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高校生編side晴人 事件の始まり…なのにキスとかそれ以上とか⁉︎
28.不意打ち
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木村さんは俺と良く似てると思う。
相川さんと「友達」だなんて烏滸がましいと言った彼女に、俺自身の姿が重なった。
俺から見ると彼女は普通に可愛い。
白い肌につぶらな瞳、艶々の黒髪。
しかも少し話しただけで、優しくて気遣いができる子なんだなって言うのが伝わって来る。
確かにタイプは違うから、相川さんと木村さんが一緒にいたら好奇心が刺激されて思っちゃいそうだ。
「何で仲良くなったんだろ?」って。
でもそれは2人の馴れ初め聞きたい!
みたいな事で、別に一緒にいる事をどうこう思ってる訳じゃなくて。
…あれ?
…もしかしてこれって俺にも当て嵌まる?
蓮と一緒にいる時、周りでヒソヒソ言われてた
「何で?」「全然タイプ違くない?」
って言葉も。
全部が全部「あんたが蓮と一緒にいるなんて烏滸がましいのよ!」って悪意ではなかったのかも…。
「何で(仲良いんだろうね)?」
「(どうして仲良くなったんだろ)全然タイプ違くない?」
これなら純粋な好奇心とか疑問、だよね…?
俺は多分、そう言う事を言われ出した時のにはもう、無意識に蓮の事が好きだったと思う。
だから、蓮と俺が一緒いる事に対して否定的に取れる言葉に、ちょっと過敏になってたんじゃないだろうか。
馬鹿だよなぁ。
周りなんて気にしなくて良かったのに。
俺に直接言って来ないんなら、それに反応する必要なんて無かったんだ。
まぁでも、相川さんにはハッキリ言われてるからそこは気にしちゃうけどね。
むしろ言われなかったら蓮の気持ちに気付かずに今も迷惑かけてたかも。
その点では相川さんに感謝…なのかな?
何か…ちょっと癪ではあるけど。。。
そんな事を考えてたら、木村さんに聞かれた。
「萱島君は、今でもその人と一緒にいたい?」
上手く答えられなくて、曖昧に笑ってしまう。
そりゃあ、好きだから傍にいたい。
だけど、好きだって気付いてから、全くその気が無い相手の傍にいるのってめちゃくちゃハードじゃない?
これから蓮に彼女ができたり(相川さんの反応的に、遥と蓮のは別れてたみたいだ。)もっと先の未来で結婚したりする訳じゃん。
それ、笑って見てられる?
おめでとうって言える?
…俺には多分無理だ。
隠し通せなくてボロが出そう。
それでさ、蓮に知られて…。
蓮は優しいから、気持ち悪がったりはしないと思う。
でも、間違いなく気は使わせちゃうよな。
だから俺は、遠くからレンの幸せを見てるだけでいい。
気付かれなければ、何も無いのと同じだ。
それなら、俺がどんなに泣いたって蓮には迷惑かからないだろ?
でも、蓮が困った時は必ず助けるから。
まぁ実際は、蓮が俺に助けを求める程困る事なんて無さそうだけど…。
それでも、俺の中でこれは絶対だ。
その後も木村さんと色々な話しをしてーー。
彼女の「こんな私、誰にも好かれなくて当然だよ」って言葉は即座に否定した。
夏祭りの夜を思い出す。
蓮の事があって、周りの人達の事を疑い始めてしまった時に翔君からもらった言葉。
『大切な人の事は信じなきゃな。』
この言葉があったから、俺は今も大切な人達と一緒にいられてる。
だから、木村さんにも伝えたかった。
張り詰めた様子の彼女が、少しでも楽になればいいなと思ってーー。
ブブブッ
ふいにスマホの音がした。
近くのテーブルの上に置いた俺のスマホじゃないみたいだ。
木村さんのかな?
そう思って彼女を見ると、酷く顔色が悪い。
瞳が落ち着きなく揺れている。
「大丈夫?」
そう声を掛けた俺の耳に、いるはずのない人の声が聞こえた。
それともう1人、女子の声も。
談笑してる様子の2人は、プールへ続くドアのすぐ向こうまで来ている。
「…萱島君。…ごめんね…。」
泣きそうな声に木村さんに意識を戻した時には、腕を強く引かれていた。
え?
引き寄せられた俺と木村さんの顔が近付く。
そしてーーー。
驚く俺の視界の端に、蓮の姿が映った。
●●●
次回タイトル「キス」です!!!
