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妖魔兎人族 白百合

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 そこに立っていたのは見間違うことなく宇佐美白百合のバニーガール姿だった。
 白い尻尾とウサ耳は本物だが、他はバニーガールだ。



 二の腕まである白のロンググローブはしなやかな腕を包み、白いタイツが脚線美をよりよく見せる。
 膝まである銀縁の宝石が付いた白のハイヒールブーツが腰をあげて姿勢を良くしている。
 妖艶なラインを持つ身体はファー付きの白いバニースーツに包まれ更に絞り込まれ、磨き上げられた。
 ショルダーオフのスーツから見える肌は白く、ほんのり赤く染まっており色っぽい。
 胸はスーツによって寄せられ深い谷間を作り、人々の視線を吸い込む。
 それらを左右一体の銀縁された青い肩当てから降りる表白裏青のマントが、青い裏地が白い身体とスーツを浮かび上がらせ、強烈なコントラストとなり、人々の脳裏に焼き付ける。

「あ、あんまり見ないでよ」

 悩ましげに眉を曲げ、頬を赤くしながら白百合は見つめる男共に言った。

「……ふふふ、それが君の姿、妖魔、兎の妖魔か」

「そうよ。兎人族の妖魔よ」

 ぶっきらぼうに、すねるように白百合は言った。
 あまりにも扇情的で人を惑わす姿のため、なによりある種族特性のため、特に強く発現している白百合は、この姿を好んでいない。

「でもこの姿じゃないと、あのロボットには勝てないから」

「いやいや、中々、素晴らしいよ。是非ともフラワーハニーを投与して私の配下に加えたい」

「無理よ。それに、あんたなんか願い下げよ」

「気が強いね。益々気に入った。是非とも配下になって貰うよ」

 ロボットが再び白百合を襲う。

「無駄よ」

 白百合は手を広げると白い檜扇を出現させ広げるとロボットに向けた。

「吹き飛べ!」

 檜扇の先端が光り、青白いビームが放たれる。
 ビームはロボットの装甲を撃ち抜き、大穴を開け背後の壁も貫通した。

「なっ」

 撃ち抜かれて擱座するロボットを見て課長は驚く。

「馬鹿な! 最新の装甲を使い主力戦車並みの防御力を誇るロボットだぞ」

「装甲強化型も簡単に貫通できたからこれぐらい簡単よ」

「装甲強化型を! まさか!」

「特別捜査官だけど、そう言った装備の評価試験、妖魔として対抗できるか試すこともあるの。その時、これで破壊できたわ」

 白百合の言葉に課長は唖然とする。

「ええい! まぐれだ! 出来たとしても、そう何発も打てまい!」

 更に数台のロボットが出てくる。

「愚かね」

 白百合は檜扇を新たに現れたロボット達に向けた。
 数発のビームが放たれいずれも貫通し破壊していく。

「く、くそっ! せっかく手に入れたのに!」

「横領元を聞かせてもらうわ」

「ならばこれならどうだ!」

 更に一回り大きなロボットが現れる。

「組織が警察のロボットを参考にして作った最新型だ! これは倒せまい!」

「簡単よ」

 白百合は再び檜扇を向けてビームを放った。

「なっ」

 だが、ロボットに当たる寸前、半透明のドームが現れ、ビームを弾き飛ばした。
 
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