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ポルフィディオ盗賊団編
ー 27 ー ポルフィディオ盗賊団編①
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パキ…パキ…
ズブロッカとラフロイグの2人は、散乱するガラスの破片を踏みつけながら、かつて酒屋だった真っ暗な店内を進む。
ひっくり返ったレジが置いてあるカウンターを通り抜ける。
レジはボコボコに壊されていて、引っこ抜かれた引き出しがレジの後ろの壁に突き刺さっていた。
元々は店舗兼住宅だったようで、カウンターの先には、短い廊下を挟んで広い空間があった。
おそらく、廊下の先に台所や居間や寝室や書斎が壁や襖に仕切られて存在していたのだろうが、全てが破壊されてしまっているため、今やひと繋がりの空間となって広がっていた。
奥行きはあるものの、足元には壁や家具や食器や日用品の残骸が散らばり、瓦礫の山を乗り越えながら先に進む必要がある。
視界の先、空間の一番奥の場所で青白い光が点っていて、穴だらけの壁に瓦礫のギザギザした鋭利な影を映し出している。
青白い光の正体は、壁際に設置された古いブラウン管テレビだった。
画面には何も映っておらず、走査線がチラチラと揺れている。
元は居間だったのだろうが、畳が剥がされ、あらゆる箇所に瓦礫が積み上がっていてもはや見る影もない…。
…
ブラウン管の横には2人の人間がいた。
1人は、長髪を野武士のように後ろで結んでいる男で、僧侶の袈裟みたいな服を纏い、テレビの右側で胡座をかいて座っている。
もう一人はテレビの左側で立っている。
大きな丸い黒縁メガネをかけた華奢な男で、赤のチェックのボタンダウンシャツにベージュのチノパンという格好だ。
ズブロッカとラフロイグが近づくと、袈裟の男が目を向けた。
「よう、久々だなあ。あん?ラフロイグ、おまえよ。背え、伸びたんじゃねえか?」
袈裟の男が酔っ払ったような口調で声をかけた。
ブラウン管の青い光に照らされ、端正な顔が浮かび上がる。
「あ、さっきカシスにも同じこと言われたよ」
ラフロイグが塾のカバンを下ろしながら、照れくさそうに頬をかく。
ブラウン管テレビの向かい側には瓦礫が折り重なっていて、雛壇のようになっていた。
その雛壇にも複数の人影があった。
「ふふ。この感じで成長すれば、きっといい男になるわよ。そしたら店に招待してあげる」
雛壇の影が動き、カシスの妖艶な横顔が、青い光に照らされる。
「けっ、しょーもねえことを」
ズブロッカが雛壇の瓦礫にドスンと腰掛ける。
「俺たちが最後だな」
…
ブラウン管がチカチカとした光を投げかけ、部屋の全体像を照らす…。
テレビの向かいの雛壇には、入り口側から、ズブロッカ、ラフロイグ、カシスの順番で瓦礫に腰を下ろしている。
そして、カシスの横にも更に複数の人間がいた。
ピンクの髪色をしたツインテールが特徴的な、ロック・ミュージシャンのようなレザーウェアを纏った少女…
まるでフランケンシュタインのようなツギハギだらけの肌で、真っ黒な衣装に身を包んだ大柄の男…
透き通る白い肌に、ぼんやりとした瞳。ミドルヘアの黒髪で、女子高生のような制服を着た少女…
ビシッとした派手なスーツを着こなし、整えた短髪に顎髭を生やした、やり手のベンチャー幹部みたいな出で立ちの男…
その隣にももう1人いるが、ブラウン管の光が届かず、姿を見ることはできない…
年齢もバラバラで、共通項がなさそうな総勢10人の人間が、廃墟のような一角に集まっている。
それは、異様な光景だった。
…
「んじゃ、久々に皆揃ったな。元気そうで何よりだ」
袈裟の男がパンと膝を打つ。
「相当なおもしれえ案件だ。ウィルキンソンが見つけてくれた」
そう言って、黒縁メガネの男を見遣る。
「人工衛星か」
雛壇から、スーツの男がつぶやく。低く、よく通る声だ。
「社長のおもしろ案件って、いつぶりかしら?」
カシスがすらっとした人差し指で唇に触れ、周りを見渡す。
「うーん、コメディ的な案件だと、俺的には、富裕層と貧民層の銀行口座やIDや住所を全部シャッフルしたときか、官邸の全部の水をジントニックに変えたときかな。トイレの水まで酒だったもんね」
フランケンシュタインのような男が思い出し笑いを噛み殺しながら答える。
「えー、今回もそういうやつ?あたし、もっとバトル要素のあるのがいいわー!ほら、レジスタンスみたいなハウスの残党のグループを皆殺しにしたときとか!ポルのおもしろ案件なら、なんでも歓迎だけど、あたし的にはああいう、血が湧くのがいいなー!」
ピンク髪のミュージシャンのような少女が甲高い声で答える。
どうやら、袈裟の男は、社長やポルと呼ばれているようだ。
「ふん、そんならカルーア、喜びな。今回はお前が望んでる案件だせ」
袈裟の男がニヤリと笑って言う。
ピンク髪の少女、カルーアが「ヒュー」っと歓声を上げた。
「そんで、その中でも今回は過去イチでずば抜けてる。映像を見ながらの方がいいな。ウィルキンソン」
「ほい」
黒縁メガネの男がパチンと指を鳴らすと、ブラウン管に映像が浮かび始めた…
…ジジ
……ジジジ…
ブラウン管には城郭のように高い壁で覆われた施設が映し出されていた。
ーレビオラだ!
