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『プレゼン』

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煌大こうだい君・・・本当にするの・・・?」

Tシャツをカッコよく脱ぎ捨てた煌大は、まるで映画の中の人物のように爽やかな笑顔で私を見下ろしていた。
助けを求めるようにあいを見ると、やれやれと深いため息を吐き出す。

まゆ、ごめんね。この馬鹿は言い出したら聞かないから。」

観念したように上着のボタンを一つずつ外し、愛もまた裸になる。
イケメン夫二人に見下ろされ、私は覚悟を決めて目を閉じた。

「こんなことに何か意味があるのかね。」

スバルはいつもとまるで変わらぬ表情で、ベッドの横に設置された椅子に腰を下ろす。


まるでプレゼンテーションだ。

「体外受精」こそが合理的な妊娠の方法だと信じて疑わない生物学者の夫、スバル。
彼の意見をくつがえすべく、私たちはこうして3人ベッドで見つめ合っているのだ。

彼にセックスの良さを伝える。
それが今の私たちの使命。

セックスの無い夫婦だって、心が通い合っていればそれで良いと思う。
けれど、実際に経験することでその良さを知って欲しいのだ。



「繭、愛してる。」

スバルの目を気にしてか、煌大の態度が少々演技がかっている。
台本でもあるのかというほどに、完璧な間で彼が私の唇に優しいキスをした。

「ん・・・煌大君・・・っ」

「繭、俺のことも見て?」

煌大の念入りなキスにイラついた愛が、あごクイで割って入る。

3人でするセックスの良さ。
夫二人が私を取り合って張り合うような素振りを見せる瞬間、たまらない優越感に満たされる。

二人の夫が私を気持ち良くしようとあの手この手を使って愛撫してくれる快感はたまらない。


「今日は俺が先に挿入する。文句は言わせない。」

愛は煌大にそう宣言すると私を四つん這いにして、ペニスの先端をあてがった。

「繭、しゃぶってくれ。」

導かれるままに煌大の欲望を口に含み、愛を身体の奥深くまで受け入れる。

「あ・・っ・・・んぅ・・・」

クチュクチュと卑猥な音をたてて出し入れされる肉棒。
愛の腰の動きに合わせて、煌大のペニスをしゃぶった。

「あぁ・・・繭イイよ・・・繭の中に挿れてるみたいだ・・・」

快楽に腰を浮かせる煌大のいやらしい表情。
徐々に早くなっていく、愛の腰の動き。

部屋の中に嬌声と、肌が触れ合う音が響き渡る。
いつの間にか熱を帯びている、食い入るようなスバルの視線。

彼らの全てが私を興奮させてくれる。

(スバルさんに見られてる・・・っ・・・恥ずかしくて興奮しちゃう・・・ッ)


夫3人の視線を感じながら、上り詰めていく快感。

私はあっという間に絶頂を迎えてしまった。



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