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第3章 シュルトーリア
プライバシー
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今回はちょっと短めです。
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「ふぅ~、やっと落ち着いてきた。」
タプタプだった胃がようやくこなれてきたところでグッと体を起こして立ち上がる。
ぐるりと30m×30mになった空間を見渡す。そのうちの一角は縦横8mの浴室になる予定だ。さらに浴室の壁の外側には台所が付く。導線を考えると台所の前に食卓を置くことになるだろう。食卓を挟んで反対側には俺の作業スペースにしてもいいかもしれない。棚やテーブルなど諸々の余裕を持って配置することを考えると一辺から10m分はすでに用途は決まっていることになる。つまり自由に過ごせるスペースは20m×30mのスペースだ。
そこで俺とバラム、通常でも大柄なオーク達20人、それよりも大きいガルド、さらに大きいロアが過ごすことを考えるとやっぱりまだまだ手狭だ。
「(ご主人様~。)」
俺が考えに耽っているといるとバラムの触手が腕や腰に絡みついてくる。
「ん、どうした?」
「(バラムのごはんまだ~?)」
「あっ!」
そうだ、バラムの食事があった。しかし、ここには遮る物はない。
今までは俺達4人だけだったから交ざって皆ですることもあったから良かったが、今はオーク達がいる。
流石に交ざらせる訳にもいかないし、目の前で始めるのは酷だろう。
「どうしたもんかな。」
ディメンジョンルームの外は街中だ。森の中とは違って流石に街中の屋外でというのも声を押さえる自信がないからまずい。
「(どうしたんですか?)」
俺が首を傾げて悩んでいるのを見たロアが近づいてきた。
「いやな、バラムの食事の事なんだよ。遮る物がないからな、オーク達の前でしてあいつらが興奮しても俺が相手してやる訳にもいかないし。雌のオークもいないから発散させる相手もいないしでここでするのは酷だろう。」
「(うーん、とりあえずしてるところが見えなければいいんですか?)」
「まぁ、そうかな?」
本当は声と念話も届かないようにしたいけど、とりあえず見えなくなるだけでもマシかな。
「(それじゃあバラムさん……。)」
ん?ロアの念話が途切れた?
「(分かったー。やってみる!)」
「ちょっと待った!今の何。俺だけ省いて念話できるの?」
ロアの念話が途切れてからバラムだけ反応したからそう言うことなんだろうけど、そんな事できるなんて聞いてないし、俺にもできない。
「(あれ、ご主人様できないんですか?伝えたい相手意識すれば簡単ですよ。)」
従魔達も種族が変われば言葉が違う。それでも今、意思疎通ができるのは俺の念話スキルで従魔同士でも念話ができるからだ。そう、あくまで俺のスキルの効果だ。
「それなのになんで俺より使いこなしてんだよ。」
「(まぁまぁ、そんなの別に良いじゃないですか。)」
「……確かに別にいいんだけど。それができるって分かれば俺も練習するだけだし。それで、バラムに何を吹き込んだんだ。」
ロアを見るといたずらでも企んでそうな笑みを浮かべている。
「(それじゃあバラムさん、やっちゃってください。)」
「(は~い!)」
バラムが元気よく答えるとどんどん体が膨れ上がって最大まで巨大化する。
「おいおい、なにをする気だ?」
「(いっくよ~!)」
「なっ!」
気合を入れたバラムは左右と上に大きく体を伸ばし、大波のように俺に覆いかぶさってきた。視界が陰り、目の前に迫ったバラムの体に思わず両腕で顔を覆い、しゃがんで衝撃に備える。
「……あ?」
一向に来ない衝撃にゆっくりを顔を上げると水中にぽっかり穴が開いたような、俺がいるごくわずかなスペースを残して周囲が水に包まれた景色が広がっていた。
「(上手くいったみたいですね。)」
「ロア、バラム何をしたんだ?」
「(バラムがご主人さまを包んでるの~。)」
「(バラムさんが体を伸ばして、ご主人様の周りだけを残して器をひっくり返したみたいに覆ってるんですよ。)」
「じゃあこれはバラムの体か。」
周囲を覆う水に触れるとバラムのプルプルとした触感が手に伝わる。波打つ水面から水底を見るように、その向こうをよく見ればロアの姿も見えた。
「(ご主人様、光る魔石出してください。)」
「いいけどどうするんだ?」
ロアに言われた通り異空間収納からライトを付与した魔石を取り出す。
「(すぐに暗くなりますから。)」
「それってどういう……。」
「ワォン(シャドウミスト)」
ロアのくぐもった声が聞こえるとロアのいる方から何かに覆われていくように光が入らなくなり、内側は魔石の光を残して暗闇に包まれた。
「(直接シャドウミストで覆うとご主人様が手元も見れないようになっちゃいますかバラムさんをシャドウミストで覆いました。こちらからも中の様子は見えないので安心してください。)」
「わかった。ありがとう、助かった。」
