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第十章 たまには真面目な魔塔主といつも真面目な弟子
280.腹は満たされても
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存分にケーキを食ったレイヴンは、駄々をこねてたとは思えねぇくらいに明るくキラキラしてんだよな。
俺はレイヴンを見てるだけで、口の中が甘ったるいってのによ。
「よくそんなに甘いもんばっかり食えるよなァ」
「好物だから食べられるんですよ。テオがお酒を飲みまくるのと一緒ですから」
「まぁそりゃそうだけどよ。似たもの同士とでも言う気か?」
「良かったじゃないですか。お揃いで」
レイヴンは白のテーブルナプキンで丁寧に口元を拭い、両手をあわせる。
全く、どんないい子ちゃんなんだか。
俺はバカ丁寧なレイヴンを観察する。
甘いものを食って満足そうな表情は、可愛らしいもんだ。
両目を細めて、じっくりと眺める。
「……別におかしなことはしてませんけど。そんなに見られても何も出ませんからね?」
「そりゃあ出すのは俺だしな。金もアレも?」
「くだらないこと言ってないで、もう食べ終わったんだし出ますよ? 行きましょう」
「まぁ、機嫌も良くなったみてぇだし。帰ったら楽しみにしてるか」
ケーキを食べれば機嫌が直るってなら、お手軽でいいんだけどな。
つい、口元が緩んじまう。
可愛い弟子は俺が金を払っている間も、逃げずに外でおとなしく待ってるしな。
歩み寄ると、こっちを向いてわざわざ頭を下げてくる。
「ごちそうさまです」
「よしよし。ご機嫌じゃねぇか」
ポンと頭の上に手を置いて、レイヴンの頭をわしゃわしゃと撫でまわす。
レイヴンはこの程度でも恥ずかしがって、頬をほんのりと赤く染める。
俺を急かすように、ちょいちょいと服の袖を引いて歩きだすように促してきた。
「そんなに引っ張らなくてもいいのによ。まぁ早く帰りたい気持ちは分からなくもねぇが」
「絶対に、俺が思っていることではない方向で考えてますよね?」
「そりゃあ、なんか悩んでるなら聞いてやろうと思ってな」
「悩んでません。気のせいですから。俺、絶対に違うって分かってますし。もういいんです……って……」
妙に恥じらうレイヴンを見ていると、衝動的にキスがしたくなる。
身体を屈めて、小ぶりな唇を自分の唇で塞いだ。
甘いものばっかり食ってたせいか、レイヴンの唇はいつも以上に甘い。
相変わらずしっとりとしていて、いつまでも吸い付いていたいくらいだ。
俺の唇は少しかさついているってのに、ぷるぷるしてんのは若さってヤツだろうな。
「……っ!」
俺がキスしてることに気づいたレイヴンが慌てて両腕を伸ばし、俺の身体を突き放そうと抵抗してくる。
その程度の力じゃ、身体を引きはがすのは無理だけどな。
まあ、街中の真っ昼間からちゅーしたら、焦りもするか。
俺はレイヴンを見てるだけで、口の中が甘ったるいってのによ。
「よくそんなに甘いもんばっかり食えるよなァ」
「好物だから食べられるんですよ。テオがお酒を飲みまくるのと一緒ですから」
「まぁそりゃそうだけどよ。似たもの同士とでも言う気か?」
「良かったじゃないですか。お揃いで」
レイヴンは白のテーブルナプキンで丁寧に口元を拭い、両手をあわせる。
全く、どんないい子ちゃんなんだか。
俺はバカ丁寧なレイヴンを観察する。
甘いものを食って満足そうな表情は、可愛らしいもんだ。
両目を細めて、じっくりと眺める。
「……別におかしなことはしてませんけど。そんなに見られても何も出ませんからね?」
「そりゃあ出すのは俺だしな。金もアレも?」
「くだらないこと言ってないで、もう食べ終わったんだし出ますよ? 行きましょう」
「まぁ、機嫌も良くなったみてぇだし。帰ったら楽しみにしてるか」
ケーキを食べれば機嫌が直るってなら、お手軽でいいんだけどな。
つい、口元が緩んじまう。
可愛い弟子は俺が金を払っている間も、逃げずに外でおとなしく待ってるしな。
歩み寄ると、こっちを向いてわざわざ頭を下げてくる。
「ごちそうさまです」
「よしよし。ご機嫌じゃねぇか」
ポンと頭の上に手を置いて、レイヴンの頭をわしゃわしゃと撫でまわす。
レイヴンはこの程度でも恥ずかしがって、頬をほんのりと赤く染める。
俺を急かすように、ちょいちょいと服の袖を引いて歩きだすように促してきた。
「そんなに引っ張らなくてもいいのによ。まぁ早く帰りたい気持ちは分からなくもねぇが」
「絶対に、俺が思っていることではない方向で考えてますよね?」
「そりゃあ、なんか悩んでるなら聞いてやろうと思ってな」
「悩んでません。気のせいですから。俺、絶対に違うって分かってますし。もういいんです……って……」
妙に恥じらうレイヴンを見ていると、衝動的にキスがしたくなる。
身体を屈めて、小ぶりな唇を自分の唇で塞いだ。
甘いものばっかり食ってたせいか、レイヴンの唇はいつも以上に甘い。
相変わらずしっとりとしていて、いつまでも吸い付いていたいくらいだ。
俺の唇は少しかさついているってのに、ぷるぷるしてんのは若さってヤツだろうな。
「……っ!」
俺がキスしてることに気づいたレイヴンが慌てて両腕を伸ばし、俺の身体を突き放そうと抵抗してくる。
その程度の力じゃ、身体を引きはがすのは無理だけどな。
まあ、街中の真っ昼間からちゅーしたら、焦りもするか。
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