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1 ~魔獣引き連れて失礼します~

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異世界に転生した俺は
異世界の魔獣
である
風の魔獣フェンリルと大地の魔獣であるオルトロスと契約をした
どういう経路で
契約をしたかといえば
平たくいえば

料理である

異世界へ転生する前までは料理が好きで毎日していたからだ

契約時に俺がフェンリルを撫でながら、
「美味しいご飯を食べさせてあげるからね」
と言ったら 契約できたのだ。
異世界へ転生してすぐに、 街で冒険者登録をして宿屋暮らしをしている。
最初は野宿も考えたが

それはいくらなんでも
いけないと感じ

近くの街
セルディナまで来たのだ

街のギルドで聞いた情報では この街は迷宮都市と呼ばれるほどダンジョンが多いらしい。
冒険者はダンジョンに潜って生計を立てている人が多いそうだ。
そして俺は この世界のお金がない! いや正確にはあるのだが 銅貨一枚もないのだ。
そうなのだ

おれは転生者だから
転生前まで使っていた
お金

円とドルしか無いのだ
これではこの世界の食べ物は買えないのだ。
しかし幸いなことに、 アイテムボックスの中には食材があるのだ。
まず米だ!これは沢山ある。
次に卵だ。これも沢山ある。
野菜も豊富にあるし肉もある。
調味料も色々ある。
あとは調理器具だがこれは大丈夫だ。
さきほど

街で調達することが出来た
魔術コンロという物がある
便利なことに
この世に満ちている魔力さえあれば
このコンロはいつでも使えるという

さてと
この食材で何が作れるか考えよう まずは米を炊いてみることにする
・・・・・・・ ふむふむ なかなかいい感じだな 次は玉子焼きを作るぞ おっ!上手く出来たぞ よしよし 次は何を作ろうかな? とりあえずカレーでも作るか
・・・

はて?カレーはスパイスがいるが
これは多分作るのは無理だろうな

仕方なく
野菜と肉の煮込み寒い日の定番料理(?)
である

ポトフを作ることにした・・・ おぉ!結構良い感じだ 

味見をした
うーん
ここでコンソメなんてものがあれば完璧なんだけどなぁ~ まあしょうがない また今度挑戦しよう こうして夜遅くまで料理に没頭した。
翌朝 目が覚めた俺は朝食の準備を始めた。
今日のメニューは パンとスープとサラダ それとソーセージだ。
早速作ったものをテーブルに並べてみた

うーん

美味しそうだ

フェンリルとオルトロスを呼んでこよう「フェンリル オルトロス起きろよ朝飯だぞ!」
「おはようございますご主人様」
「ワンッ」
「おう!起きたか!ご飯できてるから食べるぞ」
「ありがとうございます」
「わぅん」
「いただきます」
モーニングを楽しんだ後 今日はどうするか考えていた。
まずは 街に出て買い物をしたいと思っている それからダンジョンに潜りたいと思う ダンジョンには是非とも入りたいと思っている なぜなら ダンジョンの中にいる魔獣は普通の魔物と違って倒せば素材が残るからだ。
なので武器の強化が出来るのだ。
昨晩

街で手に入れた
合成スクロールもあるから
これから潜る迷宮都市で倒した魔獣の素材で
武器を作成したり
強化をしていこう
と考えている。
そういえばまだ冒険者ギルドに行ってなかったな ということで 行ってみることにした。
ギルドに到着した俺は受付のお姉さんに声をかけた
「すみません ダンジョンについて教えて欲しいのですが?」
すると 親切なお姉さんは説明してくれた。
この世界では、 魔獣を倒して得られる経験値が一定量に達するとレベルアップするらしい。
レベルが上がることでステータスが上昇したりスキルを覚えたりするようだ。
そしてレベルアップすることで身体能力が向上したりするそうだ。
ただし レベルの上限はないそうだ。
スキルについては レベルが上がれば覚えられるものもあるそうだ。
例えば剣術や槍術などの戦闘技術や回復魔法や火魔法の初級など スキルによってはレベルを上げるだけでは覚えられないものも有るそうだ。
しかし 魔術師なら魔術書を読むことでも 魔術を覚えることが出来るそうだ。
ちなみに魔術を使うには 魔力が必要だそうだ。
自分の体内にある魔力を使って発動させるそうだ。
この魔力は訓練次第で増やすことは可能だそうだ。
冒険者登録しているものは誰でも ギルドの施設内にある練習場で練習できるそうだ。
ギルドに登録していないものでも有料で借りれるそうだ。
さらに冒険者ランクによって使える施設があるそうだ。
冒険者ランクとは 1番下がF 2番目がE 3番目にD 4番目にC 5番目にB 6番目にA 7番目にS 8番目にSS 9番目に SS+ 10番目に S++ という具合になっているそうだ。
ギルドカードは身分証にもなるそうだ。
あとはドロップアイテムの買取などもしてくれるそうです。
とりあえずギルドカードを発行してもらいました。
ついでに この街で売っている食材や調味料についても聞いておきました。
まずは米ですね この街は米の生産が盛んらしく、王都にも出荷されているとのこと。
値段を聞くと一合銀貨一枚だった。
高い! 次に卵だ この街は卵の生産量が多いみたいだ。
しかも新鮮そのものだ! しかし値段は1個小銅貨5枚だ 日本円で50円くらいだ 安い! 次に調味料だが 塩は岩塩が豊富に取れるそうだ。
砂糖も サトウキビのような植物があるそうだ。
胡椒は 南の方で栽培されているそうだ。
味噌は大豆があるみたいなので作れるはずだ。
醤油も作ってみる価値があるな。
豆腐は・・・ さすがに無いだろうな でも豆乳は作れるかもな 今度試してみるか。
あとは 野菜は キャベツに似た野菜があった あとはジャガイモのようなものもあった。
肉類も豊富にあった。
豚肉っぽいものと鶏肉ぽいものがあった。
牛肉もあるようだったが ここでは出回らない高級品だそうだ。
あとはチーズもあった。
乳製品は貴重品のようで、 庶民が口にするのは贅沢な食べ物だそうだ。
魚は川魚が中心だ 海産物は無いようだ。
魚介類は 内陸部の街ではなかなか手に入らないらしい。
なので内陸部に住んでいる人にとっては海の幸は憧れの食べ物だそうだ。
内陸の人は、海を見たことがない人が殆どだそうだ。