「レバオラには元ハウスの人間がいたからマークしてたんだ、ここで面白いオーラのぶつかり合いがあった。ハウスのガキ2人がレビオラと戦闘してたんだ」
「ふうん、ハウスにもガキがいるのか」
カルーアが呟く。
「…」
「レビオラ側からもオーラ・ドライブを使えるハゲ頭が出て来たが、面白いのはそのあとだ。レジスタンスが出てきた」
映像では、爆弾を生成する能力者だった「マスクの男」が登場したシーンが映し出されていた。
「そんで、レジスタンスとの戦闘では、ベネットとリリアンのお出ましときた」
「ほう、なかなか粒揃いだな。そんな面白えショーがあったとはな」
ズブロッカが悔しそうに目を細める。
その時、画面の中がカッと光った。
マスク男の巨大な爆弾が爆発したのだ。
光がドーム状に膨らんでいき、すぐに映像がブラックアウトした。
「人工衛星が、一機、やられたんだ」
黒縁メガネの男、ウィルキンソンが呟く。
「ふふ、やわい能力だな、ウィルキンソン」
フランケンシュタインのような男が茶々を入れる。
「すぐに壊れて悪かったな。何百機も飛ばして遠隔操作してるんだから、強度は度外視なの!」
ウィルキンソンがギロリと睨みながら、静かに声を荒げる。
「おい、話の腰を折んなよ、面白いのはここからなんだからよ」
袈裟の男が立ち上がる。
画面が切り替わり、都市スターノの行列が映し出される。
「オレンダイン、おまえならここがどこか分かるだろ?」
袈裟の男が、オレンダインと呼ばれたスーツの男に目を向ける。
「…3番区だな。本職のビジネスじゃ、庭みたいなもんだ。映ってるのは、さっきのガキ2人と…それにベネットとリリアンか」「…」
スーツの男、オレンダインが目を細める。
「あと、1人、女の子が増えてるね」
ラフロイグが言う。
「あらあ、ああゆうコがタイプなの?」
カシスがラフロイグを見つめてあざとく首を傾げる。
「え?あ、いや…」
「…ありゃ、ハウスのボスの娘だ」
袈裟の男がニヤリと口元を歪める。
!!!!!
