俺は空気が読める~魔力0の無能と馬鹿にされてダンジョンに追放された俺、実は災害級のスキルがぶっ壊れていて世界最強にして唯一の剣士になる~

島風

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88みんなで力を合わせて使徒を倒す

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「よし……」   

俺は決意を込めて、改めて邪神の使徒と対峙する。   

何処までやれるかわからん。だが、俺が負けたらこの王都に被害者が無数に出る。  

絶対に負けられない戦いがここにはある。   

確認すると、ほとんどの観客が避難を開始していた。   

もう少し頑張れば、神級魔法を持つ救援が来るかもしれない。  

それまでは、何とか。  

そして聞こえて来る、観客達の逃げまどいながらの俺への声援。  

「負けないで!」  

「頑張ってください!」  

俺の力を……ハズレスキルの俺を信じてくれる。期待してくれる。  

負ける訳にはいかない。  

だが。  

「何!」  

邪神の使徒から闇の魔力の奔流が溢れでる。その密度はそれが災害を引き起こし兼ねないものだと言うことを本能にすり込ませる。  

「ま、まずい! 闇の魔力による攻撃撒き散らす気だ!」  

「任せて!」  

突然声をかけられて、驚くが、そこには……仲間がいた。  

「ノア君! 私が光魔法の壁を作るよ。だから、ノア君は攻撃して!」   

「僕もご主人様と戦います!」   

「勇者であるわたくしも戦うのです」  

「魔王のクロエも戦う!」 

「俺も戦います」 

そこに現れたのは、アリス、ルナ、勇者シエナ、魔王クロエちゃん……それにいつかの感じの悪い冒険者ギルド長の。  

「アリス! 至急頼む! それにルナ、シエナ、クロエちゃんも頼む。それとあなた名前なんでしたっけ?」  

俺は冒険者ギルドのギルド長の名を尋ねた。だって忘れちゃった。 

「バーニィです!」  

「バーニィさん、あなたは観客の避難を援護してください。今はそれが優先です」  

「な、何故です? 俺じゃ肉壁にすらなれないのですか?」  

「止めて下さい! 俺はむざむざ人の命を身代わりに使うと思いますか? あなたはあの街のギルドに必要な人だ。簡単に死んでいい人じゃない! 命をかける時がいつか、ある。だが、今じゃないでしょ?」  

俺は感じの悪かった冒険者ギルドの責任者を怒鳴りつけた。  

彼の力ではこんな化け物に太刀打ち出来ない。  

気持ちは嬉しい、最初は感じ悪かったが、その後クロエちゃんを通してギルド長の本心を聞いて、良い人だと理解した。 

「し、しかし! 俺が弱いこと位はわかります。でもノア君の身代わり位!」  

俺は彼を見つめると。  

「俺がそれを喜ぶと思いますか?」  

「……ノ、ノア君」  

 バーニィさんはコクリと頷くと、広場の中央から観客達のほうに踵をかえした。  

彼は世の中で役に立つ人間だと思う。だが、その為には、俺達がここで勝たないと。  

「みんな…… 俺に力を貸してくれ!」  

「当たり前だよ、ノア君。私はノア君と一心同体だよ」 

そういうのはアリスだ。アリスはほぼ全属性の魔法が使えるチート魔法職だ。 

「僕は聖剣を授かったんだ。ご主人様と戦うに決まってるじゃないですか?」 

聖剣を授かったルナ。剣の腕前があがったら、俺と互角になるかもしれない。 

「ノア様、私は勇者よ。こんな化け物相手に……挑むしか無いじゃないの!」 

そう言ったのは勇者シエナだ。彼女の勇者専用の光魔法は邪神に特攻があると予想する。 

それに剣を覚えた彼女は以前と段違いに強い。  

「ノア君、勝ったらご褒美にポッキーげえむしてね♡」 

クロエちゃんはこんな時にもちゃっかりしてるな。 

「みんな……ありがとう」  

そうこうするうちにアリスの光の壁の魔法が出来上がる。俺の氷の壁と同じ要領だ。  

邪神の使徒の闇の波動はアリスの光の魔法の壁に阻まれる。  

溢れた闇の波動は俺の光の符術を付与した剣で薙ぎ払う。  

観客が逃げ切るまで、しばらくこの状態をキープできれば。  

だが、少しでも攻撃しておきたい。  

「ルナ、シエナ、俺とアリスとクロエちゃんを守ってくれ。アリスは光の壁と、炎の時は氷の壁を、あとは隙を見て、支援魔法を頼む。クロエちゃんは魔法攻撃を頼む!」  

「あれ? なんでですか? クロエちゃんは魔王ですよ♡ 魔剣で戦うに決まってる♡」  

「は? そんなの聞いたことないぞ?」  

「え? 魔剣?」 

「クロエちゃんは人界ではなく魔境にいたから剣が廃れるという謎の現象には関係ないよ」  

 驚いた。魔族の世界、魔境では剣は廃れていなかったのか? 

「俺がみんなの剣に符術で光属性を付与するぞ!」  

「大丈夫なのですか? クロエちゃんが苦しんだりしないのですか? 魔王ですよね?」 

「ちょ、ちょっと? クロエちゃんが魔王って? 僕、初耳ですよ?」 

クロエちゃんが可愛く笑うと。 

「大丈夫です。クロエは普通の人間ですよ。傷つくよ」 

「ごめん、ルナ。魔族って昔の勇者の末裔だよ。後で詳しく説明する」 

「そう、魔族は人です。ただ、才能が強いだけ」 

俺の言葉にクロエちゃんの顔に笑みに出る。 

人と魔族の垣根はなんとかしないとな。 

そして、俺はシエナとクロエちゃんの剣に光魔法を付与した。  

「ひ、光が!」  

「何か力が!」   

二人とも、戸惑いの表情を浮かべるので説明する。   

「二人に光の符術を付与した。あの化け物は闇属性だ。これできっとダメージが入る筈だ」   

「ふ、付与って……ノア様は賢者以上の……化け物……なのです」  

シエナがやや呆れた声で呟く。      

「ノア君って……ほんと、突拍子がないね……」   

何故かアリスの声も呆れたような声に聞こえる。何故だ?   

「ご主人様って……仲間も、突拍子がないです……」   

ルナに突拍子もないとか言われるが、お前が言うなと言いたい。 

こいつ初代勇者の聖剣の持ち主だぞ。   

「うふふふふふ……これが私のノア君だよ。誰にも渡さないからね!」  

「アリスさん、正ヒロインは奴隷って相場が決まってるじゃないですか?」   

そんな理由でペット願望? いや、奴隷願望だったの? そんな計算あったなんて。 

それにこんな時に喧嘩するな! 

でも……仲間って……いいな。とても満ち足りた気がする。 

だが、いまはそれどころじゃない。   

女神エリスですら倒せない邪神、その使徒。   

いまは一致団結して、化け物との戦いに集中しなくては。   

「いくぞみんな! ――あの化け物――倒すぞ!!」   

「「「おおーっ!」」」   

俺の号令下、邪神の使徒との決戦の火蓋が切られた。 
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