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第一章 積極的な魔塔主と翻弄される弟子
15.騎士団長と魔塔主の接触
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俺はくたびれてるレイヴンを部屋に置いて、ついでに腐れ縁の幼馴染に昨日のことを報告してやろうかと王国騎士団が訓練している訓練所へと顔を出すことにした。
俺が王宮を歩いているとやたらと避けられる。
そりゃあ、多少他のヤツよりかは背も高いし、いま着てるこの偉そうなローブは魔塔主の象徴で濃紺に金刺繍の入ったローブだ。
国からの支給品で、これが魔塔主であることを示すことは王宮で働いているヤツらだったら大抵知っているときたもんだ。
能力的には悪くねぇが、ローブってのは何か動きが制限される気がすんだよな。
俺を見てそんなにビビらなくても取って食いはしねぇが、まぁ平凡なヤツラから見たら怖いって気持ちも分からなくはねぇ。
コッチとしてはいい気分はしねぇが、まとわりつかれるよりはずっとマシだ。
訓練所で探している人物を見つけると、ニヤリと笑んで手を振りながら近づいていく。
俺のことは気配で絶対に気付いていたはずなのに、腐れ縁の騎士団長があからさまに嫌な顔を向けてきやがった。
コイツも俺とは別の意味で目立つ存在だ。
その強さはこの国随一とか誰かが言ってたな。
髪と鎧の色から、銀獅子とも呼ばれている。
ったく、誰がそんなどうでもいい二つ名を付けたがるんだか。
騎士団長は筋骨隆々で見た目からも如何にもっていう身体つきだ。
俺もここまで気持ち悪ぃ筋肉はねぇ。
コイツは身体を鍛えるのが趣味みてぇなヤツだからな。
流石にコイツと身体と身体のぶつかり合いはしたかねぇが、魔法との合わせ技なら楽々俺がぶちのめせるはずだ。
面倒だからやらねぇが。
とりあえずヒラヒラ手を振ってご挨拶してやる。
「よぉ、今日も精が出るねぇー。騎士団長さんよ」
「上機嫌で気味が悪いな。何の用だ、テオ」
「んな、あからさまに嫌そうな顔するんじゃねぇよ。お前さんにご報告がてらな」
冷やかしではないと察した騎士団長サマが、部下たちに訓練を続けるように指示をしてその場から少し離れ、仕方ないって顔で近づいてきた。
「ディー。何か勢いでヤッちまったわ」
「藪から棒になんだ。国家の存続に関わるような大事じゃないだろうな?」
「あいっかわらずお堅いよなァー。ディートリッヒ騎士団長様はよ。んな大げさでもねぇけどよ。レイヴンだよ、レイヴン」
「ま、まさかお前、レイヴンにまで手を出したのか? お前は30で、レイヴンは19だぞ! 何ということを……」
堅実真面目で出来てるディーは、額に手を当てて分かりやすく頭を抱えこんだ。
いちいち大げさだから別に言わなくてもいいんだが、後から耳に入るとそれはそれで面倒臭ぇんだよな。
一応声を潜めているから、騎士たちに話の内容は聞こえてねぇはずだが。
コイツは声がデカいからな。
念には念を入れておくか。
俺が王宮を歩いているとやたらと避けられる。
そりゃあ、多少他のヤツよりかは背も高いし、いま着てるこの偉そうなローブは魔塔主の象徴で濃紺に金刺繍の入ったローブだ。
国からの支給品で、これが魔塔主であることを示すことは王宮で働いているヤツらだったら大抵知っているときたもんだ。
能力的には悪くねぇが、ローブってのは何か動きが制限される気がすんだよな。
俺を見てそんなにビビらなくても取って食いはしねぇが、まぁ平凡なヤツラから見たら怖いって気持ちも分からなくはねぇ。
コッチとしてはいい気分はしねぇが、まとわりつかれるよりはずっとマシだ。
訓練所で探している人物を見つけると、ニヤリと笑んで手を振りながら近づいていく。
俺のことは気配で絶対に気付いていたはずなのに、腐れ縁の騎士団長があからさまに嫌な顔を向けてきやがった。
コイツも俺とは別の意味で目立つ存在だ。
その強さはこの国随一とか誰かが言ってたな。
髪と鎧の色から、銀獅子とも呼ばれている。
ったく、誰がそんなどうでもいい二つ名を付けたがるんだか。
騎士団長は筋骨隆々で見た目からも如何にもっていう身体つきだ。
俺もここまで気持ち悪ぃ筋肉はねぇ。
コイツは身体を鍛えるのが趣味みてぇなヤツだからな。
流石にコイツと身体と身体のぶつかり合いはしたかねぇが、魔法との合わせ技なら楽々俺がぶちのめせるはずだ。
面倒だからやらねぇが。
とりあえずヒラヒラ手を振ってご挨拶してやる。
「よぉ、今日も精が出るねぇー。騎士団長さんよ」
「上機嫌で気味が悪いな。何の用だ、テオ」
「んな、あからさまに嫌そうな顔するんじゃねぇよ。お前さんにご報告がてらな」
冷やかしではないと察した騎士団長サマが、部下たちに訓練を続けるように指示をしてその場から少し離れ、仕方ないって顔で近づいてきた。
「ディー。何か勢いでヤッちまったわ」
「藪から棒になんだ。国家の存続に関わるような大事じゃないだろうな?」
「あいっかわらずお堅いよなァー。ディートリッヒ騎士団長様はよ。んな大げさでもねぇけどよ。レイヴンだよ、レイヴン」
「ま、まさかお前、レイヴンにまで手を出したのか? お前は30で、レイヴンは19だぞ! 何ということを……」
堅実真面目で出来てるディーは、額に手を当てて分かりやすく頭を抱えこんだ。
いちいち大げさだから別に言わなくてもいいんだが、後から耳に入るとそれはそれで面倒臭ぇんだよな。
一応声を潜めているから、騎士たちに話の内容は聞こえてねぇはずだが。
コイツは声がデカいからな。
念には念を入れておくか。
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