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第三章「聖女就任式」
45.うそつき。
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青く澄み切った空。快晴の空の下、王家主催のお茶会が開かれていた。
ただそこに参加したのはロレンツとリリーのふたりのみ。そんなアンナの現状を表す寂しい席に、今や飛ぶ鳥を落とす勢いのジャスター家ミセルがやって来てロレンツに言った。
「よろしければ私達と一緒にお茶などどうでしょうか。ロレロレ様がお好きなおコーヒーもご用意してましてよ」
アンナに対抗するように急遽開かれたジャスター家主催のお茶会。
同じ場所、そしてアンナのお茶会に断りを入れた貴族達が多数集まって来ている。明らかな嫌がらせ。アンナの顔は昨日までと同じく生気を失い震えている。
やれやれと言った顔でロレンツが何か言おうとした時、一緒にいたリリーが立ち上がって言った。
「ミセル様っ、これは幾らなんでも失礼ではございませんか!!」
まだ少女のリリー。青いツインテールがその怒りを表すように左右に大きく揺れている。ミセルが言う。
「あら、あなたは確かティファール家の……」
「リリー・ティファールです!! ミセル様、今はキャスタール家のお茶会の真っ最中。この場所もすでに予約された場所。ここでジャスター家がお茶会を開くなど許されません!!」
(ほお)
ロレンツはたとえ相手があのジャスター家でも全く臆することなく堂々と言い放つ目の前の少女を見て感心した。子供ではあるがそこらの貴族よりよっぽどしっかりしている。さすがこの歳で王家の侍女を務めるだけのことはある。一喝されたミセルが腕を組んで言い返す。
「そうそう、あなた。ええっと、確かリリーさんでしたっけ? あなたにもお伝えしなければならないことがございましてよ」
その言葉を聞いたアンナに嫌な予感が襲う。ミセルが言う
「私が『聖女』に正式に就任し、素敵な方と成婚した暁には……」
リリーが黙ってその言葉を聞く。
「あなたを私の侍女にして差し上げますわ」
(!!)
アンナの震えが強くなる。
呆然とその言葉を聞いていたリリーが、すぐにその意味を理解する。
(ミセル様がご結婚されれば新たな国王が誕生し、彼女は王家となる。そして王家に代々仕えるティファール家はその侍女を務めなければならない……)
今はアンナが王家であるが故にリリーがティファール家から仕えるよう指示されているが、彼女が王家でなくなればもうリリーにその義務はなくなる。家の命によって新たな王家への奉公の変更は当然である。
真っ青な顔になったリリーが震えながら答える。
「わ、私はアンナ様にずっとお仕えしたいから……」
「それを決めるのはあなたじゃなくてお家。リリーさんにその権利はございませんわ。おーほほほほっ!!!」
爽やかな庭園にミセルの笑い声が響く。
(そんな、リリーまで、リリーまで私から奪うというの……)
アンナは絶望の中で、その辛い事実に心が折れそうになっていた。
ミセルによるロレンツの『護衛職』の変更、王家になったら侍女のリリーの指名。まさに今、自分が置かれている立場をそのまま奪い去ると言うものであった。
「うっ、ううっ……」
アンナは下を向き、声を殺した涙を堪えた。
このふたりを失えばアンナは完全に孤立化する。誰も声に出さないが、そこにいるすべての人間がその事を理解していた。リリーが言う。
「と、とにかく今日はアンナ様のお茶会。ご退出ください」
思わぬ事実に気付いたリリーであったが、そこはすぐに切り替えてミセルに言い放つ。ミセルが答える。
「あら、ではここにお集まりなさった皆様に、地面に座ってお茶を飲めと仰るのでしょうか?」
「なっ!?」
