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『永遠の片思い』(SIDE 泰莉)
しおりを挟む「痛ぇ・・・少しは加減とかあるでしょ、久々なのに容赦ねぇよなぁ・・」
痛む腰を抑えて、何とか起き上がった。
舞台稽古の筋肉痛に加えて、激しかった昨夜の情事が腰に響く。
「お前が誘ったんだろ、俺のを咥え込んで、泣いてヨガってたの誰だっけ?」
妙にスッキリした顔の弥弦さんが、ベッドから出ようとする俺の腰に腕を回す。
「弥弦さん、」
「何、足りなかった?もっと欲しい、って顔に書いてる。」
ベッドに引き戻されてもう一度キスされれば、俺は何度だって欲情できる自信があった。
彼の身体はたまらない。
きっと相性がいいというだけではなくて、俺がこの人を本気で好きなのに、手に入らないと本能でわかっているからこれほどイイのだ。
「お前は相変わらず、俺に痛めつけられるのが好きだね。」
「んなわけねぇだろ、優しくしてほしいっつうの。」
「嘘。腰が立たなくなるまで、愛してやるよ。」
乱暴に引き戻されて、情熱的なキス。
この人に求められたら、NOとは言えない。
絶対に手に入らない人。思い通りにならない人。いつか俺を捨てる人。
2年付き合って、はっきりわかった。
わかっているから、恋い焦がれるのだと思う。
俺はこの人に、永遠の片想いをしている。
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