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第一章 贄と学園の謎
054 意識ある夢
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「待ってろ。薬もらってくる」
千歳は立ち上がろうとする黒羽の袖を掴んだ。
黒羽は隣に腰を下ろすしかない。
「……ここにいて」
かすれていて、情事を思い出させるような声だ。
黒羽の喉は大きく動き、千歳の手を離す。
「落ち着いたら、本署に行くぞ。これは絶対だ」
「うん……ありがとう」
「浅葱に何をされたんだ?」
「もしかしたら、巫覡なんじゃないかって疑われて……びっくりして、声も出せなくなった……」
「そりゃあ驚くだろ。つーか巫覡だったら、葵さんから伝えられるだろうに」
「……………………」
「それで、無理やりやられたのか?」
「逃げようとしたら、制服の隙間に手を入れられて……ボタンも弾かれてこんな格好になったんだ……」
「なんでまた疑われたんだ?」
「この前、巫覡の茉白様と瑠璃様がいらっしゃったでしょ? お帰りになるときに茉白様に偶然お会いしたんだけど、僕の顔を見て『彼なら巫覡になってもおかしくない』って指を差されて……。そのとき、浅葱も近くにいたんだ」
「あいつは誰よりも巫覡になりたい願望があるからなあ」
瑠璃が巫覡に選ばれたとき、盛大に祝いつつも悔しさが滲んだ顔が忘れられない。
「この件は紫影隊長に報告しておく。さすがに黙っちゃいられないだろ」
「でも……報復されたら……」
「たまたま警備隊が通りかかって千歳を介抱したことにすればい。つーかそんな格好だとごまかしようがない。犯されましたって言っても、嘘が通るレベルだぞ」
「うん……そうだよね……」
「とりあえず、これ羽織れ」
黒羽はワイシャツのボタンを外し、千歳に被せた。下は肌が透けないようにとシャツを着ていたが、贄生がこんな格好でうろうろしていたら間違いなくお叱りを受ける。
千歳もそれを気にしてか最初は受け取ろうとしなかったが、無理やり着せるしかない。
「あれ……遠くから来るのは紫影隊長か?」
副隊長の葵といることが多いが、紫影はひとりだった。
まっすぐにこちらへ歩いて来るので、立ち上がって一礼する。
「何があった?」
紫影の機嫌は悪くはなさそうだが、当然良くもない。
黒羽は千歳の身にあった出来事を、かいつまんで話した。
「事情は判った。黒羽、よく千歳を保護してくれた。新しい制服を宿舎まで届けさせる。千歳は俺と来い」
「は、はい……」
紫影に恋慕を抱いている千歳は、顔を赤らめて立ち上がった。
「黒羽、ありがとね」
赤い顔のまま、千歳は笑みを零す。
子供のくせに色気を漂わせて、甘い香りがだだ漏れだ。
「甘い香り……?」
「あっじゃあ……僕行くね……」
千歳は焦った様子で、紫影の後を小走りについていった。
人工的な菓子の香りだが、残り香を嗅いでいるとイチゴの匂いではないかと感じる。
「イチゴの菓子なんて配られたか……?」
最近配られた菓子といえば、マシュマロは中身のないシンプルなものだったし、チョコレートも普段配られるプレーンタイプのものだ。
ぼんやりと考えているうちに、ふたりの姿はいなくなっていた。
千歳がまた入院したと聞いて、なかなか寝つけない夜を過ごしていた。ベッドの上で体勢を何度も変えてみても、浮かぶのは千歳の苦しそうな顔だ。
すっかり目が覚めてしまい、一度ベッドから降りた。
カーテンの隙間から月明かりが漏れている。監獄を照らす唯一の光に見えて、咲紅はカーテンを開けた。
異質といえる目の前の光景に、咲紅は壁に隠れた。
喪服にも見える黒服を着ている男たちが数人、縦長の箱を抱えていた。箱には布が被せられていて、学園のエンブレムである蛇の紋章がついている。
紫影の姿はなかった。いつもは姿が見えないとがっかりするのに、今は安心した。
重そうに箱を抱えた男たちは、森の中へ消えていく。大蛇が眠る神殿がある方角だ。
咲紅は立ちくらみがし、壁にもたれて息を短く吐いた。ぴりつく指先は神経が通っていないようで、冷たい。握っては開いてと繰り返していると、じわりと痺れが広がっていく。
