【完結まで残り1話】桜の記憶 幼馴染は俺の事が好きらしい。…2番目に。

あさひてまり

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高校生編side晴人 たくさんの初めてを君と

105.繋がる ※

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クチュ クチュ

「あっ…ンッ、やぁ…」

抑えきれない甘ったるい声と、卑猥な水音が部屋に響く。

『バッチリ準備してました!』みたいな俺の発言を聞いた蓮にベッドに押し倒されて。

そんなつもりじゃなかったって抵抗も虚しく、身体中を愛撫されてもうグズグズだ。

「ンンっ…ふっ…」

舌を絡めて貪られるようなキスに背筋がゾクゾクする。

帯を抜かれた浴衣は辛うじて腕に引っ掛かってるだけで、全く意味を成してない。

下着も脱がされて、全てを蓮の前に晒してる。

「一回イッとけ。」

「…あっ、蓮…ダメ…!あぁッ!!」

蜜を溢す昂りを口に含まれて嬌声が止まらない。

シャワー浴びてないのに…なんて言葉は快楽に飲み込まれてしまう。

「ん、いい感じ。そのまま力抜いてろよ。」

白濁を放ってクッタリ脱力した俺の身体を後ろに向けると、蓮はベッドサイドから何か取り出した。

それを手に出して、少し温めるような仕草の後…

「ひゃっ!?」

お尻の境目に冷たさを感じて思わず叫んだ。

吐精してボンヤリしてた頭の中が一気に晴れる。

「ちょっ!蓮!ダメだって!」

次の蓮の行動が分かってしまって慌てて身を捩る。

「オイ、動くな。大丈夫だから。」

「大丈夫じゃないから!俺の話聞いてた!?」

蓮に見られたくないから一人で頑張ろうとしたって言ったはずですけど!?