室内に漂う空気の質が変わった。ゾワッと沸き立つような好奇の色がぐっと濃くなる。
「ボスの娘…本当に…?」
制服姿の少女が口を開く。清楚な見た目と同じで、か細い声だ。
「僕の能力では、ベネットたちがそう言ってるのを捉えている」
ウィルキンソンがメガネをキラリと光らせる。
「状況的にもな」
袈裟の男が部屋の中をぐるりと見渡す。
「ベネットチームが護衛してるっつー点で、そもそも、そこらの要人とかそんな普通レベルの人間じゃねえってことだ。つまり、ハウスのワンチーム総出で護衛されるだけの理由があるということだ」
「まあ、ポルの言う通りだね」
フランケンシュタインのような男が頷く。
「ただし。気になんのは、全くオーラを感じないんだ、あの娘から。消去をしてるわけでもなさそうだ。しかし、本当にハウスのボスの娘だとするならば、一般人並みのオーラであるはずがない。むしろ、オーラは巨大なはずだぜ」
「あん?社長、言ってることが矛盾してねえか?」
ズブロッカが顔を顰める。
「これは俺の直感だ。あの娘には、”何か”ある。秘密がな」
袈裟の男がドシンと腰を下ろす。「間違いないぜ」
「…なるほど、ポルの直感は当たるからな」
カルーアがタバコに火を点けながら頷く。
ジ…ジジ…
ジジジ……
…
ブラウン管の映像がフェードアウトし、砂嵐のような画面に切り替わった。
「そんで、どうしようってんだ?」
ズブロッカが身を乗り出した。他の人間も袈裟の男に目を向ける。
「娘を攫う」
袈裟の男が集まった一人ひとりを見回す。
「俺の能力で調べたいんだ。あの娘が何なのか、な。何が出てくるかは分からんが、すげえ面白そうだろ」
ブラウン管の青白い光が袈裟の男の顔を下から照らし上げる。底の無い狂気と熱狂が渦を巻いた、おぞましい笑顔が張り付いていた。
「…攫う、か。でも、そんなことしたら、俺たちハウスに即攻撃されるじゃん」
「だから、あたしらが召集されてんだろ」
カルーアがフランケンシュタイン男の肩を小突く。
袈裟の男が立ち上がり、ブラウン管テレビの天板をバシンと叩いた。
「その通りだ。ハウスの襲撃はマストだろうから、俺が調べてる間の時間稼ぎをして欲しい。どうだ、おもしれえだろ?」
「おおっ!ハウスとの戦争かっ!そいつはいいぜ!」
ズブロッカが拳を上げて立ち上がる。
「これまで、大人しめの案件ばっかだったからな、ワクワクするぜ、オイ!」
ラフロイグの頭をくしゃくしゃに撫でながら声を張り上げる。
「面白いのは同意するけど…死ぬかもね。ハウスに本気出されたら」
黒髪の少女がポツリと呟く。
「そうしたら、戻し師の世話になればいいんじゃん?」
フランケンシュタインのような男がニコリと笑う。
「全滅しなきゃねえ~」カシスがスラリとした指先で髪をかき上げながら言う。
「でも、社長がそこまで言うなら、こんな素敵な案件はないわね」
「ポルの直感に端を発しているから、不確定要素は多い…。本当にボスの娘かもわからないし、調べても何も出てこない可能性はある。だが、ベネットチームが護衛をしているのは事実。調べて何か出てくれば万々歳だし、何も出なくても、事実として丁重な待遇を受けている娘を人質にできれば、今後のハウス絡みの面倒事に対して強烈な交渉カードになり得る。どっちにしても俺たちにデメリットは無いし、ハウスとお遊びができるのは確実、ということか」
スーツの男が頷きながら独りごつ。
「さすが、本職がCEOなだけあるな、その通りだ。んじゃ、早速、明日の朝に実行だ。作戦を説明する前に…先に祝杯、あげるぞ」
袈裟の男が立ち上がり傍に用意していた酒瓶に手をかける。
「そんで、お前たちも、久々に楽しんでくれ!」
その背中には、赤とオレンジのグラデーションが施された、サボテンのデザインが横たわっていた…!
ー 都市スターノ3番区 銀杏並木通り…
「おーい、今日も買い物って…これで3日連続だぞ…」
クロロがげっそりした顔でうなだれる。
「ふん、まだまだ折り返しよっ!」
クリアが意地悪そうな表情で笑う。
「ふふっ、ちょうどセールのシーズンだからねー!ああっ~楽しいっ~!」
リリアンが、トレンドカラーのネイルが施された指先を反射させながら、ピカピカのショルダーバッグから新しい鏡を取り出し、肌の状態をチェックしている。
「り、リリアンさんもいろいろ買ってるんですね…」「…ふむ、いつの間に…」
コン太とベネットが顔を見合わせる。
…
その時ー
「ー!」
ベネットが通りに目をやった!
銀杏並木通りの、国道とは反対側、森のような一画が広がる方向から、2人の人間が近づいてくるのが見えた。
1人は、筋肉隆々の体に刺青だらけの肌。スキンヘッドにパイナップルみたいな髪。
そして、大きな一眼レフのカメラを首からぶら下げている…!
ズブロッカだ!
そして、もう1人は制服を着た、黒髪で肌が白い小柄な少女…!
大ぶりのヘッドフォンを装着し、スマホを横向きに持ちながら歩いている。
早朝の通りでこんな異質な組み合わせを目にすれば、ハウスでなくてもギョっとするだろう。
ベネットとリリアンがクリアを背後に促し、警戒態勢を取る!
