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第一章 贄と学園の謎
053 奪われた心、荒れむ心
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贄生宿舎の屋上へ足を踏み入れると、すでに先客がいた。玄一だ。
「屋上は相変わらず薔薇の香りがすごいな」
「咲紅、どうしたんだ?」
「もらってきた。食べる?」
「ああ。……誰から?」
「紫影から」
手のひらいっぱいのひと口チョコレートを取ろうとして、玄一は止まる。
「お前にあげたんじゃないのか? 俺がもらっていいものじゃない」
「信頼できる人と食べろって」
「千歳は?」
「千歳はこういうの口うるさいんだ。規律を重んじるタイプというか。前にもらったチョコをあげたら、怒られた。……贄生から巫覡になったら、きっとあいつはいの一番に言うと思う」
「一つもらう。代わりにやる」
「え」
玄一は咲紅の手からチョコレートを一つ取り、飴玉を乗せた。
「イチゴ味?」
「中がジャムみたいになっていて、甘酸っぱい」
「ありがとう。もらうよ」
飴玉とチョコレートを二つ口に入れたら、口内で反乱が起こり始めた。
変な顔をしていたのだろう。玄一は吹き出した。
「ぷっ…………」
「笑ったな」
「一気に食べるからだ。一つずつ食べたらいい」
「っ……これ、誰からもらったんだよ。学園で支給されたものじゃないよな」
「秘密。そのうち話す。それより、変わりないか?」
巫覡である茉白と瑠璃に辱めを受けた件について言っているのだろう。
「平気とは言い難いけど、地に足をつけて何かしていないと思い出すからさ。っていうか、知ってたんだな」
「紫影さんから、軽く触れる程度に聞いただけだ。神殿で何があったのかは詳しくは知らない」
紫影はきっと、詳しく話しているのだと察した。
辱めの内容が内容なだけに、玄一は「詳しくは知らない」などと言ってそっとしておいてくれている。咲紅は彼の優しさに甘えることにした。
「心配して、神殿まで来てくれたんだろ? しかもよじ登って天窓から入ろうとしてたらしいし」
玄一は罰が悪そうに、頭を強くかいた。
「紫影さんにばれて、さすがに怒られた。巫覡がいる前だからこそ、おとなしくしていなければ俺自身も危なかった」
「紫影は玄一の心配も同じくらいしてるよ。だから俺のために無理しないでくれ」
「同意しかねるが、気をつける」
玄一を友達だと思っているからこそ、そこは同意してほしかった。きっとそう伝えても、彼は頷かないだろう。咲紅にとって玄一の存在は大きく、友達であり兄のような存在だった。玄一は贄生として餌にされそうなところを紫影に救われ、咲紅は巫覡であることを隠している。秘密を共有している分、千歳とはまた違う義兄弟だと思っていた。
「外も暑くなってきた。そろそろ中へ入ろう」
「ああ、そうだな」
玄一が何か喋るたびに吐息が甘く、居心地が悪かった。
この人はすでに誰かに心を奪われていると、心に暗雲が立ち込めた。
先に食べ終えた咲紅はトレーを持ち、席を立った。
眠そうに欠伸を何度もする様子から、昨日は御霊降ろしの儀だったらしい。
儀式について生徒同士話すのは禁忌とされており、咲紅とも直接は触れないようにしているが、彼は他の贄生より回数が多いと、黒羽は思っている。
贄生になってから手作りのカレンダーをこっそり作り、儀式があった日を書いていた。
黒羽はほぼ月一だ。審判者である霞に聞いてみたところ「わりと少ない」とのこと。霞という名前は可愛らしいが、玄一のような屈強な大男だった。
黒羽は先週の儀式を思い出していた。いつものごとく渡された紙コップを持って脱衣所へ行き、溜まったものを排出する。
それを渡すと、霞は無言で受け取り、出ていこうとした。
「あのー……霞さん」
「はい」
「儀式って、誰でもこんな感じなんですか?」
「審判者によってやり方は違います。ごまかそうとする贄生がいないわけではないので、目の前でさせるのがほとんどですが……嫌ですよね」
「そりゃあまあ……男同士で身体の作りは同じといえど、気分のいいものではないですね。ただ、身体に紋様が浮かぶって話をしたじゃないですか?」
「ええ、初めての儀式のときですね」
「確認しなくていいのかなあと。いや、ごまかすつもりもないし、腹を毎回確認してますが浮かんでいないのは事実なんですけど」
「判っていますよ。だからこそ、黒羽にお任せしているんです」
黒羽は苦笑いを浮かべ、彼の持つ紙コップを見る。
「見なくても判る」というのは、信頼と捉えるか希望がないと捉えるか。間違いなく後者だろう。紋様が出ないからこそ、見ない。万が一出ても、教団が欲していないから申告も望んでいないと捉えている。ではなぜ贄生に選ばれたのかといえば、望まれているのは丈夫な肉体から吐き出される子種だけなのだ。
