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『セックスの良さ』
しおりを挟む「はぁ?セックス無しで妊娠・・?スバルさんって潔癖症?女嫌い?」
信じられないという顔で大袈裟に反応した桜雅に、雫が苦笑する。
「確かに体外受精だと、繭の身体にかかる負担は軽減できるかもしれないよね。」
毎晩のように夫たちとベッドインするこの制度。
妻への負担が大きすぎるのではという声が、未だ根強い。
負担どころかむしろ生きがいとなっているイケメン夫たちとの行為を無くすという選択肢は、私の中になかった。
♢♢♢
「繭、本当に身体は辛くない?」
雫の部屋で、紅茶を飲みながら映画鑑賞。
二人きりで過ごす、久々の夫婦時間だ。
毎晩夫たちとベッドインすることが私の負担にならないかと、彼はまだ気になっているらしい。
「全然辛くないよ。私にとってすごく大切な時間なの。」
「・・・良かった。繭が同じ気持ちでいてくれて。」
「スバルさんの考えを全面的に否定することはしたくないけど、合理的じゃなくても必要なことってきっとありますよね。」
「うん。俺は・・・シたいな。」
雫の声が色っぽく響いて、ドキンと鼓動が跳ねた。
ソファーの上、ブランケットの中で指を絡め合う。
「こうやって繭のにおいを嗅いでるだけで、エッチな気分になっちゃう俺は・・動物的過ぎるかな?」
私の首元にキスをしながら甘く囁く、今日の彼はなんだか妙に色っぽい。
「繭とたくさんエッチなことして、子どもを作りたい。」
「し・・雫さん・・・?」
「この行為の先に妊娠があるんだって考えると、やっぱり興奮するよね。」
「んぅッ・・あ・・」
ブランケットの下、下着の上から秘部をなぞられて思わず声が出た。
「俺が繭をこんなに欲しいと思うのは・・・どうしようもなく愛してるからだよ。」
「雫・・さ・・んっ・・」
私の気持ちイイところを知り尽くした彼の指。
愛しているから、愛し合っているから、私は夫とセックスしたい。
男性妊娠という技術を確立し、私たち家族に子どもを授けてくれたスバル。
夫婦愛がもたらす幸福やセックスの良さを、彼にも知って欲しいと私は願っていた。
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