「おいおい、やっぱ、怪しまれてんじゃねえか」
「うん、ズブロッカ。あなたが変な格好だからでしょ」
2人は、クロロたちから50メートルほどの距離を空け、立ち止まった。
「おい、ヘルメス。準備はいいか?」
ズブロッカが小柄な制服の少女に声を掛ける。
「…うん。いま観てる映画、透明人間のやつ。煙みたいにブワって消えるの」
「よし。んじゃ、やるか。まずは娘を確保して社長に届ける、だな」
ズブロッカがカメラに手をかける。
…
「…あいつら、オーラは感じねえけど…クリア、おまえの知り合いか?」
「そんなわけないでしょ!」
クリアがクロロを睨みつける。
「ん?写真を撮るつもりか…?カメラを構えたけど…!」
コン太がカメラ男を見ながら目を細める。
「…見た目で判断するのは良くないが…」ベネットの体から電撃が迸る!
「一般人だったら、ごめん、だけどね。状況が異常だから」リリアンがいつの間にかロッドを手に取り、オーラを集中させている!
リスクになりそうなものは、全て摘み取る…!ベネットとリリアンからオーラが放たれようとした、その時…!
カシャッ………!
早朝の澄んだ空気に、シャッター音が響く!
!!!!!
「えっ?」
リリアンが振り向く…!
クリアが…
いない?
まさか!?
ガー…
ズブロッカのカメラの下部からフィルムが吐き出された。真っ白な現像面に、すぐさま画像が浮かび上がっていく…。
「ポラロイド?」コン太が目を見開く。
「…ああっ!」
クロロが声を上げる!
「く、クリア…!あの写真の中に!」
!!!!!
どういうことかはまるで分からないが、緊急事態なのは明白だ!
未知の能力を持つ敵が、クリアを攫った!?
「ちっ!」ベネットが舌打ちをし、真夏の稲妻のような電撃を正面の2人に向けて放った!
それと同時に、リリアンのロッドから巨大な火の玉が吐き出される!
グオオッ!!!!!
「…うん」
制服姿の少女ーヘルメスが、左手を振り払う!指先から、3つのオーラ弾が飛び出す!!!
ボボン!!!
2つのオーラ弾が、電撃と火の玉を正確に捉えて、大きな爆音を上げて空中でかき消した!
大きな爆煙が通りに広がる!!!
バシュッ!!!
その爆煙を貫き、残った1つのオーラ弾が、ベネットらを襲う!
「くっ!!!」
コン太が瞬時に反応し、オーラ弾を放つ!
ドンッ!!!!!
オーラ弾同士が衝突し、衝撃で銀杏並木がグラグラと波打つ!!!
「ほう!やるな、あのガキ」
「…あれ?ズブロッカ、もう1人が…」
煙の向こう側…そこにいるのはベネットとリリアン、そして金髪のガキの3人だけ…!?
「クリアを返せっ!!!」
!!!
いつの間にか、黒髪のガキがズブロッカとヘルメスの真下で拳を構えている!
!!!
速いっ!!!
「だりゃぁー!!!」
クロロがオーラを纏った拳をズブロッカに叩きつける!
「うぬっ!!!」
咄嗟に右腕でガードするが、鋭い衝撃が右半身を貫く!
「このガキっ!!!」
「…!クリアっ…!」
ズブロッカの指先にある写真が、クロロの眼前ではためく!
ポラロイドフィルムの枠の中に、クリアが閉じ込められていた!
まるで、密室のガラス窓を叩くように、両手を打ちつけながら、叫んでいる!
『クロロっ!助けてっ!』
!!!
ズブロッカが目を見開く!
黒髪のガキの背後に、ベネットとリリアンが迫っていた!瞬きする程の間に、50メートルの距離が詰められている!!!
「こいつらっ!面白えなあ!!!」
「…だめ。ズブロッカ、少女を攫うまででしょ」
ベネットとリリアンのオーラの塊が迫る!
「ちっ、お遊びはお預けか」
ヘルメスが、ズブロッカの肩に、ポンと手を添えた…!
ブワッ!!!
その瞬間、まるで線香の煙が風に消えるように、2人の体が消滅した!!!
「何っ!!?」
ベネットとリリアンのオーラが虚空を切り裂く…!
バサバサバサバサ…!