リリーはそれを聞いて言葉を失った。
ミセルに呼ばれて集まって来ているのは上級貴族ばかり。その彼らにお茶会のイスがないから『地面に座って飲め』というのは死ぬことよりも屈辱的なこと。イスやテーブルが余っているのに使わせなかったと、キャスタール家が非難されるのは明白。そこまで計算した上でのミセル登場であった。
「嬢ちゃん、向こうの席に行くぞ」
それまで黙って見ていたロレンツが下を向いて涙を堪えるアンナに言った。リリーがすぐに反応する。
「で、でも……」
「別にどこでもいいだろ。たくさん人がいるなら貸してやれ」
貴族のプライドなど微塵もないロレンツがさらりと言う。それを聞いたミセルがロレンツに近付き甘い声で言う。
「ロレロレ様ぁ、あなた様の為にミセルはとっても美味しいおコーヒーを用意致しました。是非ご一緒頂けませんか~?」
リリーは普段とは全く違う様子のミセルに驚きつつロレンツを見上げる。ロレンツが答える。
「そうか、そいつはすまねえ。でも……」
ロレンツはテーブルの上に置かれた白色のティーカップを手にすると、すでに冷えてしまった紅茶を一気に飲み干した。
(あっ)
アンナはそれを驚いた顔で見つめた。ロレンツが言う。
「俺は紅茶が好きでな。コーヒーはまた今度貰おう」
ロレンツはそう言うとこちらを見上げていたアンナの頭をポンポンと叩き、リリーと一緒に一番奥のテーブルへと移動して行った。ひとり残されたミセルが顔を真っ赤にして思う。
(許しませんわ、許しませんわ、こんなこと、絶対にっ!!)
そう思いながら奥でロレンツ達と一緒に座るアンナをギッと睨みつけた。
「ねえ」
「なんだ?」
庭園の一番奥のテーブル。
そこに座ったアンナがロレンツに尋ねた。
「あなた、紅茶は嫌いじゃなかったの?」
ロレンツがぶっきらぼうに答える。
「知らん。忘れた」
アンナは赤くなった目をこすりながら小さく言う。
「うそつき」
そう言って紅茶をロレンツの前に置かれたティーカップに再び注ぎ始める。ロレンツはそれを小さく頷きながら見つめた。
そして『その日』が訪れた。
パン、パパパパーーーーン!!!!
以前『剣遊会』が開催されたネガーベル王城内にある野外闘技場。
その澄み切った青空に砲撃隊の空砲が幾度も響き渡る。何千人もの観客を収容できるその巨大施設に、貴族はもちろんのこと国軍、各大臣、そして抽選で選ばれたネガーベル民が新たな『聖女誕生』をこの目で見ようと集まって来ている。
舞台の隣には国立遊楽隊による華々しい演奏が会場を包み、ある者は歓声を、またある者は既に涙を流しながらその瞬間を待っていた。ひとりの男が舞台に上がり、大きな声で叫ぶ。
「お待たせしました、皆様。これより『聖女就任式』を開催致します!!!」
「うおおおおっ!!!」
「きゃあああ!!!」
場内から溢れんばかりの歓声が響く。
数年ぶりの聖女誕生に狂喜乱舞して喜ぶ人達。警備にあたっていた兵士が言う。
「おい、新人!! 気をつけろ。興奮した人間が舞台に上がるかもしれん!!」
その新人にしては少し歳を取った警備兵が答える。
「了解です!! 注意致します!!」
上官が言う。
「よし、頼んだぞ。ローゼルっ!!」
「はっ!!」
ローゼルは敬礼をしてそれに答える。そして観客に注意を払いながら、舞台の上にいるジャスター家の人間達を見つめた。
「お父様、お兄様、いよいよですわ」
舞台の上に立つミセルがふたりに微笑んで言った。
いつもの真っ赤なドレスではなく、聖女を示す純白のドレス。真っ白な手袋をつけ紙をアップにしたミセルが中央に置かれた椅子に座っている。兄エルグと父ガーヴェルがそのミセルの傍に立つ。
(アンナ様……)
舞台下、現王家であるアンナが座る椅子の隣にいたリリーが不安そうにその顔を除く。
無表情。
