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第151章 神様を理解する。
ロマンティック・ロシア展
しおりを挟む昨日の夜は、ロマンティック・ロシア展の感想を書こうとしたが、上手く纏まらなかった。
「感動した…
景色に、そして人物画の瞳の奥に、
神様を感じた…」
それを表現したいだけなのに、いざ言葉にしようとしたら味気なくなる。
まぁ、私に、専門的な知識や語彙力がないだけなんだろうけど。。。
吸い込まれるような深い森も印象に残った。
イワン・クラムスコイ
《月明かりの夜》 1880年 油彩・キャンヴァス
※ 画像掲載出来ず、すみません。
上記の作品に、特別な思い入れを感じた。
しかし、自分の気持ちが上手く伝えられない。
(ごめんなさい。また、ネットからの引用になってしまいます。)
見どころ | 国立トレチャコフ美術館所蔵 ロマンティック・ロシア | Bunkamura
https://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/18_russia/point.html
…より転載
《忘れえぬ女ひと》の作者クラムスコイの作品《月明かりの夜》は、かつて夕方から夜にかけて戸外で演奏された夜想曲にたとえることができます。
この作品は夜想曲のように、見る者の心を高揚させ、思い出を甦らせ、夢想へと誘います。
白いドレスを纏った孤独な若い女性が、古い庭園で老樹の傍らのベンチに腰掛けています。
彼女の姿は、月夜の詩情、その静けさや神秘と調和し、一体化しています。
彼女は誰かを待っているのか、あるいはただ物思いや回想に耽っているのでしょうか―。
彼女がこの問いに答えることは永遠にありません。つまりこの作品のイメージを創造した画家にとって、また鑑賞者にとって、彼女は、人間の心の中にあり、時には自然界にも現れる語り尽くされないものとして、空想、夢、詩の化身であり続けるからなのです。
作者のクラムスコイが本作の女性像を描くにあたって、最初にモデルとなったのは、後に著名な科学者ドミトリー・メンデレーエフの妻となった芸術アカデミーの若い生徒アンナ・ポポーワでした。
しかし、作品が完成に近づいた時、絵の入手を決意したトレチャコフ美術館創設者の弟セルゲイ・トレチャコフは、画家に、絵の中の女性に自分の妻の面影を与えてほしいと依頼したといいます。
※ 転載終わり
《作品のイメージを創造した画家にとって、また鑑賞者にとって、彼女は、人間の心の中にあり、時には自然界にも現れる語り尽くされないものとして、空想、夢、詩の化身であり続けるからなのです。》
こんな解説を読む度に、言葉もまた、芸術なんだと思う。
「空想、夢、詩の化身だなんて。。。
なんて素敵な表現なんだろう。」
私は、フェルメールの絵画『眠る女』や『手紙を書く女と召使い』の解説に、散々文句を言ってきた日々を思い出す。
理由は?
「私の感性にしっくりと来なかったから。
固定観念に縛られているなって思ったから。」
17世紀オランダでは、このモチーフは、○○○を意味するとかの“決めつけ”が気になったし、
画家は、おそらくこういう意図でこの絵を描いたのだろうとか…推理するのは結構だが、時に、ピントずれを感じた。
反論したくなるようなものまであった。
(注) 絵画展の解説、画集、ネットの解説、全般的に感じたことです。たまに、素晴らしい解説も見かけたから、全てが、そうであると言い切ることではありません。
クラムスコイの『月明かりの夜』の解説は、
「彼女がこの問いに答えることは永遠にありません。」
…とされていた。
「結局、答えが見つからない。
何も分からないのが、魅力なんだ。」
と思った。
彼女は、何も答えてくれない。
その代わりに、鑑賞者一人一人は、“自分なりの答え”を見つけられる。
絵画鑑賞は、自分の魂との対話だ。
それは、絵画鑑賞の醍醐味である。
『月明かりの夜』の解説は、うっとりするよう文章表現だった。
クラムスコイの絵画を音楽(夜想曲)に例えたのも素敵だった。
〈彼女の姿は、月夜の詩情、その静けさや神秘と調和し、一体化しています〉
《自然との調和》《一体化》
この表現も、物凄く好き。
「言葉もまた、芸術なんだなぁ。」
と、しみじみ思う。
素晴らしい絵画と、素晴らしい解説に出会えて良かった。
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