【完結まで残り1話】桜の記憶 幼馴染は俺の事が好きらしい。…2番目に。

あさひてまり

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高校生編side晴人 たくさんの初めてを君と

102.甘い生活と決意 ※

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「……なるほど。それで俺が別れると思った、と。」

向かい合って蓮の膝に座ったまま宥められて、俺は全てを話した。

蓮の目を見れなくて、俯いたままコクンと頷く。

頭上からハァァと言う溜息が落ちて来て、ビクッと震えた。

やっぱり呆れられたんだ。

そうだよね、こんなの恋人って言えないもん。

また涙が滲みそうになって、唇を噛み締めた時だった。



「バカ、そんなんで別れる訳ねぇだろ。」

「ーーーーえ?」

「え?じゃねぇわ。それとも何だ?お前は俺が身体目的で付き合ってるとでも?」

「えぇ!?」

そんな事、考えてもみなかったけど…。

「そんなの思った事もないよ!そうじゃなくてさ…皆んなが『好きなら当然』って思ってるような事なのに、俺はできる自信が無くて…。
それが別れとか、離婚にまで繋がる事なんだって初めて知ったんだ…。」

だから、怖くなった。

できないって思ってる俺は、恋人を名乗る資格も無いんじゃないかって。

蓮にも呆れられて、嫌われるんじゃないかって…。


「晴、顔上げろ。」

言われてノロノロ蓮を見上げると、少し怒ったような表情。

「俺はお前が嫌ならしなくていい。それでも別れる気なんて1ミリもねぇからな。」

ポカンとする俺の頬を撫でながら蓮が続ける。

「世間の大多数に合わせる必要なんてねぇんだよ。俺達が良ければそれで。」

「…でも、蓮は『最後までしたい』んだよね?」

「あぁ、あれか。修旅の時、俺が中途半端な言い方したからだよな?」

蓮は少し困ったように俺を見つめる。

「…まぁ、ぶっちゃけその気持ちが無いとは言わない…。ただ、晴が嫌なら絶対しない。」

キッパリ言ってくれた蓮は、本当に俺を大事にしてくれてる。

だけどそれは、蓮に我慢させるって事になるよね…。

「あのなぁ、ヤれないくらいでお前の事手放せるんだったら苦労しねぇよ。」

浮かない顔になった俺を見て、蓮が頬を抓ってきた。

「こうやって晴が腕の中にいて、『別れたくない』って泣いてくれるんだぜ?俺にとっちゃ夢みてぇな事だから。」

チュッとキスされて微笑まれると、胸の奥が切なくなった。


突然湧き上がった衝動に戸惑う。

「どうした?」

優しく聞いてくるその頬に手を添えると、伸び上がって唇を重ねた。

薄く開いたそこに舌を差し入れると、驚いた気配が伝わってくる。

それでもすぐに応えてくれて、クチュクチュと舌を絡め合った。

離した唇を透明な糸が繋ぐのを見て、ハッと我に返る。

俺から深いキスをしたのは初めてだ。

「…ごめッ…蓮の事、好きって思ったら…胸がキュッてなって、したくなっちゃって…。」

自分の大胆な行動に真っ赤になりながら言うと、真剣な蓮の瞳に射抜かれる。

「俺も、晴の事好きで可愛くて堪んないから触りたくなる。」

強く抱きしめられて、耳元で囁かれた言葉に脳が溶けてしまいそうだ。

「言葉じゃ伝えきれない分、際限なく気持ち良くしてやりたい。」

さっきの名残りでブランケットを巻いただけの腰に手を這わされる。

「こう言うのは嫌じゃないだろ?」

「あッ……」

スルリと滑らせた手で前を触られて、声を漏らした俺の顔を蓮が覗き込んだ。

「それとも、嫌?」

愉しそうに微笑む表情から、俺の返事なんて分かってるんだろう。

その証拠に、手の動きが止まる事なく俺を苛む。

さっき達する所までいかなかったせいで敏感なままのそこは、あっという間に蜜を溢し始めた。

「…んっ、…アッ…!」

なのに、決定的な刺激はくれないのが焦ったい。

「やっ…、蓮…!」

「ん?嫌なのかどうか返事ないから。」

だからってこんな生殺しみたいなことするなよ!

