モテない生徒会長の災難

厚切り牛タン弁当

文字の大きさ
14 / 17

第13話・ターゲットを尾行せよ!➁

しおりを挟む
高間は校門から出た後は、どこかへ向かって寄り道をする事もなく一直線に向かっている。

「どこへ行くんだ、あいつ」
「何か目的があって向かってそうではあるな」
「さっきのLINEで誰かに呼び出された感じかもな」

そしてターゲットとは距離を保ち、電信柱の陰から頭だけを覗かせて声を潜め会話する俺達三人組。
少し離れた位置から。

「ママー。あのお兄ちゃん達、変なお面被って遊んでるよー?」
「しっ!みゆちゃん、あっちは見ちゃ駄目よ。この季節ああいう変な人達がよく現れるけど声を掛けられてもついて行っちゃ駄目だからね?」
「はぁい。ママ」

なんて会話が聞こえてきて、時雨が精神的ダメージを受けたような顔をしていたけれど、気のせいという事にしておく。
今は高間の様子を探るのが最優先だから。
俺達が様子を見守る中、高間は目的地らしき場所へと入っていくのを目にする。
そこはうちの学園からは少し離れた場所にある、自然公園だった。

「あ、自然公園に入って行ったぞ」
「あそこで誰かと待ち合わせしているのか?」
「まあ、とりあえず行ってみるか」

俺達は頷き合って、高間の後少ししてから自然公園へと入る。
流石に自然公園と言うだけあって茂みも多く、身を隠すにはもってこいの場所だった。
相変わらず一定の距離を取りつつ、高間の後を付けていると、高間は木々に囲まれた小さな広場のような場所で足を止めた。
そして、スマホを再び取り出し時間を確認している。
やはりここで誰かと待ち合わせしているのだろうと考えていれば、間もなくして白い学ラン姿の男達が十数人、ぞろぞろと高間の前に姿を現した。

「誰だ、あいつら?」
「白い学ラン…あ、もしかして、久我校の奴らじゃないか?」
「知っているのか、時雨」
「ああ、うちと同じ男子校なんだが、かなりの問題校でな。問題児ばかりが集まって学校で色々とやらかしてるみたいだぜ。教師陣も下手に注意すれば自分の身が危ないからって怖くて取り締まれないとか」
「なるほど、不良高校か」
「その中でも問題児を取り仕切っているトップの獅童ってやつが、かなりやばい奴らしくてやくざをバックに付けてて薬とか色々やってるとかなんとか」
「お前の話が本当ならあまり関わりたくはない連中だな。けど、どうして高間がそんな奴らと一緒にいるんだ」

まさか仲間なんだろうか、と一抹の不安を覚えつつ、俺達は見つからないようにより一層気配を殺して様子を見守る事にする。

「よー、高間ちゃん。逃げずによく来たなぁ」

そう言って、一歩前に踏み出したのは、金髪で軽くリーゼントにした髪型の男子学生だった。
雰囲気からして、この中ではリーダー格であろうと事は認識できる。
こいつが獅童というやつだろうかと確認していると、言葉からして、友好的な雰囲気ではないその男子生徒を高間は怯むことなく剣呑な表情で睨みつけていた。

「なんの用すか?杉原さん。俺はもう抜けた身ですけど」

杉原。それがあのリーダー格の生徒の名前らしく、指導ではないらしい。
というか、抜けた身と言う事は、高間の奴はこいつらはつるんでたって事なんだろうか。

「ああ、別にそのことについてごちゃごちゃいう気はねぇよ。俺達について来れねぇ腰抜け野郎はさっさといなくなってくれた方がいいしなぁ。戻ってこいともいう気もねぇよ。けどな、高間ちゃん。忘れたとは言わせねぇぜ?三日前に俺の可愛い子分達に随分と手荒い歓迎してくれたそうじゃねぇのよ?」

杉原と呼ばれた男の言葉に高間は少しだけ視線を逸らした後、すぐに睨み直して口を開く。

「ああ、あれっすか。あいつら、杉原さんの子分だったんっすね。歓迎っていうか、うちの生徒をカツアゲしてたところをたまたま通りかかったら、そっちからいちゃもんつけて来たんで振り払っただけっすけど。助けに入ったわけでもないし」
「振り払っただけねぇ。それで全員全治三週間の怪我負わされてちゃ、こっちも溜まったもんじゃないんだよねぇ。しかも逃げ出した負け犬の高間ちゃんにさぁ。俺の面子が丸つぶれなのよ。分かるっしょ?」

「全員全治三週間って…」
「ふむ。かなり喧嘩なれしているようだな。高間とやらは」
「まあ、あいつらとつるんでいたんなら、弱くはないだろうな」

二人の会話を聞きながら俺達は小声で話し合いつつ、高間と杉原達の様子をじっと見守る。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

聞いてた話と何か違う!