大の大人が重そうに抱えていて、中にはきっと想像し難いものが入っている。時刻は午前二時で、わざわざこんな時間に運ぶとなると、なお外れてほしいと願わずにはいられない。
壁に背をつけたまま、咲紅は目を瞑った。一難が去った後だからか、次第に眠気が向こうからやってきてくれた。
寝て起きれば、きっと夢だったと思える。忘れるのが一番良かった。
真っ白な天井かと思いきや、飛び込んできたのは目鼻や唇が整った顔だった。
「おはよう」
「……紫影…………?」
「一体どんな寝方をしているんだ。来てみたら壁にもたれて眠っていた」
「じゃあ……やっぱり……」
「やっぱり?」
答えるまで、紫影は許してくれなそうだった。
それに、誰かに聞いてもらいたい気分でもある。
咲紅は観念して口を開いた。
「昨日、……多分本部の人間だと思うんだけど、大きな箱を抱えて森の奥へ入っていったんだ。方向は、大蛇が眠っている神殿……」
「咲紅」
いつもより低めの声で、けれど紫影は優しく髪を撫でてくれる。
「昨日見たものは、夢だと思え」
「やっぱり現実じゃん。そんな言い方しなくても誰にも言わないし、ちゃんと何があったか教えてよ」
「違う、咲紅。そうじゃない」
「──え?」
顔が近づいてきて、口付けだと判った。
目を閉じれば生暖かいものが唇をかすめ、緊張した。
「これは夢だ。昨日の出来事は、夢でしかない」
断言ともとれる強い口調で、紫影はもう一度顔を重ねる。
いつもの紫影なら、包み隠さず教えてくれる。学園の秘密も、父と子の関係も彼は話してくれた。
「……判った。夢ってことにしておく」
「咲紅、これから贄生を集めて、隊長の俺から話をする」
「そこである程度を話してくれるんだな。嘘を交えて」
「吐いていい嘘もある。俺が何を話そうと、お前を一番愛しているということを忘れないでくれ」
「ああ。俺も……っ……好きだし」
紫影は子供を見守る親のように、息子の頬を包んだ。
言葉に出さなくても、可愛い、可愛いと伝わってくる。
紫影はベッドから降りて、ネクタイを締めた。
手伝いたかったが、こっぱずかしさと不安が重なり、ベッドから起き上がれなかった。
「愛している、咲紅」
紫影はもう一度呟き、咲紅の唇を奪った。
千歳は立ち上がろうとする黒羽の袖を掴んだ。
黒羽は隣に腰を下ろすしかない。
「……ここにいて」
かすれていて、情事を思い出させるような声だ。
黒羽の喉は大きく動き、千歳の手を離す。
「落ち着いたら、本署に行くぞ。これは絶対だ」
「うん……ありがとう」
「浅葱に何をされたんだ?」
「もしかしたら、巫覡なんじゃないかって疑われて……びっくりして、声も出せなくなった……」
「そりゃあ驚くだろ。つーか巫覡だったら、葵さんから伝えられるだろうに」
「……………………」
「それで、無理やりやられたのか?」
「逃げようとしたら、制服の隙間に手を入れられて……ボタンも弾かれてこんな格好になったんだ……」
「なんでまた疑われたんだ?」
「この前、巫覡の茉白様と瑠璃様がいらっしゃったでしょ? お帰りになるときに茉白様に偶然お会いしたんだけど、僕の顔を見て『彼なら巫覡になってもおかしくない』って指を差されて……。そのとき、浅葱も近くにいたんだ」
「あいつは誰よりも巫覡になりたい願望があるからなあ」
瑠璃が巫覡に選ばれたとき、盛大に祝いつつも悔しさが滲んだ顔が忘れられない。
「この件は紫影隊長に報告しておく。さすがに黙っちゃいられないだろ」
「でも……報復されたら……」
「たまたま警備隊が通りかかって千歳を介抱したことにすればい。つーかそんな格好だとごまかしようがない。犯されましたって言っても、嘘が通るレベルだぞ」
「うん……そうだよね……」
「とりあえず、これ羽織れ」
黒羽はワイシャツのボタンを外し、千歳に被せた。下は肌が透けないようにとシャツを着ていたが、贄生がこんな格好でうろうろしていたら間違いなくお叱りを受ける。
千歳もそれを気にしてか最初は受け取ろうとしなかったが、無理やり着せるしかない。
「あれ……遠くから来るのは紫影隊長か?」
副隊長の葵といることが多いが、紫影はひとりだった。
まっすぐにこちらへ歩いて来るので、立ち上がって一礼する。
「何があった?」