それは『氷姫』と揶揄された以前のアンナのよう。アンナの後ろには腕を組みじっと舞台を見つめるロレンツ。
波乱の『聖女就任式』の幕がついに上がろうとしていた。
ただそこに参加したのはロレンツとリリーのふたりのみ。そんなアンナの現状を表す寂しい席に、今や飛ぶ鳥を落とす勢いのジャスター家ミセルがやって来てロレンツに言った。
「よろしければ私達と一緒にお茶などどうでしょうか。ロレロレ様がお好きなおコーヒーもご用意してましてよ」
アンナに対抗するように急遽開かれたジャスター家主催のお茶会。
同じ場所、そしてアンナのお茶会に断りを入れた貴族達が多数集まって来ている。明らかな嫌がらせ。アンナの顔は昨日までと同じく生気を失い震えている。
やれやれと言った顔でロレンツが何か言おうとした時、一緒にいたリリーが立ち上がって言った。
「ミセル様っ、これは幾らなんでも失礼ではございませんか!!」
まだ少女のリリー。青いツインテールがその怒りを表すように左右に大きく揺れている。ミセルが言う。
「あら、あなたは確かティファール家の……」
「リリー・ティファールです!! ミセル様、今はキャスタール家のお茶会の真っ最中。この場所もすでに予約された場所。ここでジャスター家がお茶会を開くなど許されません!!」
(ほお)
ロレンツはたとえ相手があのジャスター家でも全く臆することなく堂々と言い放つ目の前の少女を見て感心した。子供ではあるがそこらの貴族よりよっぽどしっかりしている。さすがこの歳で王家の侍女を務めるだけのことはある。一喝されたミセルが腕を組んで言い返す。
「そうそう、あなた。ええっと、確かリリーさんでしたっけ? あなたにもお伝えしなければならないことがございましてよ」
その言葉を聞いたアンナに嫌な予感が襲う。ミセルが言う
「私が『聖女』に正式に就任し、素敵な方と成婚した暁には……」
リリーが黙ってその言葉を聞く。
「あなたを私の侍女にして差し上げますわ」
(!!)
アンナの震えが強くなる。
呆然とその言葉を聞いていたリリーが、すぐにその意味を理解する。
(ミセル様がご結婚されれば新たな国王が誕生し、彼女は王家となる。そして王家に代々仕えるティファール家はその侍女を務めなければならない……)
今はアンナが王家であるが故にリリーがティファール家から仕えるよう指示されているが、彼女が王家でなくなればもうリリーにその義務はなくなる。家の命によって新たな王家への奉公の変更は当然である。
真っ青な顔になったリリーが震えながら答える。
「わ、私はアンナ様にずっとお仕えしたいから……」
「それを決めるのはあなたじゃなくてお家。リリーさんにその権利はございませんわ。おーほほほほっ!!!」
爽やかな庭園にミセルの笑い声が響く。
(そんな、リリーまで、リリーまで私から奪うというの……)
アンナは絶望の中で、その辛い事実に心が折れそうになっていた。
ミセルによるロレンツの『護衛職』の変更、王家になったら侍女のリリーの指名。まさに今、自分が置かれている立場をそのまま奪い去ると言うものであった。
「うっ、ううっ……」
アンナは下を向き、声を殺した涙を堪えた。
このふたりを失えばアンナは完全に孤立化する。誰も声に出さないが、そこにいるすべての人間がその事を理解していた。リリーが言う。
「と、とにかく今日はアンナ様のお茶会。ご退出ください」
思わぬ事実に気付いたリリーであったが、そこはすぐに切り替えてミセルに言い放つ。ミセルが答える。
「あら、ではここにお集まりなさった皆様に、地面に座ってお茶を飲めと仰るのでしょうか?」
「なっ!?」
リリーはそれを聞いて言葉を失った。
ミセルに呼ばれて集まって来ているのは上級貴族ばかり。その彼らにお茶会のイスがないから『地面に座って飲め』というのは死ぬことよりも屈辱的なこと。イスやテーブルが余っているのに使わせなかったと、キャスタール家が非難されるのは明白。そこまで計算した上でのミセル登場であった。
