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防具が徐々に生成されていき、少女の服の上に反映されていく。本来の髪にキャラクターの髪が反映され伸びていくと、光と共に青く美しい長髪へと変わり、顔つきもやや大人っぽくなる。
自身の身体の変化に驚いた様子の少女は、それが本当に自分の身体なのか試すように両の掌を数回握り、身体を捻ったり飛んでみたりする。
「あ・・・あれ?なんか私より頼り甲斐がありそうね」
戦士のキャラクタースキンへ変わる少女を見て、思わぬ変貌ぶりに想像してた可愛らしいキャラクターの幻想が崩れ去ったにぃな。
「カッコイイ大人ってのに憧れてたの。でも本当にこれで何か変わったの?」
まだ信用できないといった少女の表情から、不安や恐怖といった感情がまだ残っているのが伺える。当然のことだろう。初めはその目に映す現実の光景と、ゲームで遊んでいた時の自身の姿のギャップが激し過ぎて、気持ち的にはコスプレをしているような感覚になっていることだろう。
所謂、自分の理想の姿への“変身“というのは、心の何処かにある思いが表されている。少女の場合、彼女自身が口にしていたように、一人で生きていけそうな強くてカッコイイ女性の姿を、エディットしたことが一目で伝わってくる。
「戦ってみれば分かるよ。要領はゲームの時と同じだから安心して」
すると、彼女のクラスである戦士の武器が前に現れる。その武器は、彼女の体格には少し大きく感じる、西洋風の剣だった。
恐る恐る剣を手に取る少女は、見た目よりも軽く感じたその武器の質量に目を丸くするが、それは剣が軽いのではなく彼女自身の腕力が、キャラクターのステータスによって上昇したからだった。
「これでゲームと同じように戦えばイイんだよね?」
そう言って剣を構えた少女は、シンを躱し後方の二人目がけてやって来たリザード兵の一体へ狙いを定める。
「でも、極力ダメージは受けない方がいいよ?ゲームと違って痛みはあるから」
「そんなこと今更言わないでよ!」
しかし今更引き下がれない。少女は握りしめた武器を力強く握りしめ、リザード兵の接近に合わせ勢いよく振るう。
戦闘に入る隙に、にぃなは補助魔法を少女に掛け、彼女の身を守る防御力を上昇させた。
そうとは知らずに、リザード兵の攻撃を顧みずに振るった少女は、リーチの差分で勝る相手の槍を受ける。間一髪のところで体勢を低く沈め、擦る程度で済んだ。
攻撃を外したリザード兵の身体に、少女の剣が命中する。大きく切り裂かれたリザード兵は、呻き声を上げながら地面に落下し、光の粒子となって消滅していった。
「痛ぁッ!・・・こんのぉッ!」
少女はそのまま、逆サイドから迫ってくる次の標的に狙いを定め、素早い踏み込みでにぃなの前を横切り、今度は相手の攻撃を避けた後で確実にリザード兵の隙をついて斬り裂く。
「なぁんだ!思ったほど痛く無いんだね。もっと死ぬほど痛いもんだと思ったぁ!」
「私の補助魔法のおかげもあるんだからね!無茶しないでよぉ!?」
どうやら無事に戦闘が行えるようになった少女に、ほっと胸を撫で下ろすシン。実は少女がリザード兵を難なく倒せていたのは、彼女らの影に保険として仕掛けていた、シンの影による助力があったからだった。
万が一シンがリザード兵を止め切れず、戦闘準備が出来ていない後ろの二人に接近を許してしまった際に、二人に近づいた相手の動きを鈍らせる影が、リザード兵の影の中へ自動的に送り込まれるというスキルだった。
前線で思ったように実力を発揮出来ず、簡単に突破されてしまったのにはこういった裏があったのだ。
「戦闘に慣れるのにはもう少し掛かりそうか?」
「大丈夫ッ!このぐらい楽勝ッ!」
