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『決定打』(SIDE 泰莉)
しおりを挟む「美影さんがアンタにしたこと・・俺にもさせてくれるなら、許してやるよ。」
「・・・・出来ない。」
「何でだよ・・・」
弥弦さんがそう答えるのは、わかっていた。
でももしかしたら、ってほんのわずかな希望にかけた俺はバカだ。
自分を決定的に傷つけるための答えを、弥弦さんに求めた。
「出来ない。俺はお前に抱かれたいんじゃなくて、抱きたいの。」
「美影さんには、許すのに?俺って・・・一体アンタの何なんだよ?」
「出来ない・・・。」
あの夜から、俺は二人の間に起きる全てのことを、美影さんと比べるようになってしまった。
弥弦さんは、美影さんに弱い。
従わないふりをしてわがままを言ってみても、結局いつも彼に従う。
俺の意見なんて、少しも取り入れてくれたことがないのに。
弥弦さんはずっと彼のことが好きで、手に入らないから俺を代用品に選んだんだろう。
そんな気持ちが拭えなくなっていった。
「泰莉・・・ごめん。」
「何で・・・」
いつもみたいに偉そうに命令しろよ。
理屈に合わないことを喚いて、めちゃくちゃ言って、ほんとにアンタは仕方ねぇなって、俺を呆れさせてくれよ。
何まじになってんだよ。
そんなふうに真剣に謝られたら、俺はもう・・これ以上誤魔化したり見ないふりしてやり過ごしたり出来なくなんだろ。
心の中で呪いみたいに延々と弥弦さんへの恨み言を並べ立てても、気持ちはまるで収まらなかった。
これを口にしたら、俺たちは本当に終わる。
そう思ったら苦しくて、俺はその場から逃げ出すことしか出来なかった。
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