海のある街に行けば新鮮な魚介が食べられるのだが 内陸部に行くとどうしても輸送コストがかかるため高価になってしまう。
そのため沿岸部の商人以外は滅多に食べられない。
そんな話を聞いていたら なんだかお腹が減ってきた。
もう昼時だ お店を探しに行こう。
おすすめのお店を案内してもらった。
お店の中に入ると お客さんでいっぱいだ。
ちょうど空いている席を見つけたので座った。
お勧めランチセットを注文
っている間に周りを見渡していた。
ふむふむ 冒険者らしき人達ばかりだな 装備している武具を見ると 剣とか槍を使っている人が多いな 中には弓を装備している人もいるな 魔法職らしい人は見当たらないな やはり魔術師は少ないのか? しばらくすると料理が出てきた 早速食べてみた うん 美味しい! この世界の料理は美味しくていいね 食後のコーヒーを飲みながらゆっくりしていると 後ろから声をかけられた。
「よう!兄ちゃん! 一人かい?」
振り向くとそこには4人組の冒険者がいた。
「えぇそうですよ」
「俺たちとパーティ組まないか?」
「いやぁ~悪いけど俺はソロでやっていきたいんだよね」
「おいおい あんまり調子に乗ってると痛い目見るぞ!」
「ははは 大丈夫だよ これでも強いんでね!」「ちっ つまんねぇ奴だな!」
「まあまあ それじゃあ失礼するよ!」
俺が席を立つと 冒険者達がニヤリと笑みを浮かべた。
そしてリーダーらしい男が言った
「おっと 忘れていたぜ!金を置いていけ!」
そういうと男はナイフを取り出した。
周りの冒険者たちも臨戦態勢に入っている。
はぁ やっぱりこうなったか。
俺は溜息をつくと メニュー画面を開いてアイテムボックスを確認した。
収納してある武器を確認していると 男達が襲いかかってきた。
すると一人の男が叫んだ。
「おい!気をつけろ!そいつはただの旅人じゃないぞ!!」
すると他の冒険者も騒ぎ始めた。
「あいつ武器を持ってないぞ!」
「まさか魔術師なのか?」
「油断すんなよ!」
などと言っている。
しかし 既に遅い。俺はメニュー画面を操作して 取り寄せた物を手に持っていた。
それは黒塗りの木刀である。
俺は木刀を構えると言った。
「かかってこいや!!!」
次の瞬間 俺は一番近くにいる男の懐に飛び込むと 鳩尾に強烈な突きを入れた。
「ぐはッ!!!」
男が悶絶して倒れ込んだ。
次に襲い掛かってくる2人目の男に対して 今度は横薙ぎの一閃を放った。
バキッ!!
「うわぁああー!!!」
男が絶叫を上げて倒れた。
その光景を見て呆気に取られていた3人目に一気に間合いを詰めると 顎に掌底を打ち込んだ。
「ガハッ!!」
3人目の男は意識を失った。
その様子を見ていて固まってしまっていた4人目に向かっていった。
「ひぃいい!!!」
4人目の冒険者は逃げようとしたが、 素早く回り込んで 首筋に手刀を当てて気絶させた。
そして周りで見ていた冒険者全員に聞こえるように大きな声で言った。
「お前らもやるか!?」
その一言で完全に腰砕けになった冒険者たちは そのまま店を出て行った。
「やれやれ 面倒臭い連中だな・・・」

俺はアイテムボックスに木刀を仕舞うと 食事代をカウンターに置いて 店を後にした。
宿に戻ると 今日はもう疲れたので すぐに寝ることにした。
明日はギルドに行ってクエストを受ける予定だ。
異世界生活1日目が終了した。
翌朝 朝食を食べてから

