【完結まで残り1話】桜の記憶 幼馴染は俺の事が好きらしい。…2番目に。

あさひてまり

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高校生編side晴人 たくさんの初めてを君と

101.破局の危機!? ※

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「な、なんで…。」

大谷君がここにいる事にもビックリだし、BLサイト閲覧中な所を見られたのもアレだし。

何よりその内容についてコメントされて、驚きすぎて言葉が出てこない。

「オメガバースはBL界でも万人受けするとは言い難いからね。」

「ち…違う違う!そうじゃ…そうじゃない!」

動揺のあまり某歌みたいな事言っちゃったよ。

「お、大谷君ここの塾だったの?」

「うん。大手は好きじゃないんだ。」

なるほど、拘りがあるのね。

「それより、君がBLに興味あるとは知らなかったよ。」

「あ…えっと興味あるって言うか…社会勉強的な感じでして…。」

「ふーん。それで、どんなのがいいの?」

「え?」

「どんな感じのが読みたいの?」

「え…初めてだから良く分かんない…。」

「だったら軽めのからだね。ドラマ化してるコレとか。」

俺のスマホ画面を指差して教えてくれる。

「合体しても大丈夫なら、この辺りは絵も綺麗だし純愛だからおすすめ。」

が、合体…!?

もしかして、それが俺が読むべき物なんだろうか。

「それって…その、BLってそう言うシーンが多いの?」

「一概には言えないけど、多いかな。そう言うのは苦手?」

「わ、分かんない…。」

「そう。なら一度読んでみるといいよ。
身体を繋げるのは愛の交換だ。
心身共に結ばれる幸福は何にも代え難い。
…と言うのを最も描いているのはBLだと僕は思うよ。」

その時、ガヤガヤと女子の一団が部屋に入って来て大谷君はサッと俺に背を向けて出て行ってしまった。

な、何か良く分かんないけど親切に教えてくれたみたいだ。

おススメされた作品、帰ったら読んでみよう。












「無理ぃぃぃぃぃぃ!!!」

帰宅後、部屋のベッドでゴロンゴロンのたうち回る。

BL、読みましたとも!

内容は面白かったし絵も綺麗だし全然抵抗なんかなかった。

それこそ、俺と蓮がしてる抜き合い的な事もしてて…うっかり蓮の手の動きを思い出しちゃって羞恥に叫びかけたけど。

だけど…だけどさ…。

衝撃はそこじゃなかったんだ。

俺は知ってしまった。

男同士の性行為には、尻の穴を使うって事を。


えぇぇ!?そこは出す所なのでは!?

でも、何か凄い気持ちよさそうにしてる…。

漫画だから多少フィクションはあるにしても、やり方はきっとこうに違いない。

そして、受け入れる側は準備が必要、とな。

方法は漫画には出て来ないけど、中を綺麗にして…拡げ…る?

入れる側の方が『指増やすぞ』って言ってるって事は…蓮が俺の中に、手を…!?

ムリムリムリムリ!!

蓮にそんな事させられないよ!!


…あ、でも待って。

逆でもいいのでは?

つまり、俺が蓮の中に…うん、それは大丈夫な気がする。

って事は、『受け』が蓮で『攻め』が俺か。


…イヤイヤイヤ、それこそ無理だろ!!

キスだけであんな翻弄されてる俺が蓮を満足なんてさせらんないよ!!

って事は、つまり…。

「俺、最後まではできないかもしれない…。」

その場合はどうすればいいの?

慌ててスマホで検索して、出てきた言葉に目を見張る。

『セックスレスは破局の原因の一つ』
『セックスレスでの離婚は成立する』

俺が知らなかっただけで、恋人や夫婦の関係にそれは重要な事なんだ…。


じゃあ…

蓮も俺と別れたいって思うかも…。


スマホを見つめたまま、俺は動けなかった。









次の日。

朝から気合いを入れて鏡の前に立つ。

今日、俺には大いなる使命があるのだ。

『明日のお泊まりを蓮に断る』っていう!!



昨日、あれから考えたんだよ。

俺がって蓮に気付かれたら、もしかしたら…振られるかもしれない訳で。

それは絶対に嫌だ。

じゃあさ、にならないようにすればいいのでは?

