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アイラと廉
その3-04
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* * *
微かな荒い呼吸が首元に下りてきて、アイラは気だるげに瞳を開けてみた。
それで、まだ自分の上に感じる重みだったが、スッと、少しだけ軽くなったので、アイラを見下ろしている廉を見上げて、その口元を艶かしく上げて行った。
「普段は冷静過ぎるほど冷静で、眉一つ動かさないのに、こんな裏があるなんてねぇ、一体、誰が想像できたかしら」
「それ、褒めてるの?」
「文句言ってないじゃない」
「それは、どうも」
アイラが、ペタ、と廉の胸に手の平をくっつけくるので、廉が不思議そうな顔をする。
「なに?」
「ちゃんと刺激されてるじゃない」
手の平に伝わってくる早い鼓動を確認して、アイラが満足げに笑んで行く。
「俺は普通の男だから、ちゃんと刺激されてるんだけど」
「そんな風に見えないからよ。――でも、ホント、一体、誰が想像できたかしらね。あのレンがねぇ」
「俺は普通の男だよ」
「全然そう見えないのよ。女を抱く時も、表情一つ変えずに終わらせるのかと思ったもんね」
「なるほど」
大層な言われ様である。
廉の唇がゆっくりとアイラの首筋を上がっていく動きが気持ちよくて、アイラはまた瞳を瞑っていた。
ゆらゆらと、燃えきった燻りがまだ熱く、それがかえってくすぐったいような、それでいて喉の奥を刺激するような――――
グイッ――と、体重が乗せられて、アイラはパッと目を開けていた。
それを予想していなかったのが明らかで、微かに驚いたその顔が廉に向けられる。
「それ予想してなかった?」
「――やる気なの?」
「もう実行してるけど」
「……あっ――……っ……――!」
廉の動きに反って、またアイラの体が仰け反った。
「……うそ――」
「スタミナとパワー、って言ってたのはアイラだろ?」
「そ――だけど――んっ……」
「アイラの期待に添えるかどうか俺も心配だったけど、君の体が思った以上に癖になりそうで」
まださっきの火照った余韻が体に残っているこの状態で、淡々とそんなことを話さなくてもいいものを。
「……あっ――!」
「これで、本当に後戻りはできないな。無理だから――――」
微かな荒い呼吸が首元に下りてきて、アイラは気だるげに瞳を開けてみた。
それで、まだ自分の上に感じる重みだったが、スッと、少しだけ軽くなったので、アイラを見下ろしている廉を見上げて、その口元を艶かしく上げて行った。
「普段は冷静過ぎるほど冷静で、眉一つ動かさないのに、こんな裏があるなんてねぇ、一体、誰が想像できたかしら」
「それ、褒めてるの?」
「文句言ってないじゃない」
「それは、どうも」
アイラが、ペタ、と廉の胸に手の平をくっつけくるので、廉が不思議そうな顔をする。
「なに?」
「ちゃんと刺激されてるじゃない」
手の平に伝わってくる早い鼓動を確認して、アイラが満足げに笑んで行く。
「俺は普通の男だから、ちゃんと刺激されてるんだけど」
「そんな風に見えないからよ。――でも、ホント、一体、誰が想像できたかしらね。あのレンがねぇ」
「俺は普通の男だよ」
「全然そう見えないのよ。女を抱く時も、表情一つ変えずに終わらせるのかと思ったもんね」
「なるほど」
大層な言われ様である。
廉の唇がゆっくりとアイラの首筋を上がっていく動きが気持ちよくて、アイラはまた瞳を瞑っていた。
ゆらゆらと、燃えきった燻りがまだ熱く、それがかえってくすぐったいような、それでいて喉の奥を刺激するような――――
グイッ――と、体重が乗せられて、アイラはパッと目を開けていた。
それを予想していなかったのが明らかで、微かに驚いたその顔が廉に向けられる。
「それ予想してなかった?」
「――やる気なの?」
「もう実行してるけど」
「……あっ――……っ……――!」
廉の動きに反って、またアイラの体が仰け反った。
「……うそ――」
「スタミナとパワー、って言ってたのはアイラだろ?」
「そ――だけど――んっ……」
「アイラの期待に添えるかどうか俺も心配だったけど、君の体が思った以上に癖になりそうで」
まださっきの火照った余韻が体に残っているこの状態で、淡々とそんなことを話さなくてもいいものを。
「……あっ――!」
「これで、本当に後戻りはできないな。無理だから――――」
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