きのこのこのこ
BL
春、新しい出会いに胸が高鳴る中、千紘はすべてを思い出した。俺様生徒会長、腹黒副会長、チャラ男会計にワンコな書記、庶務は双子の愉快な生徒会メンバーと送るドキドキな日常――前世で大人気だったBLゲームを。そしてそのゲームの舞台こそ、千紘が今日入学した名門鷹耀学院であった。 生徒会メンバーは変態ばかり!?ゲームには登場しない人気グループ!? 聞いてた話と何か違うんですけど! ※主人公総受けで過激な描写もありますが、固定カプで着地します。 他のサイトにも投稿しています。

劣等アルファは最強王子から逃げられない

BL
リュシアン・ティレルはアルファだが、オメガのフェロモンに気持ち悪くなる欠陥品のアルファ。そのことを周囲に隠しながら生活しているため、異母弟のオメガであるライモントに手ひどい態度をとってしまい、世間からの評判は悪い。 ある日、気分の悪さに逃げ込んだ先で、ひとりの王子につかまる・・・という話です。

モブらしいので目立たないよう逃げ続けます

餅粉
BL
ある日目覚めると見慣れた天井に違和感を覚えた。そしてどうやら僕ばモブという存存在らしい。多分僕には前世の記憶らしきものがあると思う。 まぁ、モブはモブらしく目立たないようにしよう。 モブというものはあまりわからないがでも目立っていい存在ではないということだけはわかる。そう、目立たぬよう……目立たぬよう………。 「アルウィン、君が好きだ」 「え、お断りします」 「……王子命令だ、私と付き合えアルウィン」 目立たぬように過ごすつもりが何故か第二王子に執着されています。 ざまぁ要素あるかも………しれませんね

愛してやまなかった婚約者は俺に興味がない

了承
BL
卒業パーティー。 皇子は婚約者に破棄を告げ、左腕には新しい恋人を抱いていた。 青年はただ微笑み、一枚の紙を手渡す。 皇子が目を向けた、その瞬間——。 「この瞬間だと思った。」 すべてを愛で終わらせた、沈黙の恋の物語。   IFストーリーあり 誤字あれば報告お願いします!

学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語

紅林
BL
『桜田門学院高等学校』 日本中の超金持ちの子息子女が通うこの学校は東京都内に位置する幼少中高大院までの一貫校だ。しかし学校の規模に見合わず生徒数は一学年300人程の少人数の学院で、他とは少し違う校風の学院でもある。 そんな学院でモブとして役割を果たすはずだった青年の物語

告白現場に遭遇したら、まさかの俺の推しだった

花魁童子
BL
配信者である主人公の浅葱は、推しの告白現場に居合わせてしまった。そしてそれと同時に推しには好きな人が⁉ それを知ってしまって、推しとまさかの付き合うことになってしまう。偽りの恋人だけどなぜか嬉しく感じる。高校生活を送っていくうちに芽生える思い‼ 二人の気持ちはどうなるのか⁉

俺がこんなにモテるのはおかしいだろ!? 〜魔法と弟を愛でたいだけなのに、なぜそんなに執着してくるんだ!!!〜

小屋瀬
BL
「兄さんは僕に守られてればいい。ずっと、僕の側にいたらいい。」 魔法高等学校入学式。自覚ありのブラコン、レイ−クレシスは、今日入学してくる大好きな弟との再会に心を踊らせていた。“これからは毎日弟を愛でながら、大好きな魔法制作に明け暮れる日々を過ごせる”そう思っていたレイに待ち受けていたのは、波乱万丈な毎日で――― 義弟からの激しい束縛、王子からの謎の執着、親友からの重い愛⋯俺はただ、普通に過ごしたいだけなのにーーー!!!

何故よりにもよって恋愛ゲームの親友ルートに突入するのか

BL
平凡な学生だったはずの俺が転生したのは、恋愛ゲーム世界の“王子”という役割。 ……けれど、攻略対象の女の子たちは次々に幸せを見つけて旅立ち、 気づけば残されたのは――幼馴染みであり、忠誠を誓った騎士アレスだけだった。 「僕は、あなたを守ると決めたのです」 いつも優しく、忠実で、完璧すぎるその親友。 けれど次第に、その視線が“友人”のそれではないことに気づき始め――? 身分差? 常識? そんなものは、もうどうでもいい。 “王子”である俺は、彼に恋をした。 だからこそ、全部受け止める。たとえ、世界がどう言おうとも。 これは転生者としての使命を終え、“ただの一人の少年”として生きると決めた王子と、 彼だけを見つめ続けた騎士の、 世界でいちばん優しくて、少しだけ不器用な、じれじれ純愛ファンタジー。

処理中です...