オーラの圧で、銀杏並木にいた小鳥たちが一斉に空に飛び立って行った…。
「…くそっ!」
ベネットの額から冷や汗が一筋こぼれ落ちた…。
そして通りには、既に数分前のような、早朝の静寂が広がっていた…。
ズブロッカとラフロイグの2人は、散乱するガラスの破片を踏みつけながら、かつて酒屋だった真っ暗な店内を進む。
ひっくり返ったレジが置いてあるカウンターを通り抜ける。
レジはボコボコに壊されていて、引っこ抜かれた引き出しがレジの後ろの壁に突き刺さっていた。
元々は店舗兼住宅だったようで、カウンターの先には、短い廊下を挟んで広い空間があった。
おそらく、廊下の先に台所や居間や寝室や書斎が壁や襖に仕切られて存在していたのだろうが、全てが破壊されてしまっているため、今やひと繋がりの空間となって広がっていた。
奥行きはあるものの、足元には壁や家具や食器や日用品の残骸が散らばり、瓦礫の山を乗り越えながら先に進む必要がある。
視界の先、空間の一番奥の場所で青白い光が点っていて、穴だらけの壁に瓦礫のギザギザした鋭利な影を映し出している。
青白い光の正体は、壁際に設置された古いブラウン管テレビだった。
画面には何も映っておらず、走査線がチラチラと揺れている。
元は居間だったのだろうが、畳が剥がされ、あらゆる箇所に瓦礫が積み上がっていてもはや見る影もない…。
…
ブラウン管の横には2人の人間がいた。
1人は、長髪を野武士のように後ろで結んでいる男で、僧侶の袈裟みたいな服を纏い、テレビの右側で胡座をかいて座っている。
もう一人はテレビの左側で立っている。
大きな丸い黒縁メガネをかけた華奢な男で、赤のチェックのボタンダウンシャツにベージュのチノパンという格好だ。
ズブロッカとラフロイグが近づくと、袈裟の男が目を向けた。
「よう、久々だなあ。あん?ラフロイグ、おまえよ。背え、伸びたんじゃねえか?」
袈裟の男が酔っ払ったような口調で声をかけた。
ブラウン管の青い光に照らされ、端正な顔が浮かび上がる。
「あ、さっきカシスにも同じこと言われたよ」
ラフロイグが塾のカバンを下ろしながら、照れくさそうに頬をかく。
ブラウン管テレビの向かい側には瓦礫が折り重なっていて、雛壇のようになっていた。
その雛壇にも複数の人影があった。
「ふふ。この感じで成長すれば、きっといい男になるわよ。そしたら店に招待してあげる」
雛壇の影が動き、カシスの妖艶な横顔が、青い光に照らされる。
「けっ、しょーもねえことを」
ズブロッカが雛壇の瓦礫にドスンと腰掛ける。
「俺たちが最後だな」
…
ブラウン管がチカチカとした光を投げかけ、部屋の全体像を照らす…。
テレビの向かいの雛壇には、入り口側から、ズブロッカ、ラフロイグ、カシスの順番で瓦礫に腰を下ろしている。
そして、カシスの横にも更に複数の人間がいた。
ピンクの髪色をしたツインテールが特徴的な、ロック・ミュージシャンのようなレザーウェアを纏った少女…
まるでフランケンシュタインのようなツギハギだらけの肌で、真っ黒な衣装に身を包んだ大柄の男…
透き通る白い肌に、ぼんやりとした瞳。ミドルヘアの黒髪で、女子高生のような制服を着た少女…
ビシッとした派手なスーツを着こなし、整えた短髪に顎髭を生やした、やり手のベンチャー幹部みたいな出で立ちの男…
その隣にももう1人いるが、ブラウン管の光が届かず、姿を見ることはできない…
年齢もバラバラで、共通項がなさそうな総勢10人の人間が、廃墟のような一角に集まっている。
それは、異様な光景だった。
…
「んじゃ、久々に皆揃ったな。元気そうで何よりだ」
袈裟の男がパンと膝を打つ。
「相当なおもしれえ案件だ。ウィルキンソンが見つけてくれた」
そう言って、黒縁メガネの男を見遣る。
「人工衛星か」
雛壇から、スーツの男がつぶやく。低く、よく通る声だ。
「社長のおもしろ案件って、いつぶりかしら?」
カシスがすらっとした人差し指で唇に触れ、周りを見渡す。
「うーん、コメディ的な案件だと、俺的には、富裕層と貧民層の銀行口座やIDや住所を全部シャッフルしたときか、官邸の全部の水をジントニックに変えたときかな。トイレの水まで酒だったもんね」
フランケンシュタインのような男が思い出し笑いを噛み殺しながら答える。
「えー、今回もそういうやつ?あたし、もっとバトル要素のあるのがいいわー!ほら、レジスタンスみたいなハウスの残党のグループを皆殺しにしたときとか!ポルのおもしろ案件なら、なんでも歓迎だけど、あたし的にはああいう、血が湧くのがいいなー!」
ピンク髪のミュージシャンのような少女が甲高い声で答える。
どうやら、袈裟の男は、社長やポルと呼ばれているようだ。
「ふん、そんならカルーア、喜びな。今回はお前が望んでる案件だせ」
袈裟の男がニヤリと笑って言う。
ピンク髪の少女、カルーアが「ヒュー」っと歓声を上げた。
「そんで、その中でも今回は過去イチでずば抜けてる。映像を見ながらの方がいいな。ウィルキンソン」
「ほい」
黒縁メガネの男がパチンと指を鳴らすと、ブラウン管に映像が浮かび始めた…
…ジジ
……ジジジ…
ブラウン管には城郭のように高い壁で覆われた施設が映し出されていた。
ーレビオラだ!