すぐに要領を掴んでしまった彼女は、にぃなを背にして正しく戦士のように逞しい戦闘を見せた。
これなら援護は必要なさそうだと判断したシンは、二人の影に掛けたスキルを解除し、自身の戦闘に集中する。
「少しの間、敵数が増えても大丈夫そう?」
「えっ?あんまり増えると分からないけど・・・どうして?」
少女の問いに、シンは短剣の先でリザード兵の奥にいる、武装したひときは異様な雰囲気を漂わせるボスらしきリザード種を指す。
「相手の親玉を仕留めてくる。そしたら二人で残りを一気に倒そう!」
「あんなところまでいける?まだ数がいるけど」
彼女の問いに、得意げな表情を浮かべるシンは、彼女にアサシンのクラスの戦い方を披露する。
「混戦状態の中で自由に動ける状況なら、不意を突きやすくなる・・・。それじゃぁちょっとの間任せたよ!」
そう言って一気に駆け出したシンは、壁となって立ち塞がるリザード兵だけ始末していき、リザード達のボス近くまで接近する。
だが、馬鹿正直に正面から突っ込むのではなく、ある程度近づくと取り巻きのリザード兵の相手をするフリをしながら、ボスの視線から消えるように近くに立ち並ぶ植木の影へと身を寄せる。
そして相手に気付かれぬように、ボスの影と植木の影を繋げ通り道にしようとした時、そのボスの方から何やら不穏な声が聞こえた。
「・・・カゲ・・・」
僅かに聞こえた声だったので聞き間違いだろうと、シンはそのまま影の中を通りボスの背後にある影へと移動する。
背後には数体の護衛のようなリザード兵が立っていたが、これだけの近距離であれば問題はない。暗殺を得意とするアサシンに掛かれば、一撃で仕留められずとも致命的な一撃を入れることができる。
影から飛び出し、リザード達のボスの背後から弱点部位の首を狙って刃を向けるシン。
だが、まるで自分の影からシンが飛び出してくるのを知っていたかのように、リザードのボスh振り返りながら大きな戟を振るう。
自身の身体の変化に驚いた様子の少女は、それが本当に自分の身体なのか試すように両の掌を数回握り、身体を捻ったり飛んでみたりする。
「あ・・・あれ?なんか私より頼り甲斐がありそうね」
戦士のキャラクタースキンへ変わる少女を見て、思わぬ変貌ぶりに想像してた可愛らしいキャラクターの幻想が崩れ去ったにぃな。
「カッコイイ大人ってのに憧れてたの。でも本当にこれで何か変わったの?」
まだ信用できないといった少女の表情から、不安や恐怖といった感情がまだ残っているのが伺える。当然のことだろう。初めはその目に映す現実の光景と、ゲームで遊んでいた時の自身の姿のギャップが激し過ぎて、気持ち的にはコスプレをしているような感覚になっていることだろう。
所謂、自分の理想の姿への“変身“というのは、心の何処かにある思いが表されている。少女の場合、彼女自身が口にしていたように、一人で生きていけそうな強くてカッコイイ女性の姿を、エディットしたことが一目で伝わってくる。
「戦ってみれば分かるよ。要領はゲームの時と同じだから安心して」
すると、彼女のクラスである戦士の武器が前に現れる。その武器は、彼女の体格には少し大きく感じる、西洋風の剣だった。
恐る恐る剣を手に取る少女は、見た目よりも軽く感じたその武器の質量に目を丸くするが、それは剣が軽いのではなく彼女自身の腕力が、キャラクターのステータスによって上昇したからだった。
「これでゲームと同じように戦えばイイんだよね?」
そう言って剣を構えた少女は、シンを躱し後方の二人目がけてやって来たリザード兵の一体へ狙いを定める。
「でも、極力ダメージは受けない方がいいよ?ゲームと違って痛みはあるから」
「そんなこと今更言わないでよ!」