テレポータスを準備する。
さすがに徒歩で行くには遠い距離だ。
なので転移装置を使って移動する。
まずは昨日買った地図を見ながら ギルドの場所を確認する。
街の入口付近にあるようだ。
早速向かうことにする。
地図を頼りに歩くこと10分 無事に辿り着くことができた。
早速受付に行くことにした。
受付嬢に話しかける
「すみません クエストを受けたいのですが どうすれば良いですか?」
「初めての方ですね ではこちらの用紙に必要事項を記入してください」
「わかりました」
俺は渡された紙に名前などの情報を書き込んでいく。書き終わったので提出する。
「はい 結構です。
それではカードを発行しますね」
すると奥の方から職員が出てきてカードを持ってきた。
「これがあなた専用のカードになります」
俺はカードを受け取るとステータス画面を開いた。
ステータス画面に表示された自分の情報を確認していると後ろから声をかけられた。
「よう!兄ちゃん! 冒険者登録に来たのか?」
振り向くとそこには いかにも戦士っぽい装備をした大柄な男が立っていた。
「えぇ そうですよ」
「だったら俺と一緒に行かないか? ちょうど今からクエストを受けようと思ってたんだ!」
「えぇ~っと 俺はソロで活動していくつもりなんで 遠慮しますよ!」
「まぁそう言わずに一緒に行こうぜ! 兄ちゃん強そうだしな!」
「いや だから ソロで活動するって言ってんじゃん!」
「まぁまぁ いいじゃねぇか! そんな硬いこと言うなって! 俺の名前は ゴードンっていうんだ! よろしくな!」
「はぁ~ しょうがないなぁ~ わかったよ! ただし! 俺はあくまでもサポートに回るからね! メインはそっちでやってね!」
「おう! 任せとけ!」
こうして俺は不本意ながら同行することになった。
「よしっ これで手続きは完了だ」
「ありがとうございます」
「ところで あんたらのパーティ名は何ていうんだ?」
「俺たちのパーティ名はまだ無いんですよ」
「そうなんですか じゃあ私が付けてあげましょう! そうですね・・・
『風の軌跡』なんてのはどうかしら?」
「おぉ なんか格好いいじゃないすか! それでお願いします!!」
「ちょっ勝手に決めないでくださいよ!」
「あら 良いじゃない 気に入ったんでしょ?」
「いやまぁ 確かに悪くはないですけど・・・ なんか恥ずかしいなぁ~」
「ほら 決まったことだしさっさと出発するぞ!」
「はいはい わかりましたよ」
いよいよ出発である。
街を出て しばらく歩いているとモンスターと遭遇した。
目の前にいるのは体長2メートルくらいある巨大な熊であった。
「おい! あれは何て名前のモンスターなんだ?」
「あいつはキラーベアといって この辺では比較的弱い部類のモンスターだが油断するなよ」
「了解だ 気を引き締めて行くとするかね」
まず最初に仕掛けたのはゴードンだ。
素早い動きで一気に間合いを詰めると 鋭い爪による一撃を放つ。
しかし相手はそれを軽く受け止めた。
さらに連続で攻撃を仕掛けるがことごとく防がれてしまう。
そこで今度は後ろに回り込んで背中に蹴りを入れた。
「グォオオオオー!!」
するとキラーベアは雄叫びを上げた。
そして振り返るとゴードンに向かって突進してきた。
ゴードンはその攻撃をかわすと 一旦距離をとった。
「なかなかやるじゃねえか だったらこれならどうだ!」ゴードンは再び間合いを詰めると 連続攻撃を開始した。
すると今度は相手のガードが崩れてきた。
そこを見逃さず 渾身の一撃を放った。
ドゴーン!! 強烈な音とともに キラーベアは地面に倒れた。
「ふぅ こんなもんかな」
「さすがですね 強かったです」
「まぁな これでも一応Aランクの冒険者だからな」
「へぇー Aランクですか 凄いですね」
「ちなみにお前は冒険者登録してどのくらい経つんだ?」
「まだ1日目ですよ」
「そうなのか 新人にしては中々強いじゃないか お前もAランクを目指して頑張れよ!」
「はい 頑張ってみます」
その後も何度か戦闘を繰り返しているうちに日が暮れてしまった。
「おっともう夕方だ 今日はこの辺りで野営するか」

「フェンリル!オルトロス!」
食事準備するぞ
そう呼びかけてみたが返事はなかった。
「あれ? おかしいな いつもはすぐに出てくるはずなのに 何かあったのか?」
「どうしたんだ? 早く飯の準備をしようぜ!」
「いや それが・・・」
「ん? どうした?」
「いや 実はですね ペットの犬と狼が居なくなってしまって」
「え!? どういうことだよ?」
「いや 朝起きたらいつの間にか居なくなっていたんですよ」
「う~ん どうすっかなぁ~ とりあえず 夜の森を歩き回るのは危険だし 明日の朝まで待ってみるか」
「そうですね その方が良いかもしれませんね」
「それじゃあ 今のうちにテントを張るか!」
「はい!」
こうして俺達は 交代で見張りをしながら一夜を過ごした。
翌朝
「おはようございます」

起きたら 風の魔獣フェンリル(ペットの狼)
と大地の魔獣オルトロス(ペットの犬)が居たのだ
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