「レバオラには元ハウスの人間がいたからマークしてたんだ、ここで面白いオーラのぶつかり合いがあった。ハウスのガキ2人がレビオラと戦闘してたんだ」
「ふうん、ハウスにもガキがいるのか」
カルーアが呟く。
「…」
「レビオラ側からもオーラ・ドライブを使えるハゲ頭が出て来たが、面白いのはそのあとだ。レジスタンスが出てきた」
映像では、爆弾を生成する能力者だった「マスクの男」が登場したシーンが映し出されていた。
「そんで、レジスタンスとの戦闘では、ベネットとリリアンのお出ましときた」
「ほう、なかなか粒揃いだな。そんな面白えショーがあったとはな」
ズブロッカが悔しそうに目を細める。
その時、画面の中がカッと光った。
マスク男の巨大な爆弾が爆発したのだ。
光がドーム状に膨らんでいき、すぐに映像がブラックアウトした。
「人工衛星が、一機、やられたんだ」
黒縁メガネの男、ウィルキンソンが呟く。
「ふふ、やわい能力だな、ウィルキンソン」
フランケンシュタインのような男が茶々を入れる。
「すぐに壊れて悪かったな。何百機も飛ばして遠隔操作してるんだから、強度は度外視なの!」
ウィルキンソンがギロリと睨みながら、静かに声を荒げる。
「おい、話の腰を折んなよ、面白いのはここからなんだからよ」
袈裟の男が立ち上がる。
画面が切り替わり、都市スターノの行列が映し出される。
「オレンダイン、おまえならここがどこか分かるだろ?」
袈裟の男が、オレンダインと呼ばれたスーツの男に目を向ける。
「…3番区だな。本職のビジネスじゃ、庭みたいなもんだ。映ってるのは、さっきのガキ2人と…それにベネットとリリアンか」「…」
スーツの男、オレンダインが目を細める。
「あと、1人、女の子が増えてるね」
ラフロイグが言う。
「あらあ、ああゆうコがタイプなの?」
カシスがラフロイグを見つめてあざとく首を傾げる。
「え?あ、いや…」
「…ありゃ、ハウスのボスの娘だ」
袈裟の男がニヤリと口元を歪める。
!!!!!
