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第九章:Burning Heart

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「があああ……ムカつく、ムカつく、ムカつく……」
 回収されたボクたちは「正義の味方」の後方支援要員が使ってるトラックに乗る事になった。
 外から見ると良く有るコンテナだけど……中には後方支援要員が使うPCや武器・消耗品が入っている。
 あと、冷暖房その他の空調も完備。
「駄目だ、こりゃ。ムカついた時の語彙も、あいつより……」
「兄ちゃん、うるさい」
「お前が、あいつの真似して、巧く行く訳ねえだろ」
「何でッ⁉」
「あいつは狂人。お前は正気」
「へっ?」
「あいつは、生まれ付き、恐怖って感情を欠いてるらしい。だから、同じ無茶苦茶をやるにしても、あいつは平然と……当り前のように自分の命や体を危険に晒す。けど、お前は、無意識の内に自分が危険に陥る選択肢を避けてしまう。お前が、どんだけ、あいつの真似をしてるだけのつもりでも、あいつがあいつで、お前がお前である限り、あいつのやり口とお前のやり口は違うモノになってしまう」
「あの……あいつって……その……やっぱり、あいつ?」
 沙也加さんと一緒に居た女の子が、そう訊いた。
「えっと……多分。ところで、何で、ここに居るんですか?」
 ボクは、何故か、この車の中でPCを操作してた……沙也加さんのお兄さんの彼女と、沙也加さんのお兄さんの同級生の望月さんに訊いた。
 いや……一応、「正義の味方」の後方支援要員をやってるから……変じゃないけど……でも……。
「え……えっと……『工房』から連絡が有って……」
「えっ?」
「もう1人居やがった……。あいつの真似したがってる人が……」
「ちがう、この髪型は……」
 沙也加さんと一緒に居た女の子は、何かを勘違いしてるらしい。
「え……えっと、撫子なでしこちゃん、誰もその話してない」
「え……? あ……ああ、そう……」
「えっとさ……その人から、連絡が入った。みんなに見える画面に映す」
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