同じ贄生の咲紅とは大違いだ。彼は間違いなく儀式を数回行い、紋様も欠かさずチェックされているだろう。少なからず勉強もスポーツもライバル関係にある彼との差に、心が揺れるときがある。
咲紅は変わった。学園に警備隊隊長である紫影がやってきてからだ。彼が学園へ足を踏み入れてからというもの、苛立ちを爆発させるかのように授業をさぼり、教師や警備隊へきつく当たる。贄生になってからは落ち着きを取り戻し、それどころか慎重な様子も見せるようになった。
鉄仮面のような厳しい目を向ける紫影だが、咲紅を見つめる目は優しく、特別な想いが込められていた。それは咲紅も同じだ。ふたりとも誰よりもお互いを求め合う関係なのだと判る。それに、咲紅は隠しているようだが、同じ贄生の玄一と話をするようになった。玄一という男は独りを好むが、たまに咲紅とは話をしている。しかもお互いに隠すようにして、だ。
「同じ生徒で、別に隠す必要もないのにな」
黒羽も食べ終えるとトレーを下げた。今日は授業もなく、天気も良い。散歩日和だ。
温室にでも行こうとしていた矢先、浅葱とすれ違った。他の贄生の取り巻きと一緒で、にやけた顔刃あまりいい気分にならない。彼らはなぜか千歳を目の敵にし、陰険ないじめを行っている。
「よお、浅葱」
「黒羽、どこに行くの?」
「ちょっと散歩だよ。天気がいいしな」
「ふうん。温室に綺麗な薔薇が咲いてたよ。行ってみたら?」
「温室?」
ちょうど行こうとしていたところだ。彼らからは瑞々しい薔薇の香りがする。
「そうだな。行ってみるか」
浅葱がそう言うからには、企みしか感じられなかった。
彼らと別れ、黒羽は急ぎ足で温室へ向かう。途中、茂みが揺れて近づくと、小さな背中が見えた。
「千歳か?」
名前を呼ぶと、千歳の身体が揺れる。
「黒羽……?」
「お前……どうしたんだよ? なんだその顔は」
目が真っ赤になり、頬は腫れ上がって涙の跡がついていた。
「まさか、浅葱か?」
「うう…………っ」
「図星だな。制服やられたのか」
上半身の制服は乱れ、ボタンがいくつか弾かれている。
見ようによっては、まるで無理やり事後を想像させるような危機感がある。
「千歳、ちゃんと話してくれ。まずは温室の中へ入ろう」
千歳の腰を抱えると、腕に振動が伝わってくる。抱きしめるように強めに抱え、温室のベンチへ座らせた。
「屋上は相変わらず薔薇の香りがすごいな」
「咲紅、どうしたんだ?」
「もらってきた。食べる?」
「ああ。……誰から?」
「紫影から」
手のひらいっぱいのひと口チョコレートを取ろうとして、玄一は止まる。
「お前にあげたんじゃないのか? 俺がもらっていいものじゃない」
「信頼できる人と食べろって」
「千歳は?」
「千歳はこういうの口うるさいんだ。規律を重んじるタイプというか。前にもらったチョコをあげたら、怒られた。……贄生から巫覡になったら、きっとあいつはいの一番に言うと思う」
「一つもらう。代わりにやる」
「え」
玄一は咲紅の手からチョコレートを一つ取り、飴玉を乗せた。
「イチゴ味?」
「中がジャムみたいになっていて、甘酸っぱい」
「ありがとう。もらうよ」
飴玉とチョコレートを二つ口に入れたら、口内で反乱が起こり始めた。
変な顔をしていたのだろう。玄一は吹き出した。
「ぷっ…………」
「笑ったな」
「一気に食べるからだ。一つずつ食べたらいい」
「っ……これ、誰からもらったんだよ。学園で支給されたものじゃないよな」
「秘密。そのうち話す。それより、変わりないか?」
巫覡である茉白と瑠璃に辱めを受けた件について言っているのだろう。
「平気とは言い難いけど、地に足をつけて何かしていないと思い出すからさ。っていうか、知ってたんだな」
「紫影さんから、軽く触れる程度に聞いただけだ。神殿で何があったのかは詳しくは知らない」
紫影はきっと、詳しく話しているのだと察した。
辱めの内容が内容なだけに、玄一は「詳しくは知らない」などと言ってそっとしておいてくれている。咲紅は彼の優しさに甘えることにした。
「心配して、神殿まで来てくれたんだろ? しかもよじ登って天窓から入ろうとしてたらしいし」
玄一は罰が悪そうに、頭を強くかいた。
「紫影さんにばれて、さすがに怒られた。巫覡がいる前だからこそ、おとなしくしていなければ俺自身も危なかった」
「紫影は玄一の心配も同じくらいしてるよ。だから俺のために無理しないでくれ」
「同意しかねるが、気をつける」