室内に漂う空気の質が変わった。ゾワッと沸き立つような好奇の色がぐっと濃くなる。
「ボスの娘…本当に…?」
制服姿の少女が口を開く。清楚な見た目と同じで、か細い声だ。
「僕の能力では、ベネットたちがそう言ってるのを捉えている」
ウィルキンソンがメガネをキラリと光らせる。
「状況的にもな」
袈裟の男が部屋の中をぐるりと見渡す。
「ベネットチームが護衛してるっつー点で、そもそも、そこらの要人とかそんな普通レベルの人間じゃねえってことだ。つまり、ハウスのワンチーム総出で護衛されるだけの理由があるということだ」
「まあ、ポルの言う通りだね」
フランケンシュタインのような男が頷く。
「ただし。気になんのは、全くオーラを感じないんだ、あの娘から。消去をしてるわけでもなさそうだ。しかし、本当にハウスのボスの娘だとするならば、一般人並みのオーラであるはずがない。むしろ、オーラは巨大なはずだぜ」
「あん?社長、言ってることが矛盾してねえか?」
ズブロッカが顔を顰める。
「これは俺の直感だ。あの娘には、”何か”ある。秘密がな」
袈裟の男がドシンと腰を下ろす。「間違いないぜ」
「…なるほど、ポルの直感は当たるからな」
カルーアがタバコに火を点けながら頷く。
ジ…ジジ…
ジジジ……
…
ブラウン管の映像がフェードアウトし、砂嵐のような画面に切り替わった。
「そんで、どうしようってんだ?」
ズブロッカが身を乗り出した。他の人間も袈裟の男に目を向ける。
「娘を攫う」
袈裟の男が集まった一人ひとりを見回す。
「俺の能力で調べたいんだ。あの娘が何なのか、な。何が出てくるかは分からんが、すげえ面白そうだろ」
ブラウン管の青白い光が袈裟の男の顔を下から照らし上げる。底の無い狂気と熱狂が渦を巻いた、おぞましい笑顔が張り付いていた。
「…攫う、か。でも、そんなことしたら、俺たちハウスに即攻撃されるじゃん」
「だから、あたしらが召集されてんだろ」
カルーアがフランケンシュタイン男の肩を小突く。
袈裟の男が立ち上がり、ブラウン管テレビの天板をバシンと叩いた。
「その通りだ。ハウスの襲撃はマストだろうから、俺が調べてる間の時間稼ぎをして欲しい。どうだ、おもしれえだろ?」
「おおっ!ハウスとの戦争かっ!そいつはいいぜ!」
ズブロッカが拳を上げて立ち上がる。
「これまで、大人しめの案件ばっかだったからな、ワクワクするぜ、オイ!」
ラフロイグの頭をくしゃくしゃに撫でながら声を張り上げる。
「面白いのは同意するけど…死ぬかもね。ハウスに本気出されたら」
黒髪の少女がポツリと呟く。
「そうしたら、戻し師の世話になればいいんじゃん?」
フランケンシュタインのような男がニコリと笑う。
「全滅しなきゃねえ~」カシスがスラリとした指先で髪をかき上げながら言う。
「でも、社長がそこまで言うなら、こんな素敵な案件はないわね」
「ポルの直感に端を発しているから、不確定要素は多い…。本当にボスの娘かもわからないし、調べても何も出てこない可能性はある。だが、ベネットチームが護衛をしているのは事実。調べて何か出てくれば万々歳だし、何も出なくても、事実として丁重な待遇を受けている娘を人質にできれば、今後のハウス絡みの面倒事に対して強烈な交渉カードになり得る。どっちにしても俺たちにデメリットは無いし、ハウスとお遊びができるのは確実、ということか」
スーツの男が頷きながら独りごつ。
「さすが、本職がCEOなだけあるな、その通りだ。んじゃ、早速、明日の朝に実行だ。作戦を説明する前に…先に祝杯、あげるぞ」
袈裟の男が立ち上がり傍に用意していた酒瓶に手をかける。
「そんで、お前たちも、久々に楽しんでくれ!」
その背中には、赤とオレンジのグラデーションが施された、サボテンのデザインが横たわっていた…!
ー 都市スターノ3番区 銀杏並木通り…
「おーい、今日も買い物って…これで3日連続だぞ…」
クロロがげっそりした顔でうなだれる。
「ふん、まだまだ折り返しよっ!」
クリアが意地悪そうな表情で笑う。
「ふふっ、ちょうどセールのシーズンだからねー!ああっ~楽しいっ~!」
リリアンが、トレンドカラーのネイルが施された指先を反射させながら、ピカピカのショルダーバッグから新しい鏡を取り出し、肌の状態をチェックしている。
「り、リリアンさんもいろいろ買ってるんですね…」「…ふむ、いつの間に…」
コン太とベネットが顔を見合わせる。
…
その時ー
「ー!」
ベネットが通りに目をやった!
銀杏並木通りの、国道とは反対側、森のような一画が広がる方向から、2人の人間が近づいてくるのが見えた。
1人は、筋肉隆々の体に刺青だらけの肌。スキンヘッドにパイナップルみたいな髪。
そして、大きな一眼レフのカメラを首からぶら下げている…!
ズブロッカだ!
そして、もう1人は制服を着た、黒髪で肌が白い小柄な少女…!
大ぶりのヘッドフォンを装着し、スマホを横向きに持ちながら歩いている。
早朝の通りでこんな異質な組み合わせを目にすれば、ハウスでなくてもギョっとするだろう。
ベネットとリリアンがクリアを背後に促し、警戒態勢を取る!