「嬢ちゃん、向こうの席に行くぞ」
それまで黙って見ていたロレンツが下を向いて涙を堪えるアンナに言った。リリーがすぐに反応する。
「で、でも……」
「別にどこでもいいだろ。たくさん人がいるなら貸してやれ」
貴族のプライドなど微塵もないロレンツがさらりと言う。それを聞いたミセルがロレンツに近付き甘い声で言う。
「ロレロレ様ぁ、あなた様の為にミセルはとっても美味しいおコーヒーを用意致しました。是非ご一緒頂けませんか~?」
リリーは普段とは全く違う様子のミセルに驚きつつロレンツを見上げる。ロレンツが答える。
「そうか、そいつはすまねえ。でも……」
ロレンツはテーブルの上に置かれた白色のティーカップを手にすると、すでに冷えてしまった紅茶を一気に飲み干した。
(あっ)
アンナはそれを驚いた顔で見つめた。ロレンツが言う。
「俺は紅茶が好きでな。コーヒーはまた今度貰おう」
ロレンツはそう言うとこちらを見上げていたアンナの頭をポンポンと叩き、リリーと一緒に一番奥のテーブルへと移動して行った。ひとり残されたミセルが顔を真っ赤にして思う。
(許しませんわ、許しませんわ、こんなこと、絶対にっ!!)
そう思いながら奥でロレンツ達と一緒に座るアンナをギッと睨みつけた。
「ねえ」
「なんだ?」
庭園の一番奥のテーブル。
そこに座ったアンナがロレンツに尋ねた。
「あなた、紅茶は嫌いじゃなかったの?」
ロレンツがぶっきらぼうに答える。
「知らん。忘れた」
アンナは赤くなった目をこすりながら小さく言う。
「うそつき」
そう言って紅茶をロレンツの前に置かれたティーカップに再び注ぎ始める。ロレンツはそれを小さく頷きながら見つめた。
そして『その日』が訪れた。
パン、パパパパーーーーン!!!!
以前『剣遊会』が開催されたネガーベル王城内にある野外闘技場。
その澄み切った青空に砲撃隊の空砲が幾度も響き渡る。何千人もの観客を収容できるその巨大施設に、貴族はもちろんのこと国軍、各大臣、そして抽選で選ばれたネガーベル民が新たな『聖女誕生』をこの目で見ようと集まって来ている。
舞台の隣には国立遊楽隊による華々しい演奏が会場を包み、ある者は歓声を、またある者は既に涙を流しながらその瞬間を待っていた。ひとりの男が舞台に上がり、大きな声で叫ぶ。
「お待たせしました、皆様。これより『聖女就任式』を開催致します!!!」
「うおおおおっ!!!」
「きゃあああ!!!」
場内から溢れんばかりの歓声が響く。
数年ぶりの聖女誕生に狂喜乱舞して喜ぶ人達。警備にあたっていた兵士が言う。
「おい、新人!! 気をつけろ。興奮した人間が舞台に上がるかもしれん!!」
その新人にしては少し歳を取った警備兵が答える。
「了解です!! 注意致します!!」
上官が言う。
「よし、頼んだぞ。ローゼルっ!!」
「はっ!!」
ローゼルは敬礼をしてそれに答える。そして観客に注意を払いながら、舞台の上にいるジャスター家の人間達を見つめた。
「お父様、お兄様、いよいよですわ」
舞台の上に立つミセルがふたりに微笑んで言った。
いつもの真っ赤なドレスではなく、聖女を示す純白のドレス。真っ白な手袋をつけ紙をアップにしたミセルが中央に置かれた椅子に座っている。兄エルグと父ガーヴェルがそのミセルの傍に立つ。
(アンナ様……)
舞台下、現王家であるアンナが座る椅子の隣にいたリリーが不安そうにその顔を除く。
無表情。
それは『氷姫』と揶揄された以前のアンナのよう。アンナの後ろには腕を組みじっと舞台を見つめるロレンツ。
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