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『異議なし』

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「見せちゃえば良いんじゃないの?」

「え・・っ?!」

「いや、だって夫婦愛の素晴らしさを伝えたいなら、見せるしかないかなって。俺とまゆたんが妊活してるとこ、スバルさんに見せるとか!」

きょとんとした顔でとんでもない提案をするのは、我が家の最年少、いつき
彼とは自然妊娠を目指して、妊活に励んでいる。

「いいと思う。」

煌大こうだい君・・?!」

同じく妊活中の夫、煌大が樹の提案に賛成だと手をあげた。

「ちょっと煌大、お前いい加減にしろよ。無理矢理するのがイイとか変態じみたプレイを卒業したかと思えば、最近やたら人に見てもらいたがるじゃん。」

「なっ、別にいいだろ、家庭内なんだから、」

あいと3人で愛し合うことが増えて、煌大はまた新たな性癖の扉を開いてしまったらしい。
同じく妊活中の双子の夫、らんそうを複数プレイに誘ったとして、先日愛から散々文句を言われていた。

「ちょ、ちょっと待って、スバルさんは技術者であって、私の夫じゃないわけだし、」

「スバルも・・結婚しちゃえばいいのに。」

さすがに夫以外の男性に妊活の様子を披露するのは・・とひるむ私の言葉に、比奈多ひなたが頬杖をつきながら呟く。

「それはいいね。うちにスバルさんがいたら、妊娠率も上がりそうじゃない?なんでも相談できるし。」

スバルの才能に惚れ込んでいる愛が賛成し、妊活中の夫たちもうんうんと首を縦に振った。


「でも、そう簡単に結婚なんて・・・」

この制度での結婚はリストに名前があることや、他にも前提条件がいくつもある。

「問題ないよ。私はリストに名前があるし、この制度に参加している女性の中で、一番君に興味がある。」

スバル本人の登場に、夫たちの盛り上がりはピークを迎えた。


「俺も賛成。妊娠のために必要な栄養素とか、食事のこと教えてもらえたら助かります。」

妊娠中、妊活中の夫たちの食事について、りつはいつも気にかけてくれている。


「妊娠しやすい体位があるって本当ですか?」

「それって女性が妊娠してた頃の話じゃないの?」

「いや、それがだね、今研究中なんだがデータがあってだね、」

もはや性教育の授業みたいになりつつあった。夫たちが次から次へとスバルに質問をぶつける。


「繭は、スバルさんと結婚することに、何か異議はあるか?」

「異議は・・・もちろん無いですけど・・。」

「じゃあ決まりね!俺、慶斗けいとさんに婚姻手続きの申請頼んでみる!」


スバルはすでに私たち家族にすっかり馴染んで、輪の中心人物になっていた。

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