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13女の勘?

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十二月の最初の週末、すっかりクリスマス気分の街中で、麻衣とブランチを楽しんでいた。
結婚パーティーの打ち合わせと言いつつ、しばらくは先週の合コンの成果報告で盛り上がる。
「いやほんと、すごいよ麻衣は……」
合コンメンバー二人と同時進行しているらしいと聞いて、そのバイタリティに素直に感心する。
「いや、普通だよ。クリスマスまでに彼氏欲しいもん」
どっちかとうまくいけばOKだし、ダメならダメで人脈頼りに新しい男紹介してもらうと豪語する麻衣の積極性が羨ましいくらいだ。
「優樹だって友紀くんといい感じじゃん」
「いい感じ?」
おうむ返しすると、麻衣はぐっとテーブル越しに顔を寄せてきた。
「途中で二人で消えるし、先週も二日連続で会って今日も会う約束してるって相当脈ありだと思うよ」
「いやいやいや……普通に遊びに行っただけだから」
普段から月一くらいで遊んでるし、その延長上だ。
「しかも優樹、彼と会った後に結婚パーティー参加と余興までやるって言い出すし何があったかと思うでしょ」
確かにそれまですごい後ろ向きだった自覚があるから、麻衣の意見ももっともだ。
「何もないよ。お祝い事だから賑やかしに行こうと思っただけ」
とはいえ、それを決断することができたきっかけは友紀くんだ。それを伝えると、またあらぬ疑いをかけられるから口には出さない。
「優樹はそうだとしても、友紀くんは違うんじゃない? 合コンに飛び入り参加するわ二週連続デートにさそうわ絶対優樹のこと好きでしょ」
恋愛体質な麻衣は、こうやってすぐに色恋沙汰にしようとしてくる。
「ちゃんと理由があるんだってば。今日なんて結婚パーティー用の服買いに行くだけだし」
「女の買い物に好き好んでついてくる男いる? 相手のこと好きじゃないとしないから」
「まさか! 女とも思ってないから普通に誘うだけだよ。合コンに来るってことは出会いが欲しいわけで、麻衣も言ってた通り結婚イベントは出会いの宝庫なんでしょ。つまり、女子の端くれである私に異性目線のスタイリングを期待している!」
思い切り力説すると、麻衣がふーっとため息をつく。
「いや、矛盾……でもまあ、とりあえず今はそれでいいよ」
呆れたように苦笑しながらも、麻衣の眼差しは温かい。
「私は友紀くんみたいな子なら、優樹を任せてもいいって思ってるけどね」
言ってることは話半分に受け取りつつも、改めて麻衣と友達で良かったと思う。
なんだかんだ言って、面倒見が良くて私のことを心配してくれてるんだ。
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