紫影の機嫌は悪くはなさそうだが、当然良くもない。
黒羽は千歳の身にあった出来事を、かいつまんで話した。
「事情は判った。黒羽、よく千歳を保護してくれた。新しい制服を宿舎まで届けさせる。千歳は俺と来い」
「は、はい……」
紫影に恋慕を抱いている千歳は、顔を赤らめて立ち上がった。
「黒羽、ありがとね」
赤い顔のまま、千歳は笑みを零す。
子供のくせに色気を漂わせて、甘い香りがだだ漏れだ。
「甘い香り……?」
「あっじゃあ……僕行くね……」
千歳は焦った様子で、紫影の後を小走りについていった。
人工的な菓子の香りだが、残り香を嗅いでいるとイチゴの匂いではないかと感じる。
「イチゴの菓子なんて配られたか……?」
最近配られた菓子といえば、マシュマロは中身のないシンプルなものだったし、チョコレートも普段配られるプレーンタイプのものだ。
ぼんやりと考えているうちに、ふたりの姿はいなくなっていた。
千歳がまた入院したと聞いて、なかなか寝つけない夜を過ごしていた。ベッドの上で体勢を何度も変えてみても、浮かぶのは千歳の苦しそうな顔だ。
すっかり目が覚めてしまい、一度ベッドから降りた。
カーテンの隙間から月明かりが漏れている。監獄を照らす唯一の光に見えて、咲紅はカーテンを開けた。
異質といえる目の前の光景に、咲紅は壁に隠れた。
喪服にも見える黒服を着ている男たちが数人、縦長の箱を抱えていた。箱には布が被せられていて、学園のエンブレムである蛇の紋章がついている。
紫影の姿はなかった。いつもは姿が見えないとがっかりするのに、今は安心した。
重そうに箱を抱えた男たちは、森の中へ消えていく。大蛇が眠る神殿がある方角だ。
咲紅は立ちくらみがし、壁にもたれて息を短く吐いた。ぴりつく指先は神経が通っていないようで、冷たい。握っては開いてと繰り返していると、じわりと痺れが広がっていく。
大の大人が重そうに抱えていて、中にはきっと想像し難いものが入っている。時刻は午前二時で、わざわざこんな時間に運ぶとなると、なお外れてほしいと願わずにはいられない。
壁に背をつけたまま、咲紅は目を瞑った。一難が去った後だからか、次第に眠気が向こうからやってきてくれた。
寝て起きれば、きっと夢だったと思える。忘れるのが一番良かった。
真っ白な天井かと思いきや、飛び込んできたのは目鼻や唇が整った顔だった。
「おはよう」
「……紫影…………?」
「一体どんな寝方をしているんだ。来てみたら壁にもたれて眠っていた」
「じゃあ……やっぱり……」
「やっぱり?」
答えるまで、紫影は許してくれなそうだった。
それに、誰かに聞いてもらいたい気分でもある。
咲紅は観念して口を開いた。
「昨日、……多分本部の人間だと思うんだけど、大きな箱を抱えて森の奥へ入っていったんだ。方向は、大蛇が眠っている神殿……」
「咲紅」
いつもより低めの声で、けれど紫影は優しく髪を撫でてくれる。
「昨日見たものは、夢だと思え」
「やっぱり現実じゃん。そんな言い方しなくても誰にも言わないし、ちゃんと何があったか教えてよ」
「違う、咲紅。そうじゃない」
「──え?」
顔が近づいてきて、口付けだと判った。
目を閉じれば生暖かいものが唇をかすめ、緊張した。
「これは夢だ。昨日の出来事は、夢でしかない」
断言ともとれる強い口調で、紫影はもう一度顔を重ねる。
いつもの紫影なら、包み隠さず教えてくれる。学園の秘密も、父と子の関係も彼は話してくれた。
「……判った。夢ってことにしておく」
「咲紅、これから贄生を集めて、隊長の俺から話をする」
「そこである程度を話してくれるんだな。嘘を交えて」
「吐いていい嘘もある。俺が何を話そうと、お前を一番愛しているということを忘れないでくれ」
「ああ。俺も……っ……好きだし」
紫影は子供を見守る親のように、息子の頬を包んだ。
言葉に出さなくても、可愛い、可愛いと伝わってくる。
紫影はベッドから降りて、ネクタイを締めた。
手伝いたかったが、こっぱずかしさと不安が重なり、ベッドから起き上がれなかった。
「愛している、咲紅」
紫影はもう一度呟き、咲紅の唇を奪った。
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