そしたらバレる確率はグッと低くなる。…はず。


一時的な時間稼ぎにしかならないのは分かってるけど、その間に解決策が見つかるかもしれないし。


今俺ができる事は、蓮とイチャイチャしない事だ!


だからお泊まりは断らないといけない。

OKした時は深く考えてなくて、一緒にいられるのが嬉しかったけど…。

二人っきりで過ごしてて何にもないとは考え難い。

これまでみたいに触り合って…万が一その先に進む雰囲気になったらーーー。


ーーダメダメ、それは阻止しないと!


って訳で、俺は朝から気合いを入れてる。

大丈夫、俺ならできる!!









「で?何で俺の事避けてる訳?」

「さ、避けてなどは…」

「いや明らかにおかしいだろ。」

壁に追い詰められた俺in蓮の部屋。


どうしてこうなった!?

恋人っぽい雰囲気を出さない策戦は完璧だったはずなのに。

「自分が隠し事下手だって自覚しろや。
話しかける度に声裏返るわ、明日の話しようとすると不自然に話題変えるわ。バレバレだっつの。」

剣呑な雰囲気を纏った蓮が言う。

そ、そんな…全部バレてたなんて…。

明日の約束を断るはずが…まさかの今日(まだ金曜!)のうちに切藤家に連れ込まれてしまった。

「ほら、晴…?言わねぇと無理矢理吐かせるぞ?」

怖ッ!!

だけど、俺は言う訳にはいかないんだ。

だって、言ったら蓮はーーー。

「黙秘!黙秘しま…ンッ…!キスは反則…ンンッ」

「ふーん。じゃあ身体こっちに聞くわ。」

耳を噛まれて首筋を舐められると肌が粟立った。

あっと言う間にシャツの下に侵入してきた手が背中を撫でる。

「やっ…んんっ!」

胸の尖りを捏ねられると力が抜けて、その隙にベルトを引き抜かれた。

制服のスラックスが地面に落ちて、パンツの中に蓮の手が入って来る。

「んぅぅぅ」

汚いからダメって言いたいのに、唇を塞がれて上手く話せない。

クチクチと音を立て始めた手の動きに抗えない。

それを見て取ったのか、蓮が床に膝をついた。

そして、一切躊躇う事なく昂りだした俺の中心をその口内に収める。

「あぁっ、ダメ…あッあッ!」

強い快感に足がガクガク震えるのに、壁に押し付けられて無理矢理立たされてる状態。

「言う?」

崩折れたいのにそれを許してもらえないのが辛くて、快感を逃すために反射的に首を横に振った。

それがいけなかったのか、蓮の口の動きが激しくなる。

「ひゃぁぁん!」

ジュポッと言う音と共に強く吸われて、嬌声が溢れた。

タラタラと流れる先走りを蓮の舌にねぶられて堪らない。


その時、蓮の手が尻を触ってーーー割れ目をスルリと撫でた。

触れられた場所の奥が微かに疼いて狼狽える。

思わず腰を揺らすと、蓮が俺の中心から口を離した。

唾液と先走りでヌラヌラ光るそこに指を絡めて纏わせると、割れ目に塗り広げる。

そしてーー


ツプリ


濡れた指先がに入り込む感覚に息が詰まった。


奥の疼く所をどうにかして欲しい。

でも、蓮にこんな所触らせたくない。

だけど嫌って言ったら、蓮と一緒にいられなくなっちゃう。


でも、でも、でもーーー



「うっ…ふぅ…」

パニックになって、気付いたら大粒の涙を流してた。

驚いた蓮の腕が緩んで、俺はペタリと床に座り込む。

「晴!?ちょっ、泣くな…もうしないから、なっ!?」

俺を抱き上げて、向かい合わせに自分の膝に乗せながら蓮が慌ててる。

抱きしめて、背中を撫でて頬を流れる涙を唇で受け止めてくれて。

嫌だ、この優しい手から離れるなんて俺には耐えられない。


「別れたくない~~~~!!」


「…………………は?」


困惑して固まる蓮を置いてけぼりにして、わんわん泣きながらその胸に顔を埋めた。


●●●




























恋愛初心者、またもやパニック中。。

晴人が思わず言っちゃった歌詞、若い子は分かるんだろうか笑























































































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