そう憤りたいのにできなくて、蓮の手に自分の手を重ねて握り込もうとする。

「ほーら、それはダメ。ちゃんと答えろ。」

あっけなく手を拘束されてしまった。

相変わらずのヤワヤワした刺激でおかしくなりそう…。

「おねが…嫌じゃない…から…!」

「晴は気持ちいい事好きだもんな?」

縋り付きながら言うと、追い討ちをかけてくる。

「……っ好き…好きだから…も、イかせて…!」

「晴、可愛い。」

やっと望みを叶えてもらえそうな悦びと、自分の破廉恥な言葉に煽られて思考が弾ける。

もっと気持ち良くなりたくて、蓮が欲しくてーー。

「んっ、…蓮のと、いっしょにシて…?」

「…ぐっ…」

涙でぼやける視界に、蓮が頭を抱えるのが映った。

それでも制服の前を寛げて、バキバキに昂ったものを取り出す。

それを見たら堪らなくて、自分のものを蓮のそれに擦り付けた。

「熱い…蓮の…」

「…エッロ…。」

拘束されたままの手が使えず、腰をヘコヘコ揺らして何とか刺激を得ようとする。

なのに、先走りで滑ってなかなか思うようにいかない。

「…ヤベェ、俺が我慢できねぇわ…!」

切羽詰まったような声と共にベッドに押し倒された。

覆い被さる蓮が、俺のと自分のを一緒に扱き始める。

「あぁんッ…気持ちぃ…!れん…!」

「ハァ…晴、好きだ…もっと名前呼んで…」

「アッ…、れん…!れんっ!好きっ…」


好きで好きで、苦しいくらいーーー。


ズクンッ


その時、腰の奥が疼いた。

前にも感じたこの感覚を不思議に思ってたけどーー。

今、分かった気がする。

蓮をもっと強く感じたいんだ。

深く繋がって、溢れる『好き』を伝えたい。

この場所が疼くのは、つまりーーー


「あぁぁぁッッ!!」


昇り詰めて全部が真っ白になった。

白濁を放ちながら、薄れ行く意識の中で誰かの声がする。


『身体を繋げるのは愛の交換だ。』


そっか、そうなんだね。


最後までする事がそれなら、俺ーーー。











結局、金曜の放課後から日曜の夜まで蓮と2人っきりで過ごした。

着替えを取りに帰ろうとしたんだけど、頑なに拒否されて。

蓮のスウェット(ハイブランドで着心地最高)を着せられたんだけど、何でか上しか貸してくれなくてさぁ。

身長が違うから太ももの中間までは隠れるんだけど、生脚ってどうなの?

因みにズボンの方は蓮が履いてるって言う謎。

ワンセットを二人で分けて着るって、ペアルックよりも恥ずかしい気がする…。

飯はウーバーで好きな物頼んで、ネトフリで映画観て(切藤家にはシアタールームがあるから大迫力)、眠くなったら寝て。


その全てを蓮と密着しながら過ごした。


えっとつまり…食べる時は蓮の膝の上、映画鑑賞は蓮の足の間、寝る時は蓮の腕の中。


こ、これはマズイ。


ダメ人間になりそうな程ベタベタしてるのに、幸せで仕方ない。



そ、それ以外の時間?

…えっと、まぁ…イチャイチャはしたよ。

うん…。


って言うか!

この3日間、そっちが本当に凄すぎて…!

思い出すだけで憤死しそう!!



言いくるめられて一緒に入ったお風呂で、お湯の中でイかされて。

洗い場の壁に手をついて、後ろから素股でイかされて。

ベッドでも襲われそうになったから、俺が口で蓮をイかせて。

これまたベッドで、横に寝た体勢で後ろから抱き込まれて。
乳首を散々弄られて、泣くまで焦らされてから下を扱かれてあっと言う間にイッて。


全身のキスマで、病気か!?って肌の状態だし、乳首はちょっと…腫れてる気がするし。


うぁぁ!もう恥ずかしいったらない!!


だけど、蓮が終始ご機嫌でそれが可愛かったから許してしまったのも事実で。


そして、行為中に腰の奥が疼く度に蓮と深く繋がりたいって思いが強くなった。



もっともっと、好きを伝えたい。

蓮に気持ち良くなって欲しい。


そして、気付いた。



蓮に中を触られるのに抵抗があるなら、自分で解せるようになればいいんだ。


●●●

























ラブラブ加速回でした。笑
決意した晴人の挑戦やどうなる!








































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