めっちゃド低音ボイスぅ!機嫌悪!

「えっ、えっと、外です」

『……外のドコだ』

場所を言うと、『その場から動くな。動いたら殺す』と電話を切られた。
うわぁ、時雨めっさ怒ってたな……うん、素直に謝っとこう。





数分間、ボーとしながら座って待っていると、時雨がバイクに乗ってやってきた。
ヘルメットを外した時雨の元へ、慌てて走り寄り、数歩前で止まる。

「しっ、時雨、あのっ、電話に出れなくて、ごめん!」

よし、謝ったぞ!謝ったもん勝ちだ。あはは!

「……」

あれ?無言?っていうか、時雨、驚いてねぇ?思ってた顔と違うな。
時雨は俺の顔を見るなり、目を見開いたかと思うと、さっとバイクから降り、両肩を強く掴まれた。

「これ、どうした?誰にヤられた?」

これでもかと言うほど眉間に皺を寄せた時雨さん。声も聞いたことのない、超の激がつくほどの低音ボイス。
こわ!めっさ、こわいっす!
でも正直に言うわけにもいかず、何とかない知恵をしぼる。

「あっ、朝、こけて運悪く切っただけです!麻酔したから、そのまま寝てて、今は病院の帰りでっ……!!」

最後まで言い終わらない内に、体を覆うようにぎゅっと強く抱き締められた。
時雨の匂いと香水の香りが混ざりあった、安心するいい匂いが鼻をくすぐる。

「はぁ、気を付けろ」

時雨の心臓、ドキドキしてる。心配してくれたんだよな。なんだか嬉しくて心がムズムズする。

「……ん」

そう返事を返すとと頭の後ろにあった大きな手が優しく頭を撫でる。
あぁ、暖かいな……もっと撫でて……抱き締めてほし……い。
……ん?推しに、抱き……締められてる……だと!
カーと全身が熱くなる。
どっ、どうしよう!離れるべきか、もっと堪能するべきか!いや、その前にやることがあるだろう!お布施はどこですればいいんだ!この場合は時雨?あぁぁぁ、そう言えば、今財布空っぽだったー!どっ、どうしようー!!
脳内でパニクっている間に、時雨が「家まで送る。どこら辺だ?」と聞かれ、無意識に住所を告げる。ボーとしている俺の頭に優しくメットを被らされ、ひょいっと持ち上げられ、バイクの後ろに乗せられた。

「大丈夫か?ミツ?」

俺が軽く頷くと、時雨もバイクに股がる。そして、上半身を捻り、俺の手を握る。

「ほら、ちゃんと捕まっとけ」

時雨のお腹周りに誘導されたので、ぎゅっと抱きついた。そうです、推しと0距離りの密着です。うん、2回目だけど、何度やっても新鮮な気分な俺。
このお腹にある素晴らしい筋肉の固さ!そして、時雨の心臓の音が俺の全身で感じとれるなんて……もう、我が人生に悔いなし!







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