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玉兎編4

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 一刀を見下ろしていた玉兎が突然膝を付いて倒れ込んで覆い被さり、唇を合わせた。

「!」

 口で口を塞がれたのみならず、玉兎の舌が一刀の口の中に入り込み剣のように振り回される。
 上顎、歯の裏、舌と雅の舌で一刀の口の中を的確に刺激され、一刀はさらに興奮する。

「ふむ、中々心地よいものじゃな」

 長い間一刀の口中を嬲った後、玉兎はようやく離れた。口と口の間に白い糸を引くが、やがて細くなり宙に消えていった。

「口づけ程度では足りぬかの」

 放心状態となって一言も言えなくなった一刀を見て玉兎は次の攻める箇所を定め、再び顔を近づける。

「こちらはどうかの」

 言い終えるなり一刀の左首筋の傷口に舌を伸ばして愛撫を始める。

「あうっっ」

 出血は治まっていたが、傷はまだ残っている。
 そこへ柔らかい舌が触れて焼けるような痛みを一刀は感じる。だがやがて痛みの感覚が鈍ってくると、舌先の柔らかさを感じこそばゆくなり、興奮さえ感じる。
 感覚は徐々に鋭くなり、甘い吐息の風でさえ傷口で感じ始める。

「少し精気を入れて感じやすくしてみたが、想像以上に効いているようじゃのう。もはや触れるだけで感じてしまうのう」

 一刀の様子を見て効果を確かめる玉兎。傷口へ精気を入れて欠損を直しつつ、新たな神経を作り上げ、性感帯に作り上げてしまった。
 だが、実際にはそれ以上の効果だった。
 一刀に倒れ込んだために豊かな玉兎の胸は一刀の身体に押し付けられていた。
 玉兎が傷口を舐め上げるために押しつぶされた双球は形を変えて一刀の身体の上を転がる。滑らか感触のあるレオタードのエナメル越しに感じる柔らかな感触に興奮する。
 それだけではない。
 はだけた小袖から現れた一刀の肌に縁取りのファーが当たってこそばゆく、時折直接肌が重なり合い、玉兎の体温を燃えるように感じる。
 自分の小袖とレオタードのエナメルようなの繊維がギュッギュッと擦れる音がより淫靡な雰囲気を醸し出している。
 幾つもの刺激に一刀はクラクラしてきた。
 しかし影響を受けているのは一刀だけではなかった。

「ふむ、其方も大概だが、この身体も中々に淫乱じゃの。一寸口づけをしたくらいで身体が熱くなっておる」

 玉兎は自分の左胸を右手で握りその感触を確かめている。玉兎の言うとおり身体は興奮しているようで一刀の目にも乳房が大きくなり、ハイレグ衣装の縁のファーから乳輪が覗き、先端の乳首は勃起している様子が分かるほどだ。

「う、んっ」

 更なる身体の興奮を玉兎は感じそこに左手を入れる。ハイレグのクロッチ部に左手を滑り込ませ水の音が鈍く響く箇所を細い指で弄くる。

「はあはあ、ああ」

 未知の刺激に興奮し水音が更に強まる。そこから流れ出てくる露が一刀の身体に垂れたときようやく玉兎は左手をクロッチから抜いた。

「ふむ、中々盛んな身体じゃのう。こんなにも興奮して淫らな匂いを出す液を出して来ておる」

 指から滴り落ちる雫の匂いと糸引きの煌めきを恍惚とした表情で玉兎は見つめる。

「雅の身体を陵辱するな」

 滴り落ちる雫を浴びて興奮する一刀だったが、怒りで抑えつけて怒鳴る。

「ほほほ、口ではなんとでも言えるの」

 玉兎は愛液で濡れた指で一刀の顔を撫でる。
 頬の上を雅の体液が触れて一刀の身体が興奮してしまう。
 玉兎は濡れた指で頬を撫でた後、大きな雫を人差し指の先端に作り、一刀の痛いに触れる。そのまま真っ直ぐ下に動かして行き、両目の間を通って鼻筋から鼻先を通って鼻孔の先で一旦止める。
 努めて冷静になろうとした一刀だが鼻孔が雅の匂いに反応して鼻がヒクヒクする。その姿を嘲笑った玉兎は鼻孔の先に雫を置くと口まで動かし指先で唇をなぞる。

