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第九章:Burning Heart
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「あのさ……例のアレは?」
「にゃんこには使いたくない。兄ちゃんには効かない」
沙也加さんと連れの女の子は物騒な会話をしている。
「はい、電車から下りました。ええ……えっと……宮島口ってJRの駅……えっ?」
「ね~、ついででいいから……何か……あっちの私鉄の駅の方でイベントやってるみたいだから……」
「マズい……」
「見てこ~よ~」
「やめろ……」
「何で~?」
「沙也加……お前……わかって全部芝居してるだろ……。でも……」
「何、あたし判んな~い♪」
沙也加さんと沙也加さんのお兄さんの噛み合ってない会話。
「あの……」
「どうしたんですか?」
「いつでも……変身出来るようにしとけ……。いや、変身した上で『火事場の馬鹿力』を出せるようにしとけ」
「だから……何が……?」
「最善の対応策が平和的交渉。次善の対応策が……相手を俺達が何者か認識してない内に一瞬で殺す。……そんな事態が起きそうだ……」
「それ、プランAが失敗した時にプランBに移行すんの難しくないですか? そもそも、相手は誰なんですか?」
「あいつらかどうかは……通常の『魔法』では判別不可能……だそうだ。でも……あいつら同士なら、ある程度は判る……らしい」
「何がですか?」
「電撃を操る青い鬼も、ほんの一部だが『神の力』を使える」
「沙也加さん?」
「……」
「近くでやってるイベントって何ですか?」
「さあ、何かな?」
とぼけたような口調の沙也加さん。
「あの……判るように説明して下さい」
今度は……沙也加さんの連れの女の子が、沙也加さんのお兄さんに、そう訊いた。
「神政会の裏ボスは……ここの『御当地魔法少女』の運営会社の理事なんだよ‼」
……。
…………。
……………………。
「えっ?」
慌てて、近くを見回し……1つのポスターを確認……。
『厳島・御当地魔法少女「ソフィア・トリア」』
日付けは……今日……。
時刻は……。
「たのむ……すぐ来い。早くだ‼ 何だよ、最短で十五分って?」
携帯電話で、どこかに電話しながら、慌てまくってる沙也加さんのお兄さん。
「あ……あの……お兄さんの予想って当ってます?」
「うん」
「で、その相手は……どこに?」
「今から電車に乗りなおすの……間に合わないかも……」
「にゃんこには使いたくない。兄ちゃんには効かない」
沙也加さんと連れの女の子は物騒な会話をしている。
「はい、電車から下りました。ええ……えっと……宮島口ってJRの駅……えっ?」
「ね~、ついででいいから……何か……あっちの私鉄の駅の方でイベントやってるみたいだから……」
「マズい……」
「見てこ~よ~」
「やめろ……」
「何で~?」
「沙也加……お前……わかって全部芝居してるだろ……。でも……」
「何、あたし判んな~い♪」
沙也加さんと沙也加さんのお兄さんの噛み合ってない会話。
「あの……」
「どうしたんですか?」
「いつでも……変身出来るようにしとけ……。いや、変身した上で『火事場の馬鹿力』を出せるようにしとけ」
「だから……何が……?」
「最善の対応策が平和的交渉。次善の対応策が……相手を俺達が何者か認識してない内に一瞬で殺す。……そんな事態が起きそうだ……」
「それ、プランAが失敗した時にプランBに移行すんの難しくないですか? そもそも、相手は誰なんですか?」
「あいつらかどうかは……通常の『魔法』では判別不可能……だそうだ。でも……あいつら同士なら、ある程度は判る……らしい」
「何がですか?」
「電撃を操る青い鬼も、ほんの一部だが『神の力』を使える」
「沙也加さん?」
「……」
「近くでやってるイベントって何ですか?」
「さあ、何かな?」
とぼけたような口調の沙也加さん。
「あの……判るように説明して下さい」
今度は……沙也加さんの連れの女の子が、沙也加さんのお兄さんに、そう訊いた。
「神政会の裏ボスは……ここの『御当地魔法少女』の運営会社の理事なんだよ‼」
……。
…………。
……………………。
「えっ?」
慌てて、近くを見回し……1つのポスターを確認……。
『厳島・御当地魔法少女「ソフィア・トリア」』
日付けは……今日……。
時刻は……。
「たのむ……すぐ来い。早くだ‼ 何だよ、最短で十五分って?」
携帯電話で、どこかに電話しながら、慌てまくってる沙也加さんのお兄さん。
「あ……あの……お兄さんの予想って当ってます?」
「うん」
「で、その相手は……どこに?」
「今から電車に乗りなおすの……間に合わないかも……」
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