相川さんと「友達」だなんて烏滸がましいと言った彼女に、俺自身の姿が重なった。
俺から見ると彼女は普通に可愛い。
白い肌につぶらな瞳、艶々の黒髪。
しかも少し話しただけで、優しくて気遣いができる子なんだなって言うのが伝わって来る。
確かにタイプは違うから、相川さんと木村さんが一緒にいたら好奇心が刺激されて思っちゃいそうだ。
「何で仲良くなったんだろ?」って。
でもそれは2人の馴れ初め聞きたい!
みたいな事で、別に一緒にいる事をどうこう思ってる訳じゃなくて。
…あれ?
…もしかしてこれって俺にも当て嵌まる?
蓮と一緒にいる時、周りでヒソヒソ言われてた
「何で?」「全然タイプ違くない?」
って言葉も。
全部が全部「あんたが蓮と一緒にいるなんて烏滸がましいのよ!」って悪意ではなかったのかも…。
「何で(仲良いんだろうね)?」
「(どうして仲良くなったんだろ)全然タイプ違くない?」
これなら純粋な好奇心とか疑問、だよね…?
俺は多分、そう言う事を言われ出した時のにはもう、無意識に蓮の事が好きだったと思う。
だから、蓮と俺が一緒いる事に対して否定的に取れる言葉に、ちょっと過敏になってたんじゃないだろうか。
馬鹿だよなぁ。
周りなんて気にしなくて良かったのに。
俺に直接言って来ないんなら、それに反応する必要なんて無かったんだ。
まぁでも、相川さんにはハッキリ言われてるからそこは気にしちゃうけどね。
むしろ言われなかったら蓮の気持ちに気付かずに今も迷惑かけてたかも。
その点では相川さんに感謝…なのかな?
何か…ちょっと癪ではあるけど。。。
そんな事を考えてたら、木村さんに聞かれた。
「萱島君は、今でもその人と一緒にいたい?」
上手く答えられなくて、曖昧に笑ってしまう。
そりゃあ、好きだから傍にいたい。
だけど、好きだって気付いてから、全くその気が無い相手の傍にいるのってめちゃくちゃハードじゃない?
これから蓮に彼女ができたり(相川さんの反応的に、遥と蓮のは別れてたみたいだ。)もっと先の未来で結婚したりする訳じゃん。
それ、笑って見てられる?
おめでとうって言える?
…俺には多分無理だ。
隠し通せなくてボロが出そう。
それでさ、蓮に知られて…。
蓮は優しいから、気持ち悪がったりはしないと思う。
でも、間違いなく気は使わせちゃうよな。
だから俺は、遠くからレンの幸せを見てるだけでいい。
気付かれなければ、何も無いのと同じだ。
それなら、俺がどんなに泣いたって蓮には迷惑かからないだろ?
でも、蓮が困った時は必ず助けるから。
まぁ実際は、蓮が俺に助けを求める程困る事なんて無さそうだけど…。
それでも、俺の中でこれは絶対だ。
その後も木村さんと色々な話しをしてーー。
彼女の「こんな私、誰にも好かれなくて当然だよ」って言葉は即座に否定した。
夏祭りの夜を思い出す。
蓮の事があって、周りの人達の事を疑い始めてしまった時に翔君からもらった言葉。
『大切な人の事は信じなきゃな。』
この言葉があったから、俺は今も大切な人達と一緒にいられてる。
だから、木村さんにも伝えたかった。
張り詰めた様子の彼女が、少しでも楽になればいいなと思ってーー。
ブブブッ
ふいにスマホの音がした。
近くのテーブルの上に置いた俺のスマホじゃないみたいだ。
木村さんのかな?
そう思って彼女を見ると、酷く顔色が悪い。
瞳が落ち着きなく揺れている。
「大丈夫?」
そう声を掛けた俺の耳に、いるはずのない人の声が聞こえた。
それともう1人、女子の声も。
談笑してる様子の2人は、プールへ続くドアのすぐ向こうまで来ている。
「…萱島君。…ごめんね…。」
泣きそうな声に木村さんに意識を戻した時には、腕を強く引かれていた。
え?
引き寄せられた俺と木村さんの顔が近付く。
そしてーーー。
驚く俺の視界の端に、蓮の姿が映った。
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次回タイトル「キス」です!!!
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