「ほほほ、メスの匂いに興奮しているようじゃな」

「そんなことはない」

 玉兎に操られていると判っていても雅の身体であり、その指先に触られて一刀は内心興奮するが表情に出さないように努める。

「本当かのう? 確かめてみるかの」

 そう言うと玉兎はなおも強情な一刀の袴を脱がし、下半身を露出させると、男の象徴を左手で握り擦った。

「あうっ」

「身体は正直なようじゃの。興奮して勃ち上がっておるぞ」

「だ、黙れ!」

「ふむ、これはどうじゃな」

 十分に長くなった一物の上に玉兎はクロッチを擦りつけ前後に腰を動かす。

「う、うおっ」

 女性の柔らかい切れ目に裏筋をエナメルのインナー越しに擦られて快楽の電撃が一刀の全身に走っていく。

「気に入ったようじゃの。より堅くなっておるわ」

 腰の動きはより早くなりクロッチとの接触部分は更に熱を帯びる。クロッチだけでなく一物を握った自分の左手へ力を入れたり抜いたりして刺激し、更に堅くする。

「そろそろじゃの」
 玉兎は自らクロッチをズラし恥部を露わにすると亀頭に割れ目を当てる。興奮して膨れあがった恥肉は一刀の一物を包み奥へ誘う。

「流石、貫通済みのものよ。容易く入るのう。咥え方を知っているとは改めて淫乱な身体じゃのう」

「バカを言うな! 止めろ!」

「ほう、これでもまだ強情が言えるかのう」

 玉兎は更に腰を下ろして一刀の男根を膣の奥へ送り込んで行く。
 男根が入る毎に膣のうごめきは大きくなり奥へ吸い込もうとする。しかし半分ほど入れたとき動きは止まる。
 そこで玉兎は腰を上下に動かし始める。

「うおっ」

 膣壁と男根が擦れて起きる感触が気持ちよすぎて一刀は歓声を上げてしまう。
 動かす度に膣内に愛液が溢れ摩擦を少なくし滑らかにしていく。動きが滑らかになる度に痛みは減り快感だけが残って強まる。膣の締め付けが強まってくるが愛液が緩衝材となり圧迫を弱め寧ろ包まれるような感触だ。

「ほほほ、どうじゃ、女子の身体が喜んでおるのが分かるじゃろう。こんなにも欲情し愛液を垂れ流して淫行を重ねるべく動くのだからのう」

 玉兎は身体を折り、一刀の胸に倒れ込んで自分の豊満な胸で押さえ込むと上目遣いで諧謔に満ちた視線を浴びせ語りかける。

「其方もしたいのであろう。隠さなくて良いぞ。妾の中に入っている其方の一物が大きく脈を打っておる。溜まっていることが妾にはよく分かるぞ。我慢は身体に悪いぞ。タップリと妾の中に出すがよい」

「バカを言うな」

 確かに一刀の男根は破裂寸前だった。だがぶちまければ精気も一緒に流れこみ、玉兎に力を与えて雅の身体を食い破るだろう。
 それは何としても避けなければならない。一刀は叫ぶと共に股間に力を込めて精のほとばしりを押さえつけた。

「ほほほ、強情じゃの。じゃが、これでも耐えられるかの」

 玉兎は上下の動きを止め、半分ほど入った状態で腰を前後左右に動かし始めた。

「うおおおっ」

 男根の半分だけが入った状態で動かされて、亀頭が膣の中により深く入り込み壁のヒダヒダをより強く感じる。
 膣口の部分も支点となって前後左右に動く度に力が加わって刺激され快電を放つ。
 途中から円運動に変わり逸物の全周を刺激される。
 のけ者にされた残り半分、膣口と根本の間も外気に晒され冷やされる部分が自分たちも中に入れろと言わんばかりに熱くなっているのを感じる。
 逃げようにも一刀の全身は痛みで麻痺していて動けない。
 それどころか痛みの鈍い痺れが刺激となって快楽を増幅させる。動けたとしても腰はブーツに包まれた両脚のふくらはぎに抑えられている。
 胸も玉兎の巨乳によって押さえつけられている。
 しかも激しい腰の動きを支える為、一刀の胸に密着しその上で腰の動きに合わせて柔らかい乳肉が変形し踊り、興奮して勃起し堅くなった乳首がタップを刻む。
 激しい腰振りで玉兎のマントがはだけ背中が丸見えになり、丸い尻尾が腰の動きを描画している姿を一刀が見たときには、限界に近かった。

「や、やめ」

 声を出して止めようとしたが玉兎の小さく柔らかい口で塞がれてしまい声も出せない。
 さらに舌が入り込み一刀の口中を舐る。堅く顎を引き締めて侵入を防ごうとしても玉兎の舌は歯茎、唇の裏、頬の裏などを素早く舐り的確に一刀の性感帯を探り当てて攻め立てる。
 顔を動かそうとしてもグローブに包まれた両手が一刀の両頬を抑え細い指が顔のパーツを撫でつける。エナメル越しに触れられるその感触は麻薬のように一刀に快感を与え脱力させ逃さない。
 執拗な責めの連続、そこへ性感帯となった左首筋を玉兎が指でなぞると一刀の顎は遂に陥落。弛緩して玉兎の舌の侵入を許す。口のより奥に入った玉兎の舌は歯の裏、上顎を攻めた後、舌の裏に入り込み自分の口の中に一刀の舌を引き込む。出てきた一刀の舌を唇で啄み更に引き出すと前歯で甘噛みして刺激する。その感触と快感に一刀は驚き溺れより求めてしまう。

「ぷはっ」

 長い口づけの後、ようやく玉兎は一刀の唇から離れた。

「ふふふ、中々やるのう。しかし、もう限界じゃな」

 男根を咥えたまま玉兎は傲然と腰の上に跨がり、騎乗位の状態で一刀を見下ろした。口端から垂れる涎をロンググローブ越しに手の甲で拭う姿に卑しさは無く、寧ろ妖艶でさえあった。

「では、最後じゃ」
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