「(いえいえ、それじゃあ、ごゆっくり~。)」
そういってロアは離れたのかロアの気配が離れていった。
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「ふぅ~、やっと落ち着いてきた。」
タプタプだった胃がようやくこなれてきたところでグッと体を起こして立ち上がる。
ぐるりと30m×30mになった空間を見渡す。そのうちの一角は縦横8mの浴室になる予定だ。さらに浴室の壁の外側には台所が付く。導線を考えると台所の前に食卓を置くことになるだろう。食卓を挟んで反対側には俺の作業スペースにしてもいいかもしれない。棚やテーブルなど諸々の余裕を持って配置することを考えると一辺から10m分はすでに用途は決まっていることになる。つまり自由に過ごせるスペースは20m×30mのスペースだ。
そこで俺とバラム、通常でも大柄なオーク達20人、それよりも大きいガルド、さらに大きいロアが過ごすことを考えるとやっぱりまだまだ手狭だ。
「(ご主人様~。)」
俺が考えに耽っているといるとバラムの触手が腕や腰に絡みついてくる。
「ん、どうした?」
「(バラムのごはんまだ~?)」
「あっ!」
そうだ、バラムの食事があった。しかし、ここには遮る物はない。
今までは俺達4人だけだったから交ざって皆ですることもあったから良かったが、今はオーク達がいる。
流石に交ざらせる訳にもいかないし、目の前で始めるのは酷だろう。
「どうしたもんかな。」
ディメンジョンルームの外は街中だ。森の中とは違って流石に街中の屋外でというのも声を押さえる自信がないからまずい。
「(どうしたんですか?)」
俺が首を傾げて悩んでいるのを見たロアが近づいてきた。
「いやな、バラムの食事の事なんだよ。遮る物がないからな、オーク達の前でしてあいつらが興奮しても俺が相手してやる訳にもいかないし。雌のオークもいないから発散させる相手もいないしでここでするのは酷だろう。」
「(うーん、とりあえずしてるところが見えなければいいんですか?)」
「まぁ、そうかな?」
本当は声と念話も届かないようにしたいけど、とりあえず見えなくなるだけでもマシかな。
「(それじゃあバラムさん……。)」
ん?ロアの念話が途切れた?
「(分かったー。やってみる!)」
「ちょっと待った!今の何。俺だけ省いて念話できるの?」
ロアの念話が途切れてからバラムだけ反応したからそう言うことなんだろうけど、そんな事できるなんて聞いてないし、俺にもできない。
「(あれ、ご主人様できないんですか?伝えたい相手意識すれば簡単ですよ。)」
従魔達も種族が変われば言葉が違う。それでも今、意思疎通ができるのは俺の念話スキルで従魔同士でも念話ができるからだ。そう、あくまで俺のスキルの効果だ。
「それなのになんで俺より使いこなしてんだよ。」
「(まぁまぁ、そんなの別に良いじゃないですか。)」
「……確かに別にいいんだけど。それができるって分かれば俺も練習するだけだし。それで、バラムに何を吹き込んだんだ。」
ロアを見るといたずらでも企んでそうな笑みを浮かべている。
「(それじゃあバラムさん、やっちゃってください。)」
「(は~い!)」
バラムが元気よく答えるとどんどん体が膨れ上がって最大まで巨大化する。
「おいおい、なにをする気だ?」
「(いっくよ~!)」
「なっ!」
気合を入れたバラムは左右と上に大きく体を伸ばし、大波のように俺に覆いかぶさってきた。視界が陰り、目の前に迫ったバラムの体に思わず両腕で顔を覆い、しゃがんで衝撃に備える。
「……あ?」
一向に来ない衝撃にゆっくりを顔を上げると水中にぽっかり穴が開いたような、俺がいるごくわずかなスペースを残して周囲が水に包まれた景色が広がっていた。
「(上手くいったみたいですね。)」
「ロア、バラム何をしたんだ?」
「(バラムがご主人さまを包んでるの~。)」
「(バラムさんが体を伸ばして、ご主人様の周りだけを残して器をひっくり返したみたいに覆ってるんですよ。)」
「じゃあこれはバラムの体か。」
周囲を覆う水に触れるとバラムのプルプルとした触感が手に伝わる。波打つ水面から水底を見るように、その向こうをよく見ればロアの姿も見えた。
「(ご主人様、光る魔石出してください。)」
「いいけどどうするんだ?」
ロアに言われた通り異空間収納からライトを付与した魔石を取り出す。
「(すぐに暗くなりますから。)」
「それってどういう……。」
「ワォン(シャドウミスト)」
ロアのくぐもった声が聞こえるとロアのいる方から何かに覆われていくように光が入らなくなり、内側は魔石の光を残して暗闇に包まれた。
「(直接シャドウミストで覆うとご主人様が手元も見れないようになっちゃいますかバラムさんをシャドウミストで覆いました。こちらからも中の様子は見えないので安心してください。)」
「わかった。ありがとう、助かった。」
「(いえいえ、それじゃあ、ごゆっくり~。)」
そういってロアは離れたのかロアの気配が離れていった。
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