玄一を友達だと思っているからこそ、そこは同意してほしかった。きっとそう伝えても、彼は頷かないだろう。咲紅にとって玄一の存在は大きく、友達であり兄のような存在だった。玄一は贄生として餌にされそうなところを紫影に救われ、咲紅は巫覡であることを隠している。秘密を共有している分、千歳とはまた違う義兄弟だと思っていた。
「外も暑くなってきた。そろそろ中へ入ろう」
「ああ、そうだな」
玄一が何か喋るたびに吐息が甘く、居心地が悪かった。
この人はすでに誰かに心を奪われていると、心に暗雲が立ち込めた。
先に食べ終えた咲紅はトレーを持ち、席を立った。
眠そうに欠伸を何度もする様子から、昨日は御霊降ろしの儀だったらしい。
儀式について生徒同士話すのは禁忌とされており、咲紅とも直接は触れないようにしているが、彼は他の贄生より回数が多いと、黒羽は思っている。
贄生になってから手作りのカレンダーをこっそり作り、儀式があった日を書いていた。
黒羽はほぼ月一だ。審判者である霞に聞いてみたところ「わりと少ない」とのこと。霞という名前は可愛らしいが、玄一のような屈強な大男だった。
黒羽は先週の儀式を思い出していた。いつものごとく渡された紙コップを持って脱衣所へ行き、溜まったものを排出する。
それを渡すと、霞は無言で受け取り、出ていこうとした。
「あのー……霞さん」
「はい」
「儀式って、誰でもこんな感じなんですか?」
「審判者によってやり方は違います。ごまかそうとする贄生がいないわけではないので、目の前でさせるのがほとんどですが……嫌ですよね」
「そりゃあまあ……男同士で身体の作りは同じといえど、気分のいいものではないですね。ただ、身体に紋様が浮かぶって話をしたじゃないですか?」
「ええ、初めての儀式のときですね」
「確認しなくていいのかなあと。いや、ごまかすつもりもないし、腹を毎回確認してますが浮かんでいないのは事実なんですけど」
「判っていますよ。だからこそ、黒羽にお任せしているんです」
黒羽は苦笑いを浮かべ、彼の持つ紙コップを見る。
「見なくても判る」というのは、信頼と捉えるか希望がないと捉えるか。間違いなく後者だろう。紋様が出ないからこそ、見ない。万が一出ても、教団が欲していないから申告も望んでいないと捉えている。ではなぜ贄生に選ばれたのかといえば、望まれているのは丈夫な肉体から吐き出される子種だけなのだ。
同じ贄生の咲紅とは大違いだ。彼は間違いなく儀式を数回行い、紋様も欠かさずチェックされているだろう。少なからず勉強もスポーツもライバル関係にある彼との差に、心が揺れるときがある。
咲紅は変わった。学園に警備隊隊長である紫影がやってきてからだ。彼が学園へ足を踏み入れてからというもの、苛立ちを爆発させるかのように授業をさぼり、教師や警備隊へきつく当たる。贄生になってからは落ち着きを取り戻し、それどころか慎重な様子も見せるようになった。
鉄仮面のような厳しい目を向ける紫影だが、咲紅を見つめる目は優しく、特別な想いが込められていた。それは咲紅も同じだ。ふたりとも誰よりもお互いを求め合う関係なのだと判る。それに、咲紅は隠しているようだが、同じ贄生の玄一と話をするようになった。玄一という男は独りを好むが、たまに咲紅とは話をしている。しかもお互いに隠すようにして、だ。
「同じ生徒で、別に隠す必要もないのにな」
黒羽も食べ終えるとトレーを下げた。今日は授業もなく、天気も良い。散歩日和だ。
温室にでも行こうとしていた矢先、浅葱とすれ違った。他の贄生の取り巻きと一緒で、にやけた顔刃あまりいい気分にならない。彼らはなぜか千歳を目の敵にし、陰険ないじめを行っている。
「よお、浅葱」
「黒羽、どこに行くの?」
「ちょっと散歩だよ。天気がいいしな」
「ふうん。温室に綺麗な薔薇が咲いてたよ。行ってみたら?」
「温室?」
ちょうど行こうとしていたところだ。彼らからは瑞々しい薔薇の香りがする。
「そうだな。行ってみるか」
浅葱がそう言うからには、企みしか感じられなかった。
彼らと別れ、黒羽は急ぎ足で温室へ向かう。途中、茂みが揺れて近づくと、小さな背中が見えた。
「千歳か?」
名前を呼ぶと、千歳の身体が揺れる。
「黒羽……?」
「お前……どうしたんだよ? なんだその顔は」
目が真っ赤になり、頬は腫れ上がって涙の跡がついていた。
「まさか、浅葱か?」
「うう…………っ」
「図星だな。制服やられたのか」
上半身の制服は乱れ、ボタンがいくつか弾かれている。
見ようによっては、まるで無理やり事後を想像させるような危機感がある。
「千歳、ちゃんと話してくれ。まずは温室の中へ入ろう」
千歳の腰を抱えると、腕に振動が伝わってくる。抱きしめるように強めに抱え、温室のベンチへ座らせた。
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