しかし今更引き下がれない。少女は握りしめた武器を力強く握りしめ、リザード兵の接近に合わせ勢いよく振るう。
戦闘に入る隙に、にぃなは補助魔法を少女に掛け、彼女の身を守る防御力を上昇させた。
そうとは知らずに、リザード兵の攻撃を顧みずに振るった少女は、リーチの差分で勝る相手の槍を受ける。間一髪のところで体勢を低く沈め、擦る程度で済んだ。
攻撃を外したリザード兵の身体に、少女の剣が命中する。大きく切り裂かれたリザード兵は、呻き声を上げながら地面に落下し、光の粒子となって消滅していった。
「痛ぁッ!・・・こんのぉッ!」
少女はそのまま、逆サイドから迫ってくる次の標的に狙いを定め、素早い踏み込みでにぃなの前を横切り、今度は相手の攻撃を避けた後で確実にリザード兵の隙をついて斬り裂く。
「なぁんだ!思ったほど痛く無いんだね。もっと死ぬほど痛いもんだと思ったぁ!」
「私の補助魔法のおかげもあるんだからね!無茶しないでよぉ!?」
どうやら無事に戦闘が行えるようになった少女に、ほっと胸を撫で下ろすシン。実は少女がリザード兵を難なく倒せていたのは、彼女らの影に保険として仕掛けていた、シンの影による助力があったからだった。
万が一シンがリザード兵を止め切れず、戦闘準備が出来ていない後ろの二人に接近を許してしまった際に、二人に近づいた相手の動きを鈍らせる影が、リザード兵の影の中へ自動的に送り込まれるというスキルだった。
前線で思ったように実力を発揮出来ず、簡単に突破されてしまったのにはこういった裏があったのだ。
「戦闘に慣れるのにはもう少し掛かりそうか?」
「大丈夫ッ!このぐらい楽勝ッ!」
すぐに要領を掴んでしまった彼女は、にぃなを背にして正しく戦士のように逞しい戦闘を見せた。
これなら援護は必要なさそうだと判断したシンは、二人の影に掛けたスキルを解除し、自身の戦闘に集中する。
「少しの間、敵数が増えても大丈夫そう?」
「えっ?あんまり増えると分からないけど・・・どうして?」
少女の問いに、シンは短剣の先でリザード兵の奥にいる、武装したひときは異様な雰囲気を漂わせるボスらしきリザード種を指す。
「相手の親玉を仕留めてくる。そしたら二人で残りを一気に倒そう!」
「あんなところまでいける?まだ数がいるけど」
彼女の問いに、得意げな表情を浮かべるシンは、彼女にアサシンのクラスの戦い方を披露する。
「混戦状態の中で自由に動ける状況なら、不意を突きやすくなる・・・。それじゃぁちょっとの間任せたよ!」
そう言って一気に駆け出したシンは、壁となって立ち塞がるリザード兵だけ始末していき、リザード達のボス近くまで接近する。
だが、馬鹿正直に正面から突っ込むのではなく、ある程度近づくと取り巻きのリザード兵の相手をするフリをしながら、ボスの視線から消えるように近くに立ち並ぶ植木の影へと身を寄せる。
そして相手に気付かれぬように、ボスの影と植木の影を繋げ通り道にしようとした時、そのボスの方から何やら不穏な声が聞こえた。
「・・・カゲ・・・」
僅かに聞こえた声だったので聞き間違いだろうと、シンはそのまま影の中を通りボスの背後にある影へと移動する。
背後には数体の護衛のようなリザード兵が立っていたが、これだけの近距離であれば問題はない。暗殺を得意とするアサシンに掛かれば、一撃で仕留められずとも致命的な一撃を入れることができる。
影から飛び出し、リザード達のボスの背後から弱点部位の首を狙って刃を向けるシン。
だが、まるで自分の影からシンが飛び出してくるのを知っていたかのように、リザードのボスh振り返りながら大きな戟を振るう。
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