「おいおい、やっぱ、怪しまれてんじゃねえか」
「うん、ズブロッカ。あなたが変な格好だからでしょ」
2人は、クロロたちから50メートルほどの距離を空け、立ち止まった。
「おい、ヘルメス。準備はいいか?」
ズブロッカが小柄な制服の少女に声を掛ける。
「…うん。いま観てる映画、透明人間のやつ。煙みたいにブワって消えるの」
「よし。んじゃ、やるか。まずは娘を確保して社長に届ける、だな」
ズブロッカがカメラに手をかける。
…
「…あいつら、オーラは感じねえけど…クリア、おまえの知り合いか?」
「そんなわけないでしょ!」
クリアがクロロを睨みつける。
「ん?写真を撮るつもりか…?カメラを構えたけど…!」
コン太がカメラ男を見ながら目を細める。
「…見た目で判断するのは良くないが…」ベネットの体から電撃が迸る!
「一般人だったら、ごめん、だけどね。状況が異常だから」リリアンがいつの間にかロッドを手に取り、オーラを集中させている!
リスクになりそうなものは、全て摘み取る…!ベネットとリリアンからオーラが放たれようとした、その時…!
カシャッ………!
早朝の澄んだ空気に、シャッター音が響く!
!!!!!
「えっ?」
リリアンが振り向く…!
クリアが…
いない?
まさか!?
ガー…
ズブロッカのカメラの下部からフィルムが吐き出された。真っ白な現像面に、すぐさま画像が浮かび上がっていく…。
「ポラロイド?」コン太が目を見開く。
「…ああっ!」
クロロが声を上げる!
「く、クリア…!あの写真の中に!」
!!!!!
どういうことかはまるで分からないが、緊急事態なのは明白だ!
未知の能力を持つ敵が、クリアを攫った!?
「ちっ!」ベネットが舌打ちをし、真夏の稲妻のような電撃を正面の2人に向けて放った!
それと同時に、リリアンのロッドから巨大な火の玉が吐き出される!
グオオッ!!!!!
「…うん」
制服姿の少女ーヘルメスが、左手を振り払う!指先から、3つのオーラ弾が飛び出す!!!
ボボン!!!
2つのオーラ弾が、電撃と火の玉を正確に捉えて、大きな爆音を上げて空中でかき消した!
大きな爆煙が通りに広がる!!!
バシュッ!!!
その爆煙を貫き、残った1つのオーラ弾が、ベネットらを襲う!
「くっ!!!」
コン太が瞬時に反応し、オーラ弾を放つ!
ドンッ!!!!!
オーラ弾同士が衝突し、衝撃で銀杏並木がグラグラと波打つ!!!
「ほう!やるな、あのガキ」
「…あれ?ズブロッカ、もう1人が…」
煙の向こう側…そこにいるのはベネットとリリアン、そして金髪のガキの3人だけ…!?
「クリアを返せっ!!!」
!!!
いつの間にか、黒髪のガキがズブロッカとヘルメスの真下で拳を構えている!
!!!
速いっ!!!
「だりゃぁー!!!」
クロロがオーラを纏った拳をズブロッカに叩きつける!
「うぬっ!!!」
咄嗟に右腕でガードするが、鋭い衝撃が右半身を貫く!
「このガキっ!!!」
「…!クリアっ…!」
ズブロッカの指先にある写真が、クロロの眼前ではためく!
ポラロイドフィルムの枠の中に、クリアが閉じ込められていた!
まるで、密室のガラス窓を叩くように、両手を打ちつけながら、叫んでいる!
『クロロっ!助けてっ!』
!!!
ズブロッカが目を見開く!
黒髪のガキの背後に、ベネットとリリアンが迫っていた!瞬きする程の間に、50メートルの距離が詰められている!!!
「こいつらっ!面白えなあ!!!」
「…だめ。ズブロッカ、少女を攫うまででしょ」
ベネットとリリアンのオーラの塊が迫る!
「ちっ、お遊びはお預けか」
ヘルメスが、ズブロッカの肩に、ポンと手を添えた…!
ブワッ!!!
その瞬間、まるで線香の煙が風に消えるように、2人の体が消滅した!!!
「何っ!!?」
ベネットとリリアンのオーラが虚空を切り裂く…!
バサバサバサバサ…!
オーラの圧で、銀杏並木にいた小鳥たちが一斉に空に飛び立って行った…。
「…くそっ!」
ベネットの額から冷や汗が一筋こぼれ落ちた…。
そして通りには、既に数分前のような、早朝の静寂が広がっていた…。
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