「聞いてた。『もう綺麗にしてるから大丈夫』なんだろ?」

「わぁぁ!違う!そっちじゃなくて!」

不用意にしちゃった発言の方をピックアップされて悶える。

「このために中の洗浄してたんだろ?恋人の期待には応えないとな。」

「な、何言って…あッ…ンッ」

ハッキリ『違う』とも言い切れるなくて、蓮もそれを分かってて言ってるのか愉しそうで…。

「晴がどうしても嫌なら、最初から全部するのは諦めてもいい。」

「…え?」

「今みたいに洗浄までは晴がやっていいから、そっから先は俺にやらせろ。」

「…え、いや、それでも…」

「かなりの譲歩じゃね?それに、自分で解すの怖いだろ?俺が傷付かないようにやるから。」

窄まりを撫でられて、今にも入ってきそうな指に震える。

だけど、それは恐怖と羞恥だけじゃない。

蓮に組み敷かれてからずっと、腰の奥が疼いてて。

それをどうにかして欲しくてーーー。

「ゃ、あっ…!」

沈黙を是と受け取ったのか、ツプリの蓮の指が中に入って来たのが分かった。

ゆっくりと、でも拡げるような感触。

「痛くないか?」

「だ、いじょうぶ…何か変なだけ…。」

優しい声で問われて素直に思ったまま返すと、背後からギュッと抱きしめられた。

「ゆっくりするから。痛かったらすぐ言えよ。」

腰を持ち上げられて、お尻を突き出すような体勢が恥ずかしい。


どのくらいそうしてたんだろう。

一本だった指が二本に増えて。

ローションで滑りを良くした窄まりからは、絶えずグチュグチュと音が出る。

「もう一本増やすぞ。」

蓮の声と共に圧迫感が増して息を詰めると、慰めるように背中にキスが降って来た。

「んっ…ふうっ…」

「晴、キツイ?」

「だい…じょ…ぶ…」

本当はキツイ。

痛くはないけど違和感が凄い。

「今日はここまでにしとく?無理させたくねぇ。」

そう言って、蓮が指の角度を変えた時だった。

「……アッ!?」

ビリビリとした感覚に腰が跳ねた。

「あった、ココか?」

「やぁぁんッ…!!」

その場所を指で挟まれてコリコリ刺激されると堪らない。

「あっ…イヤァ、それダメッ…あぁぁんッ!!」

「晴、すげぇエロイ。可愛い。」

快感を逃したくて腰をくねらせる俺に、恍惚とした蓮の声が降って来る。

「好きなとこ、いっぱい触ってやる。」

「あっ、あっ…あァッ!!」

脚がガクガクして力が入らない。

「晴、気持ちいいか?」

「あんッ、気持ちぃ…もっと…やぁんっ!」

「ぐっ…尻振って煽ってるとしか思えねぇ。
もう限界だわ。挿れるぞ、晴。」

え?と思う間に指が抜かれて、熱い切っ先が突きつけられた。

「待って、蓮!待って!!」

「…ッ、嫌だ?」

苦し気に、それでも俺の声に身体を離そうとする蓮。

「そうじゃなくて…顔見えないの、怖い…。」

囁くように言うと、俺の腰を支える腕に力がこもった。

「顔見たいのは俺もだけど、初めては後ろからの方が負担少ねぇらしいから…」

「お願い、蓮…」

懇願すると、向き合うようにそっと身体を返された。

「ゆっくりするから、辛かったらすぐ言え。」

コクリと頷くと、腰の下にクッションが差し込まれた。

脚を折り曲げられて、窄まりを晒すような格好になる。

「挿れるぞ。」

お腹に着く程昂った蓮のそれ。

苦しいだろうに、さっきは俺の静止に身体を離して行為を止めようとさえしてくれた。


大切にされてる。

俺の心も身体も、凄く。


その事実に胸が熱くなる。

蓮を受け入れたい、もっと深く繋がりたい。


「…蓮、きて…。」

「~~ッ頼むから煽んな…!」

ゴム越しでも分かる熱いそれが、グッと押し広げて入って来る。

ローションを追加しつつ、ゆっくり、ゆっくり。

圧迫感が指の比じゃなくて、痛くは無いけど苦しい。

「晴、大丈夫か?」

俺を気遣いながら、本当に徐々に進んで。

「ハァ…んっ…あぁ!!」

必死に耐えてると、ふいにさっき快楽を引き出された前立腺を擦られて腰が跳ねた。

「あぁんッ…やぁ、強くしちゃダメ…!」

「…うっ、スゲェ。中、うねってる…!」

ゴリゴリとそこを押し潰しながら奥に入って来る蓮。

目の前がチカチカして、繋がった部分が熱くて溶けそうで。

「…ッ晴、全部入った。よく頑張ったな。」

奥までみっちり、それはもう一部の隙間もない程になった所で、ようやく蓮が腰の動きを止めた。

労うように顔中にキスされて、苦しい呼吸の中でも喜びが湧く。

「んっ、嬉し、い…。」

「俺も。晴の中スゲェいい。」

「や、恥ずかし…。」

「ふ、可愛い。…馴染むまで動かないから力抜け。」

この後の緊張から知らずに身体に力が入ってた俺を、蓮のキスが解していく。



少しずつ脱力して来た時、ふいに乾いた音と共に部屋に光が差した。

「花火……。」

祭りの終わりに盛大に打ち上がる花火は、蓮の部屋から良く見える。

子供の頃は良くここで観てたな。

そう言えば、水族館で告白された時にも花火が上がってたっけ。


「晴、こっち見ろ。」

窓の外に逸れた視線を、蓮に引き戻される。

赤や青のほのかな光に照らされたその表情には、余裕なんてなさそうで。

「俺の事以外考えんな。」

焦がされそうな視線と、強い独占欲。

その全部が、俺の心を駆り立てる。


「好き。蓮、大好き…。」

堪らなくなって、蓮にギュッと抱きついた。

「…ッ、マジで…そんなん言われたら我慢きかねぇ!」

腰を揺らす蓮から激しい欲望が滲むのに、その動きは酷くゆっくりで。

「あッ、あんッ…蓮、我慢しなくて…いいから…!」

「…ッバカ、お前が辛いんだぞ…!」

「ん…大丈夫、だから…もっと動いて…蓮と、ちゃんと繋がりたい…お願……あぁぁんッ!!」

激しくなった動きに、悲鳴みたいな嬌声が溢れる。

「晴…好きだ…!!」

揺さぶられて、快楽と未知の感覚の嵐の中、もうどうなってるのか分からない。

それでも、俺を呼ぶ声と愛の言葉に気持ちはどんどん高まって。

痛い程に勃ち上がった俺の中心を蓮に扱かれると、もう限界だった。

「あっ、蓮!!ダメ…も、イッちゃう!!」

「俺も、ハァ……イクッ!」

「蓮!…れん…!あァァァッ!!!」

達したのと同時に、俺の中でもゴム越しに熱い飛沫が弾けた。


「晴…、晴…!」

荒い息を吐いて俺の上に倒れ込んだ蓮に抱きしめられる。


仄かに色付く花火の明かりが幻想的な部屋の中、
重ねた肌の温もりだけがリアルで。


まるで、世界に二人きりみたいだーー。



「晴、好きだ。」


「俺も…好き。」



ただお互いだけを感じて、口付けを交わした。


●●●

























つ、遂に…!お赤飯炊かなきゃ!!

次回はグンと時間が進みます。
(事後の話はside蓮で!笑)




































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